スクウェアエニックスの株主総会2008年版

2008年6月21日:スクウェアエニックスの株主総会2008年版
今日はスクウェアエニックスの株主総会だ。
えっと、当然…。
ん?
寝坊していけなかったんですよね。
なんでそうなるんだよ。
なんでですか!今回はあなたのターンじゃないですか!
どんなターンだ!!
残念です。
わけのわからないこと言わずに、とっとと話を進めるぞ。
はい。
場所は東京都新宿区西新宿2-7-2にあるハイアット リージェンシー東京の地下1階「センチュリールーム」。昨年はセンチュリーハイアットホテルと、一見違う場所のように思うが、2007年10月1日にホテルの名前が変わっただけなので、場所はまったくの同じとなっている。
ふむ。
10時からスタート。開始の段階で会場にいたのは160人くらい。最初にお土産が貰えるので、それをもらってすぐに帰った人とかもいたようだ。お土産に関しては最後に紹介しよう。
昨年は開始の段階で450名とのことでしたので、大幅に参加者が減っていますね。
雨が降っていたということもあるし、昨年の株主数は34711名で、今回は27349名と、株主数自体も大きく減っているので、こんなもんなのかも。もちろん、天候が悪かったから、遅れてきた人もいるだろうし。今回は特に遅れてきた人が多めのように感じた。
天気は重要ですね。
開始して早い段階でスクリーンを使って昨今の状況を説明。スクリーンが議長席の間後にあったため、和田洋一社長は大きく後ろを何度も向きながら話をするというちょっと間抜けた状態だった。ここでの説明は、単に事業報告書に沿った内容ではなく、問題点となるところをうまくピックアップし、また、言葉も大きく変えながら語っていたのが特徴的だ。逆に、株主招集通知に記載されている事業報告等に関しては、通知の通りという言葉で、思いっきり端折っていた。
主にどのようなことを語っていましたか?
ゲームはなかなかマルチプラットフォーム、マルチ展開はまだまだとのこと。また、ゲームで50億円の評価損を計上した。アミューズメント関連は、回復基調に乗せることができたとのこと。厳しいと世間的には言われているが、それに引きずられずに回復基調に乗っている。ゲームは計画の進行度合いが遅い。と、こんな感じ。そして、さらにスクウェアエニックスホールディングスを立ち上げることに関する説明や、その他議案などの説明を行い、10時35分から質疑応答となっている。
では、いつもどおり、私が質問者役です。
回答はほとんど和田洋一社長が語っている。一部のみ財務担当の松田洋祐が回答。ちなみに、事前に株主総会後にIRカンファレンスを行う旨を述べているので、株主総会での質問は限定的だった。
一人目の質問です。現金および預金の保有額が1115億円と高すぎる。受取利息が1%と、全然活かせていない。M&Aの予定はあるか。金がありすぎると買収されるのではないか。配当に回してもらいたい。
M&Aを機動的に発動するための準備となっている。いざ資金が必要となる時に、金を借りるとうする際には手続き上いろいろ問題があるため、事務的な理由で現金で保有している。前期の連結配当性向は30%後半。安定と業績連動とを睨んでやっている。最初の現預金の有無とはまた別問題。
二人目の質問です。セグメント別売上について。報告書類の売り上げを全部足して言った際に、連結の売上と一致しないのはどうしてか。タイトーのアミューズメントが不振なのではないか。足を引っ張っているのではないか。今後の展開は。
セグメント別売上は消却前の額を記入している。セグメント間の内部取引があるため。バトルモンスターのようにスクウェアエニックスとタイトーとで売り上げが計上されるが、連結の際は消却している。アミューズメントは9000億円の市場で家庭用などよりマーケットは大きい。3%から5%毎年成長している。海外ではカジノが主流だったが、それ以外も立ち上がっている。アジアや中東など。アミューズメントのサイズは非常に大きい。出店の場所がドラスティックに変わっている。最近はショッピングセンター内にファミリー向けが入り成長してきた。また、郊外店も伸びた。ただ、今までの判断が若干下がってきた。現状厳しいという経営者もいるが、事業としては問題ない。コンシューマー用ゲーム機を作るのは無理だが、業務用なら可能。最終的には自社店舗で使える。バトルロードにより、10億円とか20億円とかシナジーが出ている。
