バンダイナムコの業績悪化を鉄拳6のせいにすることの過ち
2010年2月3日:バンダイナムコの業績悪化を鉄拳6のせいにすることの過ち | |
バンダイナムコホールディングスの件を再度取り上げてみようと思う。 | |
2月2日『バンダイナムコが大幅下方修正、純利益300億円を超す赤字に、ゲーム部門が足を引っ張る、どうしてこうなったのか』で一度取り上げましたね。通期業績下方修正などを受けての話でした。 | |
何かあったのでしょうか? | |
なんか、業績の悪化が「鉄拳6」のせいだというような話が出ているようなのだが、それはおかしいだろうということを指摘しておこうかと思う。 | |
具体的にはどういうことでしょうか? | |
「鉄拳6」は発売直後に250万本出荷したというプレスリリースが出た。だが、実売はあまり良くないようで。このため、海外の商習慣の一つとしてある店頭在庫に対する損失補てんとして30億円を追加費用として計上したという話が発表されている。 | |
30億円も!? | |
この30億円が今回の下方修正の大きな原因のように言われているんだよね。しかし、本当に「鉄拳6」が悪かったのかどうか。これは一概には言えないところがある。 | |
なぜでしょうか?30億円も費用が追加でかかっているのですから、明らかに「鉄拳6」のせいじゃないですか? | |
この30億円は、単に事前に貰っていた売上の中から差し引かれるだけの数字なんだよね。つまりは250万本出荷した時に得られた売上から30億円を引くというわけだ。なので、何もないところから引かれる数字ではないので、単にもともと得られた額が減るということにすぎない。 | |
追加出費といいますと、お金が出るだけのような気がしますが、実態はお金を返すという意味合いの方が強いようですね。 | |
もし、この製造コストが多くかかっているのであれば、多く作った分は損することになるけど、ソフトの製造コストなんてたかが知れているわけで。そうしたものがあったと言っても、多少のインパクトはあるだろうけど、そこまで騒ぎ立てるほどの額ではない。数億円程度にしかならないだろう。これらを考えた上での簡単な計算式を示すと、次のようになる。 250万本出荷した売上-小売店損失補てん用30億円-余分に作りすぎたソフト代-開発費や広告宣伝費=損益 |
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おお、何となくわかりやすくなりましたね。 | |
250万本の売上額の正確な値は分からないけど、たとえば1枚4000円で出荷したのであれば、100億円の売り上げとなっている。なので、30億円がマイナスされても70億円が残るわけだ。これで、その他の費用を削っていけば、少なくとも単体で赤字になることはないだろう。 | |
開発費などはどうなりますか? | |
「鉄拳6」は業務用からの移植が中心のタイトルであり、前作「鉄拳5」もダウンロードコンテンツでPS3から出ているので、開発費が他の新規で立ち上げたタイトルと比べて高いとは思えない。そうなると、広告宣伝費などを入れても70億円以内に収まるのは容易に想像できるだろう。 | |
つまり、「鉄拳6」では利益は出ているというわけですね。 | |
そういうこと。追加情報では、290万本を出荷したという話もある。初期のプレスリリースでは250万本という話だったので、40万本がどこかに出ていったようだ。ならば、先に述べた売上額はさらに上がることも予想される。 | |
290万本出荷したのですか!? | |
ちなみに、当初予想より売れていないのは事実であり、それによって30億円の追加出費を強いられているので、影響がゼロというわけではない。しかし、「鉄拳6」が赤字であり、それによってバンダイナムコゲームスの業績が悪いというわけではないという点を伝えておきたい。 | |
ふむ。 | |
さて、別の側面からも見ていこうと思う。 | |
どういう側面ですか? | |
