セガサミーの株主総会2011年

2011年6月23日：セガサミーの株主総会2011年

セガサミーホールディングスの株主総会が6月23日に開催されたので紹介しよう。

場所は去年と変わらないようですね。

去年から変更された東京都中央区銀座8-21-1にある住友不動産汐留浜離宮ビルのイベントホール「ベルサール汐留」で行われた。

では、詳細を見ていきましょう。

来場者は開始の段階で300人程度。2011年3月31日段階での株主数は94703名と昨年より5348名増えている。去年は380人程度だったので大きく減っている。去年と同じく雨模様。飲食が無いからなのか、毎年順調に来場者が減少。まあ、2年前は320人程度なのである意味これくらいが適切なのかもしれない。

開始は10時からです。

10時6分からビデオで事業報告。ここで使われている映像がいい感じ。最後に簡単に説明する。21分にビデオが終了、そして27分から質疑応答となる。この間にイギリスで起きたセガ子会社の情報漏洩に関しての話があり、まずは詫びを述べ、そして金銭的な問題は発生していないため、今後訴訟などに発展することは無いのでは、という説明を行った。ちなみに、イギリスの情報流出以前に、去年にも国内で情報流出が起こっているので、二度目となる。

では、質疑応答を見ていきましょう。私が質問者役をやります。

回答者役は私が。基本は社長である里見治が答えるが、パチンコなどのサミーの分野は中山圭史、小口久雄が、セガ分野では臼井興胤が答えている。ちなみに小口久雄は昔セガの社長をやっていた人なので知っている人も多いのでは。

一人目の質問です。イギリスのBBCの映像を使った施設をつくるとのことだが、商売として成り立つのか。儲かっている割には株価に反映されないがどういうことか。サーバーの不正について、また起きる可能性はあるのか。

株価は私自身は合点が行っていないが、市場が決める問題。より不正が発生したりしないように、業績を作り、認められ、上がっていくように頑張っていく。

映像コンテンツとセガの技術力や企画力を組み合わせてアトラクションを作り、新しい自然を体験してもらうような空間創造を考えている。内容は守秘義務があるので今は言えない。今後少しずつ外に出していく。ビジネスとして成り立つかは、テーマの選択と共に投資効率、営業利益率10%を目指せるように運営していく。

ソニーの大きなトラブルがあった後に国内のみならず海外も含めチェックをするよう指示し、チェックをしているにもかかわらず情報流出が起こり、恥ずかしく、みなさまにご迷惑をかけて申し訳ない。第三者の目を持ってセキュリティのあり方を見直す。三度目が起こらないように最大の努力をしていきたい。

二人目の質問です。夏野剛役員について。13社の役員をしているが、こんなにもたくさん関わっても素晴らしい働きが出来るのか。もう他の会社を引き受けてもらいたくない。

資本剰余金がかなりあるので、もっと有効に使ってもらえないか。セガは任天堂やソニーのように話題性のある新作を作っているが、セガはここのところ出していないので、もっと研究にお金を使ってはどうか。

夏野剛取締役は才能があるので引っ張りだこになっている。セガサミーに対しては特別な形できちっと貢献してほしいと話している。セガサミーグループの各社に月に1回、多い時は2回3回とミーティングに参加してもらい、いいアドバイスをもらっている。多く兼任しているが、これ以上は無いのではないかと思っている。

これから大きく伸ばしていく部門についてはM&Aも含め積極的に余剰資金を使っていきたい。今、日本の臨時国会でカジノ法案が出るか出ないかの状況で、もし法案が通れば積極的に参入していきたいと思っている。それには大きなお金がかかる。首都圏であれば数千億のプロジェクトになると思う。チャンスが来たときに思い切って使っていきたい。

三人目の質問です。ファンタシースターオンライン2に期待している。ファンタシースターユニバースなどをやっているが、VR空間で昔のファンタシースターがあるが、ドリームキャスト時代のファンタシースターオンラインの森がたまには出来たらいいなと思っているので、また出来るように検討していただきたい。

ぐるぐる温泉というソフトがあったが、こういうようなソフトを作る予定があるのかどうか聞きたい。

ファンタシースターオンライン2へのご提案ありがとうございます。きちっとしたものを出さなければいけないなという気合が入った。今回の発言をそのままチームに肉声を届けたい。ドリームキャストから開発をやっている人間もいるので、森の空間についても検討させたい。

セガは過去うん十年の間、かなり仕掛けが早くて波が来る前に一人で初めて沈没してしまうような傾向があり、今やっと、世の中のネットワーク、インフラが揃い、まさにぐるぐる温泉のような人と人がつながるようなソフトが環境的に整っている。

四人目の質問です。スロットのサクラ大戦3のボーナスの問題の補償についてどのような金額だったのか。新しいドリームキャストやセガサターンのような機器の参入はあるのか。

ハードウェアに参入するのは現実的ではない。カジノやSNSなど、これから成長出来る分野に投資したい。

サクラ大戦3の補てんは完全に引きとる返品を受けた。約50億円程度。稼働の補償は軽微で大きな金額を計上することはなかった。

五人目の質問です。ぱちんこCR北斗の拳百裂でラオウと戦う時に戦う結果が出る前にラウンド数が分かってしまうが、それでは面白くないのではないか。戦いが終わった後に表示すれば面白くなるのでは。

