メーカーの情報発信の変化

2012年1月16日:メーカーの情報発信の変化
先日、ステルスマーケティングについて取り上げた。そこで、メーカーはどうすればいいのか、という問題がある。普通どおりメディアに広告を出しても、今やメディアの価値自体が落ちているので思うように宣伝出来ない。かといって、ステルスマーケティングをしてはユーザーの会社に対する疑心が生まれる。
どうすればいいのですかね?
たぶん、その答えの一つがニンテンドーダイレクトだ。ご存じの通り、これを始めたきっかけは、ネットを中心とした不確かな情報の伝達があったためと言われている。
任天堂の株主総会でもそのような話があったようですね。報道の問題について次のように述べています。

『なぜか報道が歪んでしまい、任天堂はソーシャルゲームがけしからんと言ったとか、無料ゲームを批判したとか、そんなような文脈で報道されてしまい。ホームページに来ていただければしゃべっていただいたものが書いてあるのだが、残念ながら歪めて報道する人たちに対して我々は勝てないでいる。』(『任天堂株主総会2011年』より)
こうした問題もあり、任天堂が自社サイトなどで動画で社長がゲームなどを紹介するニンテンドーダイレクトが生まれたと言われている。このニンテンドーダイレクト自体、社長である岩田聡が発案したとも報じられた。
さすが岩田社長ですね。
まあ、ある人のものまねではないかとも言われているが。
誰のものまねでしょうか?
スティーブ・ジョブズの。
あのAppleの!?
岩田聡がAppleの製品を使っているというのは有名な話で。株主総会でも確かAppleのパソコンでスライドなどを表示していたはず。で、当然Appleが好きであれば、スティーブ・ジョブズの言動などを見聞きしているだろう。
スティーブ・ジョブズさんはパフォーマーとしても有名ですね。基調講演や商品紹介の際の言動なども注目されていました。プレゼン能力が高いことから、プレゼン関連の本にもなったほどです。
スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン 人々を惹きつける18の法則

発売日:2010年7月15日
価格:1890円

画像等クリックでamazon.co.jpにて予約販売・購入可能

たぶん、この辺りに着想を得たのだろう。ちょうど2012年1月13日の日経産業新聞でもこの話題があり。そこでは、いかにして伝えるか、各メーカーの動きも伝えている。
一例として任天堂はニンテンドーダイレクトの動画配信、カプコンは芸能人によるモンハンの遊び方動画、バンダイナムコゲームスは無料体験版の配信とありますね。
バンダイナムコゲームスに関しては、バンダイナムコグループとして、2011年10月10日から生放送ネット動画配信を行っていたりもする。平日5日間、それぞれ別の内容を配信。業務用のプライズからアニソン、ゲーム、バンダイ商品、アニメといった具合に、グループの商品などを紹介している。
ふむ。
ニンテンドーダイレクトと同じく、動画で直接ユーザーに語りかけるような、そうした流れになっている。今までのメディアを通じての発信以外のものを取り入れているわけですな。今後、この流れが、ゲーム業界の主流になるかもしれない。
直接情報を流せば、それこそ変な情報に惑わされる必要もなくなりますね。
ただ、この手の方法にもやはり問題があり。
どんな問題ですか?
そもそも、見てくれるかどうかがわからない、という。
確かに、見てもらえなければ意味がありませんね...。
大手メーカーであれば、十分な視聴者数を達成することができるものの、中小規模のメーカーではそうしたことは無理だろう。となると、まったく情報が広がらず、誰にも気がついてもらえない状態になってしまうかもしれない。下手をすれば、素人の生放送に負ける可能性すらある。
2011年10月のニンテンドーダイレクト第1回目は延べ人数で数十万人が見たと言われています。これくらいの規模であれば効果はあるかもしれませんが、そうでないと情報の伝播も含めて厳しいかもしれません。
するとどうなるか。
どうなりますか?
中小規模のメーカーはステルスマーケティングに頼ってしまう。
そうですか...。
ただ、やはりそれはそれで問題だ。となれば、特にプラットフォームフォルダーが率先して、中小含めた他社製品もPRしていくべきではないかと。ニンテンドーダイレクト内で紹介するのはもちろん、その後に流す映像の時に直近に発売される他社含めた商品の紹介をするなど。単にプロモーションビデオを流すだけでは効果が薄いので、そこは何かしら魅せる工夫をしつつ。この辺りも、プラットフォームフォルダーに期待したいことであるし、そうすべきではないかと、このように思う。
そういえば、ソニーコンピュータエンタテインメントは何をやっているのでしょうか?
プレイコミュというのを作ってひきこもっております。
......。
分かりやすく説明しますと、コミュニティサイトですね。
これ自体を悪いと言うつもりはないけど、こういったところに来る人は、もともと熱心なゲームファンだろうから。そうした人は何もしなくてもゲームを買うのだから、ユーザーの広がりを考えると、あまり意味がなかったりする。もちろん、囲い込みという点では効果はあるが。
内向きということですね。
まあ、今後、メーカーもさらに広報方法を考えて、より分かりやすく情報を伝えていただけたらと。その方法が動画であるのか、また別の手段であるのかは別としてね。ただ、倫理観だけは持って事にあたっていただきたく思う次第。