三人目の質問です。海外のウエイトについて。新体制ではどういう経営手法で運営していくのか。
海外のウエイトセグメントによって異なる。オフラインゲームは日本と欧米とで1対1。去年末に海外の人的な手当てがついた。オンラインゲームは海外が多く、6割から7割。出版はほぼすべてが日本。アミューズメントはほぼすべて日本。そろそろ海外市場が立ち上がった。10%から30%を目指す。全部を足すと海外割合は2割に。経営目標は経常利益を500億円に。今までは営業利益に重きを置いていたが、ホールディングス制になることで経常利益に移行する。M&Aなどをやっていき、達成していきたい。また、ROEを10%にする。
四人目の質問です。FF13を出すが中古対策をどうするのか。レンタル方式などを採用してはどうか。私の周りには新品で買うような人はいない。
今世代ですべての機種がネットワーク対応になっている。次世代はテレビも含めてオンラインになる。オンライン市場にすることで、物理的メディアへの対応をしていく。
五人目の質問です。ホールディングス化について。一部上場会社からその子会社扱いになることで、社員の一部上場だからというモチベーションが無くなるのではないか。人材募集などに影響は出ないのか。リスクをどのように考えているのか。
まったく影響はないとは思わない。ただ、従業員には説明済みで、手続きも進んでいる。持株会社化をするところは少なくなく、昔と比べて不自然さはなくなっている。ホールディングス化でM&Aにすることで、いくつかのブランドを並列させていきやすい。
六人目の質問です。現金の保有について。事業展開が遅い。自社株買いをしてはどうか。
最初の質問は一人目の質問と重複する。業務に邁進していきたい。
七人目の質問です。売上に対する利益の割合が毎年減っているが、コストダウンして株主に配当として還元してもらいたい。なぜ、今年は目標配当性向30%より上になっているのか。端株について。取締役の成毛の持ち株は0株だがどういうことか。取締役会の出席状況について、どういった議論をしているのか。
売上が上がっているのはタイトーの影響。売上は社会との接点。ここを増やしていく。そして、最終的にはシェイプアップさせていく。売上利益率にとらわれず、利益そのものの額を上げていく。質問者の端株に関しては電子化との話がごっちゃになっているようだ。取締役会は案件が起こるごとに開催している。突然やらせてくれと言って集まってもらうこともある。取締役会という名目でないところでも議論している。臨機応変にやっている。
八人目の質問です。ドラゴンクエストの新作について。2007年発売を守れなかったのはどういうことか。
作る側もプレッシャーを受けながら開発に邁進している。最後の最後まで納得いくまでやっていきたい。発売できなかったことは申し訳ないと思っている。当年度こそは出したいと思っている。
以上ですね。
ここまでで11時22分。質疑応答で47分。7人目辺りであと一人という話をして、そして8人で打ち切る形になった。まあ、手を挙げていた人はまばらだったし、IRカンファレンスでも質疑応答を受けるということなので、ここで終了。そして議案の採決を行い、11時26分に株主総会は終了。
次はIRカンファレンスですね。
IRカンファレンスは11時51分からスタート。壇上には和田洋一社長、本多圭司副社長、そして、開発の人間として橋本真司の3名が座った。最初、座る席を間違えたらしく、途中から和田洋一と本多圭司が席を入れ替わって会場の笑いを誘っていた。
なんで席が違うのでしょうか?
