ゲーム業界で拡大するブログマーケティングの是非

2010年8月18日:ゲーム業界で拡大するブログマーケティングの是非
8月17日『個人を装うブログがメーカーの営業妨害?角川とかソニーとかが絡む?』で少し取り上げたけど、今回はブログマーケティングについて紹介しようと思う。最近、ゲーム業界でもブログマーケティングに本腰を入れている会社などがある。では、それらを受け取るユーザー側がそうしたものに対して、どのような姿勢で挑めばいいのかを、今回は取り上げる。
どういった会社がそのブログマーケティングということをやっているのでしょうか?
アトラスとかアトラスとか、またアトラスとか。
......。
他にもあるんだろうけど、人様のサイトを見てないので、実はよくわからない。ただ、アトラスは有名だ。
そもそも、ブログマーケティングというのがわからない人もいるかと思います。この説明をした方がよいのではないでしょうか。
ここでいうブログとは、主に個人系のブログに対して行われるものだ。企業が運営しているブログはまた別となる。個人系のブログに対して、特定の物に対する記事を書いて載せてくれないか、というのが基本的な内容となる。載せてもらうことで、より多くの人に商品を知ってもらおうというわけだ。また、そのブログが有名であれば、そこを見た人から口コミが生まれ、うまくすれば普通に広告宣伝したのでは得られないほどの効果が得られる。
これだけ聞くと、さして悪いように思いませんが、なぜ取り上げるのでしょうか?
もちろん、良い面もある。受け手側からすれば、知らなかった情報を知る機会を得るわけだし、売り手側からすれば、安いコストでより多くの人に知ってもらうことができる。
では、悪い面とは?
伝えるべき内容が歪められてしまうという恐れがある。単にこうしたものがありますという情報だけなら問題ないが、特に評価などをしている場合は、この傾向が顕著に表れる。
どういうことでしょうか?
個人系ブログは、いわばユーザーサイドであると思うのだが、それがメーカーサイドと接することで、発言がメーカー寄りになってしまうということ。人と人が接するわけだから、どうしてもおかしな事があっても、おおっぴらに言うことが出来なくなってしまう。そうなると、そのブログから発信されている情報は、明らかに偏った状態で出てくることになる。
確かに、直接面識がある人に対して批判的な内容を述べることはしにくいですね。
結果、メーカーの顔色を窺った評価しかできず。そんなブログであるならば、別に個人系ブログを見る必要はなく、ファミ通でも見てればいいよね、となる。
なぜファミ通指定ですか...。
このブログマーケティングに参加するということは最終的にはファミ通レベルになってしまうということなんだよね。ファミ通の情報面では誤字脱字が有る程度で、さほど悪いものなんてないと思うが、レビューとなると、明らかにおかしいものが散見される。それはなぜかというと、メーカーとの関係があるから。この状況を個人ブログでも発生させてしまうことが、ブログマーケティングにあるというわけだ。
週刊ファミ通のクロスレビューの問題は常に言われていますね。
ですが、ファミ通の場合は広告費が絡むからという側面もあると思いますが。そうなると、ブログマーケティングは関係ないのではないですか?
ブログマーケティングでもお金出すところはあるよ。
そうなのですか!?
やり方にもよるけどね。たとえば、ブログ運営者限定のイベントを開くなどの場合は、お金は出ないかもしれない。しかし、それで大したアクセスのないサイトが集まっても、マーケティングとしての意味をなさないから。ある程度の規模のサイトに対してはお金を払ってでも来てもらって、記事化してもらわないと意味をなさないだろう。
それは確かに。
もちろん、謝礼という形にすると問題が発生するから、別の名目にして渡すとかはあるだろう。お車代とかという感じでさ。また、食事などを振る舞う形もある。いずれにしても、お金やそれに類する形のやり取りがあり、そして載せてもらうわけだ。となると、これはもう、記事というよりかは広告に近いものとなる。そして、広告であるにもかかわらず、さも独自のブログ記事として載せた際に、それを見た人を結果として騙していることにならないか、ということにつながる。
騙していることになりますかね?
それは人それぞれだろう。騙された、と思う人もいるだろうし、別にいいんじゃない、と言う人もいる。先日紹介したステルスマーケティングについても、騙されたと憤慨する人もいれば、そうした方法でセールスしてもいいのでは、という意見もあるから。ただ...。
ただ?
そのブログを訪れる人にとっては、その運営者独自の記事を読みたいから見ているわけで。それを別のバイアスがかかったものを読んで、それを良しとするのかどうか。また、そうしたことをしている以上、他の部分でも同じことをしている可能性がある。となると、そのブログの内容すべてを疑ってみざるを得なくなる。そういう捉え方をされることを本当に良しと考えるのか、改めて運営者は考えなければいけない。
そうしたブログに対し、ユーザー側はどう対応すればよいのでしょうか?
3つある。そのサイトそのものを信用しないか、その記事のみ信用しないか、そして、そうしたものがあろうがなかろうが信用する。選ぶのは読み手なので、お好きなものを。先のステルスマーケティングのように憤慨するもよし、そのものを受け入れるのもよし。
では、最後にブログマーケティングについてのまとめをお願いします。
手法そのものを否定するつもりはない。やはりメーカーとしてはどれだけ人に知ってもらうかというのは重要だし、それが安価にできるのであれば、活用したいというのもわかる。なので、こうしたことをやったからといって、そのメーカーを安易に批判することは避けたい。
ふむ。
ただ、こうしたことは結局はテレビや雑誌などの既存の媒体と同じことをネット上でもやっているにすぎないんだよね。ネット上の良さは、何のバイアスもかからずに個々人が意見を述べられるところにあると思うのだが、そのネットの利点を取り除いてしまう。これが良いのかどうか。ネットならではの要素が失われるのは残念だ。読み手側は、こういったものがあるということをあらかじめわかった上で、該当するサイトを見ていけば、少なくとも騙されたと思うこともなく、精神的によろしいかと。今後ゲーム分野でも、ブログマーケティングが一層盛んになるだろう。そうした時に、今回紹介したことを含め情報を眺めてみてはどうだろうか。