直近、直後の話題

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1つ新しい話題:ステマとステマでないものの違い

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『メーカーの情報発信の変化』へのコメント

ステルスしてるから問題なのであってブログを介した宣伝自体は悪くないと思う
つまり企業の宣伝依頼で取り上げてますというのをブログで明記すればいいわけだ

投稿者 : 匿名

そんなもん情報元明らかにして出し惜しみせず
尚且つ、「当社はステルスマーケティングをやっていません」と公言すればいい

「当社関連の商品を褒める言葉があってもただの感想です」
と言えばいい

こういう事の悪い事って、通報や意見を無視してダンマリを決め込んでる事だろ
例えばニコニコの実況も、公言してないからユーザーが勝手な判断で好き勝手やってる
面倒な事だけど、時代の流れだよ、そういう事の対策は


一度公言してしまえば、証拠が無い限り「馬鹿の妄想」でステマの疑いは疑いで終わる
少なくとも公的な評価は維持できるだろうね。そういう所は疑いレベルで鵜呑みにしないから


ネットの報道を気にするなら揚げ足取られない様に発言に気を付けるだけでいい
例えば会社の社長がネットの書き込みやブログの記事に安易に個人で反応しちゃうとかね

ちょっと業界の人はtwitterの使い方に気を付けた方がいい
立場によっては会社の言葉になりかねないんだからさ

投稿者 : 匿名

ユーザーも馬鹿じゃないからな
汚い言葉で根拠も無くステマしてるぞ!なんて言う奴信じないだろ

ステマだろうがなんだろうが良いものは正当な評価を受けるし、
悪い物は評判以下と叩かれる
PSVITAなんてその典型だろ。期待以下で叩かれる。

ステマなんて気にするだけ損だよ。買いたいと思う物を買えばいい
そう思わされた裏に何があろうと、買った後の気持ちまでは操作できない訳だし

投稿者 : 匿名

宣伝って意味じゃハードメーカーはソフトメーカーのための
宣伝ソフトを用意、配信すべきと思うが。
大小横並びは大手が嫌うのか、配信料がかかるのかわから
んが、出てこないね、そういうの。現状単発の映像とか
ピックアップされてるのは大手ばかりで中小がない、存在さえ
ほぼわからず発売日迎えるとかあるし、そういうことなのかなぁ?
なぜだ?ピックアップだけでライブラリー的宣伝がないんだよなぁ。

