ソニーの第3四半期決算発表、ゲーム部門の低迷が目立つ、他のソフトメーカーも

投稿がありましたので紹介します。

『ソニー決算の感想を教えてくだちい』(投稿：パンフレット山本)

ソニー全体としては営業利益が830億円の黒字、純利益は509億円の赤字でした。

ソニー全体としては、テレビ部門の止血をし、徐々にだがまともな数字を出しつつある、といったところだ。

ですが、赤字ですよね？

この赤字は税務上のものなので、赤字の数字のみを見て評価するのも適当ではないだろう。赤字は赤字だが。

続いてゲーム部門を見ていきましょう。まず、2012年10月から12月までの数字の紹介です。売上高は15.1%減の2685億円、営業利益は86.4%減の46億円の黒字でした。

おお、黒字でしたか。

黒字は黒字だが、去年と比べて大幅に落ちてる点に注目だ。特に、この10月から12月というのは年末商戦で平常時より多くの売り上げが見込め、利益も出しやすい時期だ。その時期に大きく落ち込んでいるというのは問題視すべきだろう。

ちなみに、2012年4月から12月までの合計は営業利益で34億円の黒字でした。第1四半期から見ていきますと、35億円の赤字、23億円の黒字、そして今回の46億円の黒字です。第3四半期でようやく黒字化しました。

このソニーの決算で軒並みゲームメーカーの決算が出揃ったが、多くのソフトメーカーでも不調のようで。ゲーム以外の部分でマイナス傾向になっているところも多いけどね。

そうした中、バンダイナムコが好調のようですね。ソフトなどを手掛けるコンテンツ事業では売上高が1849億円、310億円の黒字でした。前年比で166.3%と急伸しています。

どうしてここまで伸びているのでしょうか？

SNSゲームでギャンブルの胴元やっているからに決まっているでしょ。言わせないでよ。

言葉を選べよ...。

でも、実際にそうなんだよね。売り上げの1849億円のうち、家庭用ゲームソフトは589億円と前年同期比とさほど変わっていない。逆にSNSゲームやパチンコ系、あとは映像音楽などを合わせたものは770億円となっており、前年から1.9倍になっている。

映像や音楽は除くが、これらの事業は利益率が高いので、コンテンツ事業の利益の多くはこれらで得ているのでは。具体的な数字は公開されていないのでわからないけど。

他のメーカーはどうでしょうか？

セガはコンシューマ事業で黒字化しました。ただ、2年前と比べて5分の1程度の利益に収まっている。ちなみに1年前は大幅な赤字でした。

コナミやカプコンは？

カプコンは好調ですね。「バイオハザード6」の計画が未達のものの、全体で見た利益は前年度より増えています。逆にコナミは利益が3分の2に落ち込みました。売り上げも減っていますね。

スクウェアエニックスは？

家庭用ゲームに関連の深いデジタルエンタテインメント事業では4億円の赤字でした。

有名どころはこのくらいでしょうか。全体としてみると芳しくない数字が並んでいるように感じます。

年末商戦があるので、ここでしっかりと稼いでもらいたいところだが、日本だと決算期末が3月なので、これから盛り返すところも多い。

赤字のスクウェアエニックスも3月までに日本では「ドラゴンクエスト7」を、海外では「トゥームレイダー」を発売するので、トータルで見れば十分黒字化できるかと。

コナミも2月に「メタルギアライジング」が出るし。特定期間だけで見るとどうしても浮き沈みが見て取れるが、1年通してみればそれなりになるのでは。

そうした中でソニーを見るとどうでしょうか？

今年の年末には次世代機が出るとのことだが、その前の時点でも利益が満足に出せていないのは驚きだ。これで次世代プレイステーションにどれだけ注力できるのか。

よく、PS3は好調だ好調だという人もいるが、その好調な部分はバンダイナムコなどがかっさらっているだけで、ソニーとして利益を出しているわけではない。次世代ゲーム機を作る際にバンダイナムコが金をくれるわけでもないんだから、ソフトメーカーだけが好調でも意味がなかろう。

日ごろからこのあたりを述べているのだが、なぜか理解のない人がPS3が好調だからソニーも好調だ、という流れに持っていこうとしており。PS3の稼働も終盤に差し掛かっている書き入れ時にこれではね。次につなげるのは厳しいよ。

それでも2月20日に発表されるものがユーザーにとって魅力的な可能性もあるかもしれないので、次世代ゲーム機で頑張ってもらえれば、とは思うが。それがゲーム機として成り立つものなのか、別の要素の方が強いのかはわからんけど。

と、いうことで話を終わらせてくだちい。