2009年4月から9月までの第2四半期を見ると、おおよその数字でアメリカでは38億円の赤字だった。これはゲーム部門だけでなく、トイホビーなどすべて含む数字だ。そして2009年4月から12月までの第3四半期を見てみると、50億円の赤字だ。 | |
アメリカ地域に関しては次のように紹介されていますね。 『アメリカ地域につきましては、トイホビー事業において「BEN10(ベンテン)」の男児キャラクター玩具が堅調に推移しましたが、市場の低迷に加え、他のヒット商材不足により事業全体としては苦戦しました。ゲームコンテンツ事業は、当第3四半期は家庭用ゲームソフトのヒットタイトル不足により苦戦しました。一方、映像音楽コンテンツおよびアミューズメント施設事業においては、効率化によるコスト削減に取り組みました。』(バンダイナムコホールディングス プレスリリースより) |
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ちなみに、ヨーロッパ地域は第2四半期が8億円の赤字、第3四半期が3億円の赤字と持ち直している。 | |
ヨーロッパ地域もアメリカ地域と同様の紹介ですね。 『ヨーロッパ地域につきましては、トイホビー事業において「BEN10(ベンテン)」の男児キャラクター玩具は人気となったものの、厳しい市場環境のなか、事業全体としては低調に推移しました。また、ゲームコンテンツ事業は、当第3四半期は家庭用ゲームソフトのヒットタイトル不足により苦戦し、アミューズメント施設事業は景気低迷の影響で低調な推移となりました。 また、当期よりゲームの販売会社であるNAMCO BANDAI Partners S.A.S.が当社の100%子会社となり、売上が増加する一方で、のれんの償却費(791百万円)を計上しました。』(バンダイナムコホールディングス プレスリリースより) |
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特筆できるものは「BEN10(ベンテン)」のみで、それ以外は特にないというわけだ。つまりは、必ずしも「鉄拳6」だけのせいではなく、他にも原因となるものが多々あると考えられる。 | |
逆に「BEN10(ベンテン)」の人気のほどが窺えますね。 | |
以上の数字から、既に第2四半期の段階でも大幅な赤字であったこと、そして10月から12月までの北米では12億円の赤字でしかないことを考えると、たとえ「鉄拳6」の30億円の引当金があったからと言っても、それだけによって大幅な赤字になったわけではないことが分かるだろう。既に前期から赤字であり、新たに加わった赤字額は限定的なのだから。 | |
おお、そういう見方も出来ますね。 | |
つまり、あまりにも拙速に戦犯が「鉄拳6」というのはおかしいということだ。もう一度言うけど、もちろん当初の予想達成未達の原因となったのは事実だが、「鉄拳6」そのものが赤字というわけではなく、利益は出していると考えるのが妥当ということ。 | |
なるほど。 | |
ちなみに、引き当てられた30億円も、もし今後売れれば徐々に金額が減っていく額であることも述べておく。まあ、あまり売れないと思うけど。 | |
そんな...。 | |
仮に4000円で海外で小売店に売っていて、30億円分をソフト1本丸々補てんする、つまりは返品扱いになったとすると、75万本がまだ小売店にあるという計算になる。もし、この数字を元に考えるのであれば、「鉄拳6」は290万本から75万本を差し引き、215万本売れているのかもな。30億円の算出基準が分からないので、これは仮定でしか過ぎないが。以上のような理由などから、少なくとも「鉄拳6」は思ったほど悪くはないという結論を出し、今日は終える。 |
>減額の最大の要因は、玩具と並ぶ主力事業、ゲームコンテンツの不振だ。
>とくに、家庭用ゲームが苦戦しており、
>欧米中心にヒットした「鉄拳6」(出荷累計290万本)を除き、
>目玉となるヒットも乏しかった。
>国内では、「20万~30万本を目標とする旧バンダイ、
バンプレスト系の
>タイトルの売れ行きが悪い」(石川祝男社長)といい、
