日本ファルコム株主総会2012年

12月19日に日本ファルコムの株主総会があったので紹介しよう。

過去にも『日本ファルコム株主総会2011年』『日本ファルコムの株主総会2010年』『日本ファルコムの株主総会2009年』『日本ファルコムの株主総会2008年』『日本ファルコムの株主総会Part1』『日本ファルコムの株主総会Part2』の5年分紹介しています。

あの笑劇の株主総会からすでに5年も経っているのか...。

笑劇ではなく衝撃です...。

まずは、開催概要から。場所は去年と変わらず。東京都立川市曙町2-40-15にあるパレスホテル立川。部屋が変わり、以前の4階ローズルームから3階こぶしの間に変更。開始時間は13時30分から。開始の段階では約60名ほど株主が来ていた。前回は約55人なので、少し増えた感じだ。

ちなみに、権利確定日の段階で4059名と、去年の4156名から少し減っている。来場者数も株主数もほとんど変化なしといったところ。

では、株主総会の内容を見ていきましょう。

13時30分からスタート。こまごまとした説明の後、会社側の業績報告となる。業績報告で印象的だったのは、ファミ通でゴールド殿堂を得たとかプラチナ殿堂を得たとか、プレイステーションアワードで何か賞を取ったとか、そういった内容を絡めて説明しており。今となってはいずれも失笑される権威付けなので、ちょっとどうかと思ったが。

PSP「英雄伝説 空の軌跡」は初期出荷2万本だったものの、最終的には15倍の30万本突破したとのこと。

「英雄伝説 空の軌跡FC」発売当初のユーザー層は30代が40%だったが、最近の軌跡シリーズは10代20代が全体の78%を占めており、男女比は10%から20%に倍増。

これくらいかな、会社側の説明で興味深かったのは。

では、質疑応答ですね。

私が質問者役をやります。

私が回答者役を。回答は社長の近藤季洋が行っている。役員の紹介に関しては各自が行っているのだが、たいしたことを言っていたわけではないので省略する。ちなみに、質問開始時間はスタートから25分後の13時55分から。

一人目の質問です。御社のプラットフォーム展開について。PCへの展開はどうなっているのか。スマートフォンなどへの展開は。

PCについては今まで説明している通り、パッケージは売り場面積の縮小などにより厳しい状況。5年前からPSPを中心としたコンシューマー機に参入している。

コンシューマー機においてユーザー数が増えている。ここに重点的にゲームを投入する。

PSP市場が後継機のPS Vitaが発売されたことにより、若干縮小の兆しを見せている。Vitaについてはまだまだ非常に厳しい状況にあるんですけれども、非常に素晴らしい機械と思っていて、ソニーさんとの連携を取りながら、どういう展開をしていくか協議している。引き続きVitaへの展開も進めている。

PS3にもコアなゲームユーザーさんが集まっているため、弊社のゲームコンテンツとは親和性が高い市場。12月の先週から「空の軌跡FCリマスター改」を投入している。引き続き展開していく。

スマートフォンはライセンスアウトという形でノウハウや技術を蓄積した他社と準備を進めている。近日中に発表したいと思っている。

二人目の質問です。取締役が1名増える理由と、取締役の意気込みを窺いたい。

1名増員した理由はゲームコンテンツへの引き合いが強くなっており、忙しくなっているため強化する意味でライセンス事業や他社様との提携を強化していくため。

これまでファルコムは堅実な経営を行ってきた。「閃の軌跡」を見ていただければ分かる通り、ゲーム画面からゲームの内容が思いきった内容になっている。閃の軌跡をきっかけに、単に丁寧で堅実だけではないな、という、大胆な行動を取れるようにブランドの価値を高めていきたい。

個々の役員の意気込みは省略。

三人目の質問です。空の軌跡オンラインモバイルやイースオンラインなど大型のオンラインがうまくいかなかった。大型の案件は避けるようになっているのか。ライセンスの失敗によるリスクはどういったものがあるのか。

大型オンラインゲームについては、昨今は大型のオンラインからモバイル系やソーシャル系に市場全体が主軸を移していると認識している。

大型のものも動いてはいるが、ソーシャルやスマートフォン向けを重視していきたいとライセンスの提携先と話を進めている。

大型タイトルのリスクは、契約金という形で契約を結んでおり、投資は行っていない。そのため、クリティカルなリスクは無い。

以上ですね。

この後、議案の採決が行われ、株主総会が終了。14時8分と、全体で38分とコンパクトにまとまった株主総会になった。

お土産はどうでしたか？

いろいろと。予約特典などで使われたものだろう。

• 零の軌跡 Evolution クリアファイル
• イース セルセタの樹海 クリアファイル
• 那由多の軌跡 オリジナルサウンドトラック ミニCD
• acoustic live DVD COLLECTION
• 那由多の軌跡 ぬいぐるみ
• 零の軌跡 2013年卓上カレンダー

どうでしたか、今年の日本ファルコムの株主総会は。

まともになり過ぎてつまらん...。昔のカオスのような株主総会が再び見たいのだが...。

昔は昔で文句を言っていたくせに...。

でも、本当にまともになったよ。会社側も、訪れるファン株主も。聞きたいことがあるのなら、もうちょっと質問してもいいと思うんだけどね。

問題点などはありませんでしたか？

PS Vitaの話をする時、かなり言葉を選んで述べていたのだが、それでも厳しい状況という言葉が出てきたということは、ソフトを出している側としてもいろいろと思っているところがあるのだろう。

他には、お土産もらったのはいいんだけど、封書に入れて渡されたので、大きなカバンを持っていない人はどうやって持って帰ればいいのかという疑問があり。

封書のまま持って帰るのはちょっと恥ずかしいですね。

女性はハンドバッグのサイズなどもあってカバンに入らないだろうし。まあ、パッと見てサラリーマンのようないでたちの人もそれなりにいて、ビジネスバッグを持っていた人も多かったので、そういう人はカバンに収めて持ち帰ることが出来るだろうが。

今回のお土産で嵩張る要因となったのはクリアファイルなんだけど、この辺りは一考すべきかと。小さなもので留めるか、そうでなければ手提げを用意するか。まあ、お土産は副次的なものなので、どうでもいいけど、如何に人に対してどこまで考えを巡らせることが出来るか、という点で、細かいことではあるが指摘しておきたい。

他はどうですか？

去年、株主総会の場で新作発表をしたこともあり、株主総会終了後に何かあるのかと多くの人が思ったらしく、なかなか立ち去らなかったという状況も。

すでに12月14日に新作発表がありましたので、その映像などが見られると思った人もいるかもしれませんね。

1度でもあのような形の発表をしてしまうと、期待して訪れる人も出る。やるのであれば、たとえば株主総会で自社商品を説明する時に短時間の映像を流して紹介したりというのはありかも。

もっとも、その映像を作るために無駄な時間を社員に使わせるのは問題だが。既存のPVなどだと3分4分と長いので、株主総会終了後にそういったものを流すというのもありだろう。でもネットで見ている人もいるだろうから、やっぱり不要かな。

どっちなんですか...。

答えは会社側が考えていただけたらと。

あと、一人目の質問の御社という言葉。これの言葉の使い方が間違っているという指摘もしておこう。

どういうことですか？

株主は会社側の人間になるので、当社や弊社というのが正しい。どうでもいい話だが、一応頭の中にいれておくと良いかと。弱小株主に当社とか言われると会社側も沸騰するだろうが。

ということで、2012年の日本ファルコム株主総会の話を終える。