社長は真中に座れと係の人に言われたらしいのだが、手元で操作するはずのパソコンが脇の席に置かれていたので、脇に移動した。
橋本真司さんはキングダムハーツのプロデューサーをしているほか、ファイナルファンタジー13ヴェルサスなど、さまざまなファイナルファンタジー関連のプロデューサーとして参加されています。
12時16分までは会社側からの説明が行われた。会社としてどういったポジションを目指すのかなどを中心に説明。再生不能なものに、価値が変遷していく、という文面が印象的だった。
良い言葉ですね。
で、質疑応答となる。ここではざっくばらんな質問も可能となっていた。また、回答者は株主総会と異なり、3名で答えるものも多いが、ここではあえて誰が言ったかとか細かいことは言わないので、あらかじめ。
一人目の質問です。出版について、今期の予想が減益予想だがなぜか。メディアミックスでソウルイーターをアニメ2枠使っているが、他の作品を流した方がいいのではないか。スクウェアエニックスとタイトーの2社からゲームが出ているが、どのようなジャンル分けをしているのか。タイトーのフランチャイズでの出店の魅力は。マルチプラットフォーム化について、どのハードに注力するのか。
出版の予想は固い数字を載せている。昔の漫画の稼ぎ方と異なり、コミックすに出来る量になったら、その段階でアニメ化し、コミックすで回収する。アニメをやるが、それがどうコミックスに反映するかは読めない。ソウルイーターは夕と夜とで内容を少し変えている。ユーザー層が時間で異なる。持株会社にすることで、別ブランドの方がいいと思っている。ジャンルの設定では、あんな感じ、ということでやっていく。フランチャイズ出店はリスクとリターンを折半できる。他業態が入ってこれる。違う発想も出てきて、発展するのでは。1つのソフトを複数で出すのがマルチプラットフォームなので、まだ道半ば。各プラットフォームと連絡を取り、一番良い形で提供していく。タイトーはダウンロード向けのものが多いので、過去作を提供していきたい。
二人目の質問です。動画配信サイトについて、ゲームのプレイ動画が掲載されるが、新作のストーリーのネタばれについてどう考えるか。
ゲームの内容をばらすようなものは運営元にメールを送って下げてもらっている。しかし、いたちごっこなので、発売当初は特に注意していく。著作権違反に関してはしっかり対策していく。上げるとしても考えてもらわなければならない。徐番などを載せるのは他の人を引き付けるのかもしれない。両面でみていく。ポジティブな場合とネガティブな場合を見て、単純なイエス、ノーではなくやっていく。
三人目の質問です。オンライン事業で、プレイオンラインの展開や位置づけ。
2000年はゲームポータルとして出した。コンテンツとして押し出すのではなく、ネットワークサイトの共通基盤となっていった。今いくつか仕込みがあるので、今後も開発に注力していく。
四人目の質問です。モバイルの通信量の値段がわかりにくい。このため手をつけにいく。まとまったらニンテンドーDSで出してはどうか。3Dで画面が飛び出す飛び出せ大作戦のようなものなど出す予定があるか。
通信料は我々にはわからない。コンテンツを提供するが、通信料は各自のプランによって異なる。飛び出せ大作戦は大量にメガネが余って大変だったそうだ。テレビ側で対応が出れば考えるが、現在は考えていない。かなり先になるのではないか。数万から数十万円で面白半分で研究はしている。
五人目の質問です。マルチプラットフォームに関して。50億円の投資について。
今年以降はぼちぼちでていく。作り方の根本的な部分を手掛けている。FF11はマルチプラットフォームだが、この制作の流れをどう取り入れていくかが重要。プロセスの進め方を徹底していく。海外のスピードに負けないようにマルチ化していかなければならない。50億円はラインを変えるなどでいくつかお蔵入りしたものがあり、それの評価損が50億円。投資は人件費などの固定費なので、全額と言える。
以上ですね。
で、お土産はこんな感じ。


