スクウェアエニックス株主総会2013の解説と和田洋一が会長に居座ったお話

スクウェアエニックス株主総会2013年』でスクウェアエニックスの株主総会の話を質疑応答を中心に取り上げたが、補足説明というか、状況などを踏まえての話と、今後どうすればいいのかの話。

そして、和田洋一がスクウェアエニックスに会長として残るというお話を取り上げよう。

まず、株主総会の補足説明をしていきましょう。

最初は和田洋一による自己弁護から始まる。

さすが東大出身ということもあり、自己弁護はお得意で、都合の良い内容だけを引っ張り出して問題ないというような発言をしていった。

どういったところが都合の良い内容だったのでしょうか?

個人的に一番気になったのがアミューズメント施設の説明。売上高で前年比などと比べて他社と比べて悪くないというような説明をしているのだが、いまやアミューズメント施設事業はどこもどうやって利益を出すかの方を重視しており、売上高なんて意味ないんだよね。

特に今後、消費税増税が控えていることもあり、利益面に対して意識が強い中、売上で他社と比べて好調だと言われても困るわけだ。

他の機器と施設の相乗効果が発揮されていないとか、いろいろと言いたいことがあるが、それは『スクウェアエニックスを破壊しつくした和田洋一を振り返る、10年の戦いが終結』でも述べたので割愛する。話し出すとキリがないし。

そうした話の後に、質疑応答に入ったわけですね。

質問者5人目が印象的です。

ゲームの本質に関してはそれが正しいのかというような疑問はあるが、ゲームの本質をおろそかにして今の状態があるという指摘はその通りだろう。

その本質に、なぜ操作性が第一なのかはよくわからないし、第二がストーリーというのも疑問だが。

でも、言いたいことは雰囲気としてわかる。

ここまでが株主総会中に行われた質疑応答に関してです。

続いて休憩後、E3 2013などで公開された映像を見た後、IRカンファレンスで多くの開発者が登壇し、紹介や質疑応答に入るわけですね。

この方式自体はどうでしょうか?

怒りを通り越してあきれたよ。

良かったのではなく、駄目だったのですか?

やるべきことは株主に対するIRカンファレンスなんだよ。

今回やったことは、ファン向けイベントでしかない。

今回、社長が交代し、初めてのIRカンファレンスとなるわけだから、ここは社長自身がしっかりとやるべきではなかろうか、と、こう思うわけだ。

もちろん、新たに社長となった松田洋祐は、和田洋一のように官僚答弁に長けた人間ではなく、満足に受け答えはできないかもしれない。しかし、それでもしっかりと自らの言葉で語るべきではなかったのか、と。

経理畑から突然社長になり、いろいろと難しいのはわかるが。

だからこそ、開発者を呼んで話させようとしたわけだ。

経営者として適切に人を使うという点では決して悪くはないのだが、しょっぱなからそれはどうなんだ、と。

なかなか辛辣な指摘ですね。

しかも、開発者をお昼時に呼んだため、この人たちはお昼をゆっくり食べることもできない状態だっただろう。FF14は開発も大詰めで、極端な話、ここに開発者を呼ぶくらいなら睡眠時間をあげたほうがいいのでは、とすら思う。

こういう場にあえて呼んで、将来の取締役候補として場数を踏ませようとしたのかな、という意味合いがあれば、これはこれでいいんだけどね。

それにしても、呼んだ人数が多すぎて、質問もばらけて結局一つの質問もなく終わった人もいた。今後も似たようなことをやるにしても、もう少しバランスを考えてもらいたい。

将来取締役になるのかという話は、IRカンファレンスの最後の質問者が述べていましたね。

ただ、去年まではマイクで何を言っているかわからない話し方をしていたのだが、今回ははっきりとしゃべるように意識的にしているように感じるので、そうした変化を自らやっていこうという思いは伝わった。

自らの得意分野を活かしてしっかりと舵を取ってもらえたらと、このように思う。

質疑応答に行く前に一つだけ気になったものがあるのですが?

どれ?

このFF15のCoディレクターの挨拶の発言の間の部分はなんなのでしょうか?

