カプコンとスクウェアエニックス、どうして差がついたのか、バンダイナムコがなぜ素晴らしいのか

10月30日にスクウェアエニックスの第2四半期決算の赤字を取り上げましたが、翌日にはカプコンの業績が好調というニュースが流れました。

その件について、次のようなコメントが寄せられました。

『大してカプコンは最高益を叩きだしましたとさ
その違はなんだろうね
まこなこ分析して』(『スクウェアエニックスの第2四半期赤字決算を読み解く、下方修正をDQ10のせいといっているのはアホ』コメントより)

こうしたコメントがありますが、カプコンとスクウェアエニックス、どうして差がついたのでしょうか？

慢心、環境の違い...。

......。

それが言いたかっただけとかはありませんよね...。

すみません、これが言いたかっただけです。

......。

カプコンはバランスが良いからね。ちゃんと本業がゲームであることを認識し、それに対していろいろと施策を練っている。海外で成功を収めているタイトルが多いことも、会社の安定につながっている。過去から続いているタイトルのブランド維持をしっかりと行っており、維持や拡大をしているだけでなく、新規タイトルもちらほら出しており、それによってスタッフの物作り能力も他社より高く。家庭用ゲーム機だけでなく、スマホ系にも力を入れており、コンプガチャに頼るではなく、海外でも通用しているタイトルもある。こうした地域や全体のゲームの中のバランス感覚は群を抜いている。

一方、スクウェアエニックスはどうでしょうか？

今まで散々ブランドを破壊しており、それだけでもマイナス要素だ。かといって、最近になっていくつか新規にブランドを立ち上げようといているが、今まで維持拡大が出来ていない人間が新規に新たな物を立ち上げようとしても、満足に立つことも出来ず。それが、今回の決算での下方修正の要因となったアミューズメント機器の「超速変形ジャイロゼッター」や「ガンスリンガー ストラトス」なわけだ。

ふむ。

新規で何かをやろうとすることは悪くないけど。しかし、「超速変形ジャイロゼッター」なんかはバンダイナムコであればうまくいく可能性はあるが、その他のメーカーがやってあっさり成功するようなビジネスモデルではなく。バンダイナムコを見ていると、アホでも出来そうに思えてしまうかもしれないが、バンダイナムコはバンダイナムコで今までの多くの失敗を教訓にして新規に立ち上げ、その中の一部が成功しているわけで。成功には必ず失敗による教訓が必要となるのだが、教訓を得てこなかったメーカーが何かをやろうとしても、それは無理だ。

さりげなくバンダイナムコのこと酷く言わないください...。

こうした失敗を許し、次に繋げることが出来るのは誰によるのか。それはひとえに経営者によるところが大きい。経営者が許すか否か。それにかかっている。カプコンがどうなのかはよくわからんが、スクウェアエニックスはご存じの通り、社長の和田洋一が自己保身を優先に考え、失敗を理由に人を排除していくような人物なだけに、このようなトライアンドエラーは望めない。

バンダイナムコはどうなのでしょうか？

これが不思議と失敗を認める文化があるんだよな。ナムコは駄目だったけど、バンダイは失敗しても問題が無かった。創業者社長であれば、失敗しても許す風潮があるのだが、バンダイが復調したのはサラリーマン社長の高須武男によるところが大きいから。すでに前社長ではあり、現在は相談役だが。

たとえばゲーム系で例えるなら、現在の社長の大下聡や副社長の鵜之澤伸は、大きな失敗をしてきた人物だ。社長はワンダースワンを失敗、鵜之澤伸はピピンや直近では海外向けゲームの大失敗などが挙げられる。しかし、こうした人物が上に居られる。普通の会社だと、すぐに飛ばされるだろう。それが無いというだけでも、バンダイの特殊性が窺える。

DVDやブルーレイの端境期に業績を悪化させたとしてバンダイビジュアル社長から外された川城和実さんも、再びバンダイビジュアルの社長に返り咲いています。また、次のような話もあります。

『会社は上場以来、初の２期連続赤字という経営危機に直面する。 管理部門担当を任された高須は、不採算事業の撤退を次々と断行し、見事バンダイをＶ字回復に導いた。

高須のやり方は単なるリストラでなく、仕事に失敗した社員たちにもチャンスを与え続けた。

現在のバンダイナムコホールディングス副社長を務める、当時の担当責任者に、高須は自分で作った借金268億円を、自らの手で返せと告げた。

失敗をした本人が、失敗点を一番理解しているし、次に同じ失敗を繰り返さえない、と考えたからだ。その結果、ブームが去り、大量在庫によって60億円の損失を出した「たまごっち」は再びヒット商品として復活した。』(高須武雄 wikipediaより)

ちなみに、この268億円の借金というのが先に挙げた鵜之澤伸のピピンの話だ。どうでもいい話だが、このwikipediaのバンダイナムコホールディングス副社長という記述は間違いで、バンダイナムコゲームスの副社長だ。wikipediaをそのまま信じてはいけないといういい例ですな。

wikipediaの内容の全てを信じる人もいますので、こうした間違いがあることも知っておいた方が良いですね。

一方、ナムコ系は昔取り上げたように、人を切ることで対応しようとした。そしてそれが、最終的にバンダイとの合併につながったわけだ。

2008年5月21日『ナムコの成果主義、有能なゲーム開発者が報われない開発現場』でも、当時のナムコの状況が窺い知れます。

そして、今現在、手法などには異論も多々あるだろうが、海外向けゲームの失敗後に急速に立て直し、ゲームはもちろん、その他の分野も含め、バンダイナムコの業績は好調となっている。

今後もスクウェアエニックスは良くない状況が続くのでしょうか？

そればかりは何とも言えない。もしかしたら、またリストラなどで業績だけは良く見せる可能性もあるし。また、まだ表に出ていないソフトの中に魅力的な物もあるかもしれないし、ソーシャル系ゲームで荒稼ぎできるかもしれない。

グリーで展開するファイナルファンタジーはその可能性を秘めています。

最近ではニンテンドー3DSで発売された「ブレイブリーデフォルト」も新規タイトルにしては20万本以上売り上げていて、これからも数字が伸びる。こうした新規でも売れるタイトルが出ているので、そうしたものが積み重なって会社として強くなっていけば、将来返り咲けるかもね。

今後のスクウェアエニックスに期待ですね。

......。

寝るなよ。