■スクウェアエニックス株主総会のお土産

2008年6月21日に行われたスクウェアエニックス株主総会のお土産

・スペースインベーダー バスタオル
・第28回定時株主総会オリジナルポストカード
・スクウェアエニックスマガジンVol.5

今回のオリジナルお土産がありますね。
なぜか、今日の段階で今年の株主総会でタオル貰ったの3社目だったりする。
今回の株主総会はどうでしたか?
橋本真司の発言の後に和田洋一が「絶対地雷を踏まない歩き方」という表現をしていて会場の笑いを誘っていた。
発言内容が慎重ということですね。
あと、全体的に和田洋一の話が長すぎることがある。もちろん、丁寧で良いのではあるけど、特にIRカンファレンスではもっと質疑応答中心の時間振りで良いと思うのだが。せっかく、株主総会で端折りに端折っていたのに、自らで話を膨らませすぎて結局時間が無くなるというパターンになってしまった。今回はホールディングス化のこともあったので、仕方ない部分もあるが、次回はもうちょっと質疑応答に時間を回せてもらえたらと。
去年は株主総会だけで11時に終わっていたようですからね。
あと、誰かしら開発者を連れてくるとは思ったけど、それが橋本真司になるとは思っていなかった。昨年までは取締役として河津秋敏がいたので、そのままIRカンファレンスにも顔を出していたが、取締役から外れたので。この様子だと、今後橋本真司を取締役にする動きがあるのかもな。
人物としてはどうでしたか?
絶対地雷を踏まない歩き方をするような人物かな。
……。
ファイナルファンタジー13にも関わっているので、誰かしら、それに関して質問すると思って連れてきたのかもしれない。ただ、結局誰も質問せず。Xbox360でのソフト供給ももうちょっと突っ込んだ質問する人がいてもよさそうなものだが。まあ、手を挙げても指名されなかった人が結構いたので、単に指名されていなかっただけの可能性もあるけど。
そうですか。
まあ、こんな感じでしたとさ。

直近、直後の話題

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『スクウェアエニックスの株主総会2008年版』へのコメント

今年もセーラー服コスプレの男来てたな。
あれ真琴社長じゃないよな?

投稿者 : 匿名

ドラクエ9の今期の発売も無理そうですね。
アクションが否定されて完全に迷走している様です。
ここに来て、FF13の話題が急速に出るようになってきたのは、ドラクエ9を諦めて、FF13の発売を優先して穴埋めしようとしているのでしょう。FF13は、後は作りこめば良いだけですからね。しかし、ドラクエ9は、アクションが否定されてポータブルで出す意味を失ってしまいました。本当にDSで出るのかな、怪しい雰囲気ですね。

投稿者 : 匿名

>八人目の質問です。ドラゴンクエストの新作について。2007年発売を守れなかったのはどういうことか。
DSという初めての携帯ゲーム環境と通信環境で満足する品質を達成するのに時間が掛かっていると言っていましたね。

あとマルチは難しいので、タイトルは選んでいくという話もあったかと。

投稿者 : 匿名

IRカンファレンスでも和田社長は考えを分かり易く話そうとしてくれるので良いのですが、
今回は少し長過ぎたと思います。
回答で長くなるならまだしも、質疑応答の前であれはちょっと。
今回質問したい事があったので事前に手帳に質問文をまとめておいたのですが、
挙手していたのに当てられないまま閉会。残念でした。

投稿者 : 匿名

スターオーシャンのマルチかをまずやってほしいな

投稿者 : ぺこ

スクエニは意外と金貯め込んでるねぇ。
ゲームは博打しない戦略だしなぁ。

「PS3の戦略はどうなってますか?」
とか、ネタで聞いて欲しかったよ。
まずは、ホールディングス化した後の展開の方が楽しみだよ。
DQ9もその後だと思うし。

投稿者 : めろんぱん

質問しろよ。

投稿者 : 匿名

ドラクエに関しては、DSのピークは2007だったと思うし延期しても効果的に働くかどうか、FF13に関しては先日のMGS4の成功でスクエニも何らかの動きを見せる頃だと思うし8月の会員制スクエニパーティーは要チェックかも。

投稿者 : 匿名

『ARPG版のDQ9も出して欲しい』と言って欲しかった・・・!

投稿者 : 匿名