WiiUのカラオケがどれほど需要があるのか

先日『今後のゲーム業界展望Part1 任天堂編』でWiiUの注目点としてカラオケを取り上げた。その際に、コメントでそんなわけあるか、というような反応をもらったので、今回はカラオケの重要性について取り上げてみようと思う。

コメントには次のような意見がありました。全て『今後のゲーム業界展望Part1 任天堂編』へ寄せられたコメントです。

『カラオケは、駄目だよ。

PCE時代からあるけど、DCでもイマイチ。
PS3やwiiデモ出たけど、あまり話題になってない。
大きな理由に、日本の家庭事情だよね。
よほど田舎じゃなきゃ、防音設備がないと近所迷惑だし歌えない。
BGMとして流すのもアリだけど、特殊な使い方だし。』

『カラオケって・・・PS3でもカラオケJOYSOUND　Dive出てるんだけど・・・(^_^;)。
しかもソフト無料だぞ・・・Wiiはソフト有料でマイクは基本別売りだし。

しかもPS3版もWiiマイク推奨なんだけど・・・ゲーム屋でWii用マイクだけ買う奴は多分PS3ユーザーだ。

カラオケは月額制や1日歌い放題チケットとかで儲けるビジネスモデルだから、初期投資額は少ないほうが良い。

何だかWiiのカラオケって言う時点で恣意的な偏向を感じますね。
PS3にも出てるし、提供楽曲も共用なので、その上でカラオケが任天堂の「今後」を占う部分になると言う根拠を示さないと説得力無いです。
カラオケソフトが多少売れたから今後もカラオケが云々っていう公式は現状カラオケ出てるPS3でも当てはまりますよ。

更にカラオケは一部には人気かもしれませんが、全体的に斜陽で通信カラオケとかROMやカラオケ音楽ディスクが爆発的に売れたって言う実績も殆ど無いです・・・(x_x)。』

『カラオケ需要があるってのは理解できるけどなぁ
ただ日本の住宅事情じゃそれで伸ばすのは厳しいんじゃないかな
まさかwiiUのためだけに家を防音にするわけにもいかんだろし、
マンションとかなら尚更無理だしね』 

これらの中の疑問点として、家庭用のカラオケそのものに需要があるのかどうかという点と、自宅で楽しめるのかどうか、という2点が中心に挙げられるかと思う。

まず、家庭用カラオケの需要ですが、どうなのでしょうか？

当然あるでしょ。

それはどうしてそう言えるのですか？

需要が無ければジャパネット高田で頻繁に取り上げられないだろ。売れているから取り上げられているんだろ。つまり、需要自体はあるんだよ。

最近は若手スタッフ中心ですが、昔はよく高田さんの歌声がテレビ流れていましたね...。

1つの機種が大量に売れたという話は聞かないが、長い年月かけてカラオケの機器は売れている。昔はテープレコーダー形式でカラオケがセットになっているものが売れているし、最近はハンディタイプのものが売れるなどね。

また、家庭用ゲーム機について考えてみても、Wiiの時にハドソンが発売した「カラオケJOYSOUND Wii」ですら20万本以上売れているわけだ。実際に売れているのだから需要が無いなんてことはない。しかも、ハドソンの宣伝力だけで20万本売れているのだから。それ以上に広告宣伝に金をかける任天堂なら、多くの利用を望めるサービスに仕上げられるだろう。

コメントの中にはWiiで話題になっていないと言っているけど、Wiiの時はそれなりに話題になっている。それが20万本以上という数字になっている。

コメントではPS3などでも出ているとなっていますが、こちらはまったくと言っていいほど話題になっていません。この違いはなんなのでしょうか？

Wiiの時はゲームメーカーのハドソンが発売し、店頭で展開したけど、PS3はオンライン配信のみのため、そもそも存在すら知らない人が多い。宣伝も満足にしていないし。こうした違いから、売れ行きや知名度も大きく変わってくる。知られていないというのは、無いのと同じだから。

つまり、数十万レベルでの利用が見込めるということですか？

もちろん、本体の普及があってのことだが。カラオケだけのために3万円近くのお金を出すかと言われれば分からないが、他のソフトなどとセットでWiiUが買われ、そして利用される可能性はある。

日本の家庭に合わないのでは、という話もありますね。これは常に危惧される問題です。

必ずしも大音量で歌う必要は無いんだし。1Kとかのアパートに住んでいれば、隣人に迷惑がかかるという問題も分かるのだが、地方の一軒家であれば隣に音が聞こえるなんてことは少ないし、マンションでも作りの良いところであれば、窓を開けない限りそうそう音は漏れない。カラオケがすなわち大音量で大声張り上げるというものであるのならば、日本の家庭には適さないが、そういう歌い方だけではないだろう。

単に駄目だ、としか言わない人は、自分の考えている環境でしか捉えていないのではなかろうか。

では、カラオケによってWiiUが売れると？

売れる要素の一つとなりうる、という話だ。後は任天堂自身がどれだけカラオケ機能に関してプッシュするか。すると面白いと思うけどね。音楽番組の前後にカラオケに特化したCM流すとかさ。年末年始やお盆など、人が集まる時期にも積極的にアピールすれば、ハドソンの出した20万本以上の利用は見込める。

日本は分かりましたが、海外はどうなのでしょうか？

前回取り上げた時には海外の話はしなかったけど、ローンチタイトルで「SiNG PARTY」というのが発売されるようで。

海外でもカラオケ需要はあるし、日本の住宅事情のように密集して生活していないので、より利用されるのでは。これをウリにしてWiiUを販売するのかどうかは別として。

と、まあ、こんなところ。カラオケ需要はある。後は売る気があるのかどうか次第。売るつもりなら宣伝を積極的にすればいいし、それほど重要視していないのであればWiiUの単なる1機能で終わらせるのも良い。後は任天堂の考え方次第かと。

何か売る方策はありますか？

それこそバンダイナムコに言ってプリキュアとスーパー戦隊シリーズと仮面ライダーに特化したカラオケを映像つきで作ってもらったら、一気に子供がいる家庭に普及出来るかと。

そうですか...。

実はPS3のカラオケ「JOYSOUND DIVE」はバンダイナムコが関わっているので、開発に協力してもらおうとすれば、してもらえるかもよ。とまあ、結局は売り方と力の入れ方次第ってことで。