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『ゲーム業界で拡大するブログマーケティングの是非』へのコメント

世界樹は露骨だったね
どこのブログでもこぞって販売前宣伝しまくりだったし
なんか不自然だなぁと思ってた

投稿者 : 匿名

バイアス云々関係なく、元々ネットには賛否両論、玉石混交な様々な情報が溢れているわけで。
完全に受け手側の問題に過ぎないと思うんだよね。
メディアリテラシーなんて言葉は使い古されてるし、それでも情報に振り回されている人は好きでやってるんでしょうし。

投稿者 : 匿名

某MMOの個人的なまとめや日記を書いたHPをやってたときに、「お金を払うから新たにサービスを開始するMMOの画像リンクをあなたのHPの頭に貼って置いてくれませんか?」と言われたことはありましたなぁ
当時は自分の参加してるMMOの利用料に充てればいいか~的な軽い気持ちで受け入れましたが…

投稿者 : まいせん

ネトゲではよくあるね
記事書いたら抽選でアイテム進呈とか
公式HPからリンク貼って貰えるとか

たったそれだけでゲームや運営批判してたブログが
きれいさっぱり消え失せるから制作側からしたら得しかしないんだよね

投稿者 : 匿名

ネガティブな内容ばかり発信するゲーム系ブログは掃いて捨てるほどあるんだからバランスが取れてるのでは?
興味を持った作品に対して上記の糞のような駄文垂れ流しを見せ付けられる方がよっぽど不利益ですし。

投稿者 : 匿名

あんまりこういったことを放置してると声高に「規制」を叫ぶ輩が現れたりするから、本当は看過しない方がいいのかもしれないけどね。

投稿者 : 匿名

売れなきゃ潰れるんだし、どんな形であれ知って貰う方がいいよ
記事の内容見て、受け取る側が判断すればいいさ

投稿者 : 匿名

>ネガティブな内容ばかり発信するゲーム系ブログは掃いて捨てるほどある

大抵リンク張ってあるだけで、元を辿れば殆ど同じ場所に行き着くんですけどね。

投稿者 : 匿名

とても解りやすい良い内容だった
たまにまこなこ観に来る価値あると思う
いくつかのステルスマーケティングサイトには絶対立ち寄らないようにしているが
まこなこだけには来るよ

別にまこなこがソニーよりのブログでも問題はないんだ
私はそこが気に入らないけど、でも観に来てるよ。

投稿者 : a