投稿者 : 匿名

SCEJのプレコミュ(×プレイコミュ)はフォーラム文化の発展系ですから
国内では企業が自分でフォーラムを整備することはまれで、色々と関係に乏しかったので
それ自体はいいことですけど客寄せにはならないでしょう
ネット配信も仰る通り結局それ自体を見てくれるかとことになります
ファースト並みの大手がカンファや祭典などと関連して行う分にはいいでしょうけどね
ニンテンドーダイレクトも二回目は話題性が薄く視聴者数もそこまで伸びませんでしたし

投稿者 : 匿名

>任天堂はソーシャルゲームがけしからんと言ったとか、無料ゲームを批判したとか、そんなような文脈で報道されてしまい。ホームページに来ていただければしゃべっていただいたものが書いてあるのだが

これより古い発言では、批判してたじゃねーか。
最近になって批判してない発言しても、消えないんだよ。
もう他社のネガキャンせずに黙ってれば良いのにね。

投稿者 : 匿名

負のステルスマーケティングは
ステルスネガティブイエロージャーナリズム合戦
対策法は受けての成長のみか・・

投稿者 : 匿名

ニンテンドーダイレクトはサテラビューや64DDランドネットの延長じゃないの?

投稿者 : 匿名

>岩田社長「"基本無料です"はゲームの価値をぶち壊している」

>-任天堂の岩田社長がウォール・ストリート・ジャーナルのインタビューで再び「基本無料ビジネス」を批判-

思いっきり批判しておりますがな

それに曲解どころか
Vitaのバッテリーは一時間しか持たないとか
根も葉もないデマの方が悪質だと思いますけどねぇ・・・

投稿者 : 匿名

サテラビューはサイマルデータ送信を利用した擬似双方向通信のゲーム配信サービスで
64DDランドネットは双方向通信のゲーム配信サービスでした。

サテラビューは音声放送と連動した企画が多く
参加している感が強くて楽しかったですよ。
インターネットが普及していない時代に
あれだけのサービスを提供した任天堂はやっぱり凄かった。

配信されたスクウェアのゲーム4種があまりに面白かったので
メモリーパックを4個追加購入して保存してあります。

と書いていたらSupaBoyが欲しくなってきました。
当たりハズレが激しいようですが店頭で購入すれば大丈夫でしょうかね。

投稿者 : TTT

そもそもプレコミュってPSNアカウント使ったSNSなんですが。
SCEのメッセージも<プレイステーションファンの皆様へ>ってあるし、フォーラムの内容もPS系ハード持ってる事前提だし。ニンテンドーダイレクトと比較する事自体に無理があると思いますけど(ユーザー向けか新規客向けかという意味で)

まあオチに使っただけなんでしょうけど、一連のソニー下ろし見てると坊主憎けりゃって感じに見えてしまいますね


それとも釣り?釣られた?

投稿者 : 匿名

>投稿者 匿名 : 2012年1月16日 22:30

見出しで判断って、典型的な行動パターンだな
まあこういうのがいる内は今時のブログは安泰だな

投稿者 : 匿名

>配信されたスクウェアのゲーム4種があまりに面白かったので
>メモリーパックを4個追加購入して保存してあります。

おお、いいなあ
あれは確かに面白かった。あのころのスクウェアは・・・とは決して言うまいw
自分も保存しておきたかったが、スクウェアとの喧嘩別れがあまりにも急で。ある日突然ー、だからなあ。
ゲームの面白さは、記憶の中で美化している面もあるかと思っていが、こうして今も所有している人の声を聞いて、やっぱり面白かったんだなー、再確認できてとてもうれしいです。

以上、本題と全く関係なく、申し訳ない

投稿者 : 匿名

飯屋も一時的に流行るかもしれないけど、まずけりゃいずれ消えるんじゃない?プラスの書き込みは期待値上げると思うけどなー。

負の書き込みの方がいやらしいね。

投稿者 : 匿名

ニンテンドーダイレクトはサードパーティーのゲームも紹介してくれるから良いよね

投稿者 : 匿名