>通期発売見込みの新作タイトル92のうち、
>ほぼ5割が赤字(前09年3月期は74タイトルのうち3割が赤字)。
>仕掛かり在庫評価損10億円に加え、海外では店頭での販売価格低下に伴う
>プライスプロテクション(値下げ分の補填)への引当30億円も追加費用となり、
>ゲームコンテンツ部門全体で50億円の赤字に
>転落する見通しだ(従来は55億円の黒字計画)。
この部分の話ですね
ハードごとソフトセールスで見ると
* Wii: 9 titles, 3,765,000 units
* PSP: 13 ttles, 3,351,000
* DS: 26 titles, 3,083,000
* PS3: 5 titles, 2,015,000
* PS2: 4 titles, 1,798,000
* X360: 5 titles, 1,256,000
ここから原因となるハードが見えてくるでしょうね
投稿者 : 匿名鉄拳6だけが悪いと決めつけるのは早いという意見ためになります
投稿者 : 匿名ただやはり鉄拳シリーズはバンダイナムコのゲーム部門で
かなりの力を持ってただけにそれがあっても赤字を解消できないぐらいの何かが足を引っ張ったのかは気になりますね
なんにせよ、よいゲーム作りと何かしらの武器を手に入れてほしいと思います
それにしてもBEN10……気になって調べてみたんですけどなんでこれが流行るのかなあと
自分がこれだからあっちでやってるバンナムの人たちは混乱してるんでしょうね、何出せば売れるのかと
アジアがちゃんと市場として形成されればいいんですがまだまだ海賊版天国ですし……前途多難ですねえ
250万本出荷発表もアメリカでは嘘でもOKだったはず。
投稿者 : 匿名調べる手立ても無い事になってるw
言ったもん勝ちの世界ですよ有名所だとMSのゲームタイトルなんかもそうですね。
特に鉄拳6の場合売り上げチャートで初登場15位が最高で後はランク外
これで250万消化出来る訳も無く。
250万の内30万前後は日本の分を含んでいたのでは?
BEN10は地味に面白いです。
投稿者 : 匿名まあ全体的に不振が目立ったのもあるでしょうね。
信頼を失い続けてきた結果、という事でもあるのかもしれません。
>* Wii: 9 titles, 3,765,000 units
>* PSP: 13 ttles, 3,351,000
>* DS: 26 titles, 3,083,000
>* PS3: 5 titles, 2,015,000
>* PS2: 4 titles, 1,798,000
>* X360: 5 titles, 1,256,000
どうみてもPS3ですね。
投稿者 : めろんぱん主力タイトルばかりなのにこの体たらく。
開発が難しいうえにこの本数じゃ話にならんわ。
マジで衰退するPS2以下じゃねぇーか。
他がどうこう言う奴は居ると思うが、バンナムのメインターゲットはPSP+PS3でしょ。
>投稿者 めろんぱん : 2010年2月 5日 10:32
投稿者 : 匿名えっ?
ああ、いやなんでもないです
92タイトルの5割が赤字なんだから特定の機種の問題じゃ無いだろ。
投稿者 : 匿名まあ据え置きのはほとんどヤバいんだろうなとは思うけど。
>投稿者 めろんぱん : 2010年2月 5日 10:32
ある意味尊敬してやる
投稿者 : 匿名タイトル数と売上本数の割合を完璧に無視してPS3叩き
同じ5タイトルで半分ちょっとの箱と26タイトルで300万のDS無視するとは酷くないかい
投稿者 : 匿名5行全てがぽかーんとなるコメントも珍しいですね
投稿者 : 匿名DSは予算のかからないやっつけ仕事が多いし携帯のソフトも最近は単価が高いから十分なんじゃね?
アイマスなんかはDLCで稼げるからソフトだけの売り上げだけじゃ判断出来ないだろうしな
個人的には宣伝も多く開発の費用のかかる360とPS3はこの数じゃきぴしいと思うけどな
移植だって金かかるんだしね
まあ、バグが多いゲームばかり作ってりゃ売れなくて当然だと思うけどな
投稿者 : 匿名