1億円以上貰う役員の名前と金額が明らかに、ゲームメーカー各社の社長の金額はどれくらいなのか

2010年3月24日：1億円以上貰う役員の名前と金額が明らかに、ゲームメーカー各社の社長の金額はどれくらいなのか

今日はどういった話でしょうか？

今まで、上場企業は役員の報酬金額を個別に開示する必要はなかったのだが、内閣府令案により、この月の決算から開示する必要が出てきたようだ。

これにより、今まで知らされてこなかった役員の報酬額が明らかになりますね。

たとえば、ソニーだと、毎年株主総会で役員の報酬額を個別に開示するようにという株主提案が出されていたりした。しかし、今回からは、1億円以上の報酬を支払う場合、開示することを義務化することになった。

となりますと、ソニーも開示の必要が出てきますね。

まずは開示するということ自体はどう思いますか？

ばかばかしいの一言だ。単に儲けすぎが悪いという風潮を作ることを意図しているだけのように感じる。発想が浅ましいとしか言いようがない。

個別開示を求める理由として、株主に対する責任を果たすべきだという意見もあるようですが。

今までも、役員の総額は明らかにしてきたんだよね。これだけで十分なはずなのに、なぜか個別にも開示しろという。少し頭を使えば、どれくらい支払われているかなんて、わかるものだが。

分かるのですか！？

わかるだろ。なんなら、ゲームメーカー各社の社長の役員報酬をおおよそで述べてみてもいい。

では、お願いします。

えっ！？

いや、言うようなことを言っていたじゃないですか...。

言ってもいいんだけど、おおよそなので、あらかじめご了承いただけたらと。

さっさと言いなさいよ。

次のような感じかと。上場企業のみが対象となっている。単位は百万円で。平均値は、役員の総額を人数で割ったもの。社外取締役などを除いて計算している。役職名は簡易で表示。複数の役職持ちでも通りの良いものを記載している。数字は軒並み前年度を参考。

会社名	役職名	氏名	報酬額	平均値
ソニー	社長	ハワード・ストリンガー	400	145.4
任天堂	社長	岩田聡	200	78.6
スクウェアエニックス	社長	和田洋一	150	90.7
任天堂	専務	宮本茂	110	78.6
カプコン	社長	辻本春弘	100	59.8
ソニー	執行役	平井一夫	80	145.4
バンダイナムコホールディングス	社長	石川祝男	50	38
テクモ	会長	柿原康晴	30	23.6
マーベラスエンターテイメント	社長	中山晴喜	30	19.6
アトラス	社長	猪狩茂	25	22.6
日本一ソフトウェア	社長	北角浩一	25	16.5
日本ファルコム	社長	近藤季洋	11	9.2
角川グループホールディングス	取締役	久夛良木健	6

ソニーのハワード・ストリンガー社長でしたら、4億ということですね。

その数字が正しいかどうかは別として、概ねこんなところだろう。角川グループホールディングスの久夛良木健は、社外取締役のため、報酬額は少ない。平均値を出していないのも、社外取締役の中で考えた場合、他との乖離が大きすぎるため、外してある。実際は前年度にはいなかったのだが、前年度の他の社外取締役の報酬額から額を決めている。

この他に、額の決定にどういった要素を入れているのでしょうか？

基本的な考えとしては、会長や社長が多く貰い、位が落ちるたびに額が減るようにしている。また、日本企業ということもあり、あまり社長とその他とが大きく乖離することも無いだろうという考えも折り込んである。ソニーのハワード・ストリンガーは一時は10億円貰っているのではと言われていたけど、業績悪化もあって業績連動部分がほとんど無くなり、役員報酬総額自体が減っているので、今回はこれくらいかと。

ふむ。

良く分からないのが1点あり。ホールディングスで社長などを務めていて、その下の会社でも社長等を務めている場合、二重取りになっているのか、それともホールディングスの分のみなのか。これが良く分からない。二重取りが可能であれば、たとえばスクウェアエニックス社長の和田洋一はもっと貰っているだろう。

その辺りは会社によっても異なるかもしれませんので、実際どうなっているのかはわかりませんね。

残念なのが今も話に出したスクウェアエニックスホールディングス社長である和田洋一。今回調べた資料のその前の年までは1億未満の可能性もあったのだが、ストックオプションの行使ができないということで、去年から報酬額を上げたんだよね。それにより、たぶん1億円の制限に引っ掛かってくるものと思われる。ストックオプションについてはtwitterでぼやいていたけど、さらに今回の件でも該当してしまい。往復ビンタを食らったような感じだ。

この中で1億円制限に引っ掛かる可能性があるのは任天堂、スクウェアエニックス、カプコンくらいですね。

こうしてみますと、ゲームメーカーの役員はあまり報酬を貰っていないように感じますが？

これらの中には、創業者、もしくは創業者一家が社長等を務めているところがある。テクモであったりカプコン、マーベラスエンターテイメントなど。こうした人たちは、役員報酬が少なくても、株式を保有していることから、配当という形で別途お金をもらえるので、役員報酬は少なめでもいいという考え方も出てくるだろう。今回、1億円制限が出来たこともあり、こうした会社の創業者一家の役員は、今後額を1億円未満に抑えて、配当の方で手取りを増やすという対応するかも。