規則上表示をしなければいけない。やむを得ない。問題意識を持っていて、数字ではないもう少し分からないような表示も検討したい。

六人目の質問です。都知事選の時に石原都知事がパチンコの電源や照明が、と言って物議をかもしたが、メーカーとしての対応はどうなっているのか。

25%の節電をパチンコ業界上げてやっている。サミーでは自家発電機を導入し、25%は自家発電で動かし、75%を東電から買うようにしている。セガも15%以上節電するようにやっている。

石原さんの発言はびっくりした。5月に石原知事のところに行き、お話をさせていただいた。パチンコ関連は直接の従業員が30万強、家族を含めれば100万人以上の人が飯を食っている。

納税額も消費税だけで1兆円を超える、法人税所得税を含めると5000億から1兆円の間納税している。震災に対しては業界全体の義援金が50億円に近い。

セガサミーグループも全社員に3日間のボランティアの休暇を与え、給料も払い、交通費宿泊費等も会社が負担している。これからも今期だけでも何億か有効に使いたい。石原都知事にも、もうちょっとやめてくださいよ、とお願いをしてきた。

七人目の質問です。配当について。5円なりアップを検討してもらえないか。

上半期を見たうえで検討したい。業績に応じてやっていきたい。過去には60円の配当をしたこともあるので、そういう状況になれば配当していきたい。

以上ですね。

5人目が終わった段階で、後1問2問で終わり、その後今期の説明をしたいということを里見治会長が述べ、そして7人目で質疑応答が終了。時間は10時55分に終了し、質疑応答時間は28分。そして議案の採決を行い、10時56分に株主総会が終了。

かなり早いですね。

いつもは2時間近くかかっていたからね。前回も1時間30分ほどかかっていたので、かなり短くなっている。

そしていつものアレですね。

おうよ。お待ちかねの里見劇場だ。

そんなことを言っているのはあなただけなのですが...。

株主総会終了後、選任された役員の紹介を行い、そして社長である里見治が今期の状況や今後について語り出した。

では、ざっくりとお願いします。

簡単に内容を紹介する。10時58分から11時4分までの6分間話している。

『予想は増収減益だが、この予想の策定時が東日本大震災のさなかに作ったので、かなりネガティブなことがあったためコンサバなものになった。

3ヶ月経過した段階で言うと、東北の工場が被災した影響で部品が入手しにくくなって原価が上がるのではと思っていたが、現状は変わりがない。

販売台数も減少すると思っていたが、7月まで納品の受注はすべての機種でプラスに動いている。多いもので2割、少ないものでも5%から10%の受注が増えている。順調に来ている。

セガの施設も4月5月6月は前年比100%越えて推移している。

8月に最大のIPを出そうと思ったが部品の調達が困難になって売り時を逃すことを心配し、下半期に移動した。

上半期と下半期のバランスが崩れるものの、通期を通しては間違いなく行けると思っている。かなりコンサバな数字を見ているが、もっともっと行けるのではと思っている。

SNSやスマートフォン、フェイスブックなどのコンテンツ関連もより以上ドライブをかけていいものを出していきたいと思っている。

ジョイポリスも休館してまったくゼロからリニューアルしている。案を見て、手ごたえをつかんでいる。

これらを考えると前期の業績、利益の最低でも15%、20%アップまで持っていきたいなと、行けるのではないかと思っている。

来期以降経常利益1000億を超えるようにやっていきたい。』

今回の株主総会は全体的にどうでしたか？

コンパクトにまとまり、良かったかと。去年などは最後に映像を流したりしていたけど、今年はそう言ったことが全くなく、これはこれで残念。しかし、最初の方でも述べたけど、業績報告の時にかなり映像を流しており。ゲーム画面などをそのままバックグランドで流し、そして音声で業績報告を行い、あまり文字も表示させずにいたので、セガサミーのコンテンツの多くを知ることが出来た。

ふむ。

後は、株主側の席に中裕司がいた。

中裕司さんはソニックシリーズやファンタシースターオンラインなどを手掛けたセガの黄金期を支えた一人です。

確かバンダイナムコホールディングスの株主総会にもいたという話がありますが...。

去年の任天堂の株主総会にもいたという話でしたね。

うむ。セガサミーの株主総会にもいたぞ。びっくりしたよ。

というか、よく見つけますね。

なんでかは知らないけど、よくわからんオーラを発しているように感じる。

オーラですか...。

ちょうど、会場での質問で「ファンタシースターオンライン」の名前などが出ていたし、映像でもソニックなどの映像もあったしで、本人はどう思ったのか興味がある。

本人がtwitterで述べていますね。ソニック20周年であり6月23日は誕生日でもあります。日本では1991年7月26日にメガドライブで誕生しましたが、海外では先駆けて1991年6月23日に初代「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」が発売されました。

『今日はソニックの誕生日、朝からセガサミーホールディングスの株主総会に言って来ました。株主様からPSOやセガサミーがまた家庭用ハードウェアやらないのですかとの質問が出た時は嬉しかったです(^^)まあ新ハードは今は現実的ではないとの答えだったんだけどね(^^;』(中裕司twitterより)

そんなわけで、旧来のセガファンはバンダイナムコやセガサミー、任天堂の株主総会に行くと、中裕司に会えるかもしれない。保障はしないけど。

他はどうでしたか？

ほんと、つつがなく進行した。本当は質問は一人2問までと最初に言っていたのだが、一人目がいきなり3問質問した。しかし、そういう状況であっても、真摯に回答していた。どこの会社だか言わないが質問に満足に答えていないのにそうした意見を無視して、しかも恫喝して株主を黙らせた会社の社長もいる中、こうした余裕のある対応は見てても気持ちがいい。

ネチネチ言わないでください...。

では最後にお土産でも。