『あまり今日15の質問には答えられないですけど、ふはははは、なるべくお答えできる範囲で答えていきたいと思っている。』(田畑端(ファイナルファンタジー15:Coディレクター))

ふはははは、というのが良くわかりまんね。

何だか知らないが、突然一人で高笑いしだして。

それが、ふはははは、という笑い方だった。

一人でマイクを通して株主の前で高らかに笑っているので、面くらったよ。

笑い声だったのですね・・・。

では、質問を見ていきましょう。

面白かったのが、DQ11はどうなっているのか、という質問に対して、社長はDQ11について深く語らないようにしてお茶を濁して、そしてDQ10のプロデューサーにDQ10についての補足を、という形で話を振ったのだが。

しょっぱなからDQ10のプロデューサーはDQ11の話した聞きたいんだよね、ということでDQ11について話し出し。

これを見ていたら、堀井雄二氏がDQ9の発表会でDQ10をWiiで発売することを述べたのを思い出したよ。

2008年12月24日『ドラゴンクエスト9は一つのソフトに一人分しかセーブできない、これで世界で1000万本売れる?』でその様子を伝えましたね。

これとどのような関係が?

経営者を意識しない点がさ。

DQ9の発表会の時にDQ10の話を堀井雄二氏が出したのだが、明らかに和田洋一としてはその場で発言することを事前に知らされていなかった感じだった。

ドラゴンクエスト関係者は経営者そっちのけで己の信念を主軸に動いているのが見えて微笑ましい。

発言内容自体は丁寧な回答でしたね。

リアリティがある回答で良かった良かった。

・・・・・・。

で、5人目の質問の「戦国IXA」の質問者と、株主総会での最後の質問者は同じ人が話した。簡潔にまとめたけど、無駄に話が長くてイライラさせられたよ。同じことを重複して述べていたり。

ちなみに、女性の人だ。

株主総会の「みんなでクエスト」絡みの質問をした人も女性なのだが、本当に無駄に長い。じいさんばあさんも話が長い傾向にあるが、女性の株主総会での質問者もちょっと困る。

言っていることは悪くはないんだけどね

ドラクロワとか北斎とか、どういうことでしょうか?

ドラクロワはウジェーヌ・ドラクロワ、北斎は葛飾北斎のことだ。共に絵を描く人だが、前者は精巧に書き、北斎は精巧とまでは言えない、さらりとした感じの絵だ。

質問の趣旨としては、技巧に走らず、北斎のように数を描けるような、制作コスト面でもそういった考えでやってはどうか、的な質問。これはドラクロワも北斎も優劣が無いのであれば、という前提がある。

現地で聞いているときにはドラクロワがどういった人物かわからなかったが、北斎との対比で言っていたので時間のかかる絵を描く人なのだろうと判断。

この発言の時、開発者の様子を見ていたのだが、最初の方はいい話だから開発者も身を引き締めて聞いていたのだが、だんだんと疲れていくサマが見て取れて笑えた。

そういうことでしたか。

葛飾北斎は今、アレで日本でも大注目ですよね。

触手か?

どこの日本で注目されているんですか!!

葛飾北斎さんは、今年、世界遺産に登録された富士山に関する絵を描いていることで有名です。

ああ、そっちか。

てっきり、触手絡みで、一度出版の予定があったものの急遽出版停止になった作品の話でもするのかと思ったよ。

それもスクウェアエニックス絡みではありますね。

話戻して、質問者6人目。

これは株主総会で1番目の質問者と同じなのだが、この人も何を言っているのか要領の得ないことを話していて、聞いていてイライラした。

それを私がまとめると一行になる不思議。

端折りすぎです・・・。

そして最後の質問者なのだが、FF14について聞きたいのだが、場をわきまえて全体的なことを聞く、ということで、取締役のあり方を質問。

若い男性だったのだが、先の2人が長々と要領の得ない話をしていただけに感動してしまったよ。

なんで若い世代の方がまともなんだよ、と。

本来であれば、解説が終わり、終了となりますが、一つニュースが入っています。

社長から退いた和田洋一さんが会長になったとのことです。

予想はしていた。

予想はしていたが、本当にやるとは思わなかった。

3月19日『スクウェアエニックス社長の和田洋一の退任時期はいつか!?代表取締役や社長などの言葉の意味など』で取り上げましたね。

まだ正式に社長退任の発表が無い段階で、会長になる可能性を取り上げました。

もっとも、株主総会などを行うのはスクウェアエニックスホールディングスで、そちらからは和田洋一は外れている。

その子会社であるスクウェアエニックスで、和田洋一が会長になったわけだ。

上場企業のスクウェアエニックスホールディングスの株主総会に出なくても良いし、外部からの批判にさらされない立ち位置だ。

単に引継ぎなどがあるから1年残るだけなのか、それとも来年以降も居続けて院政をしくのか、様子を見る必要がある。

苦々しいものがあるが、こればかりはどうにもならん。1年様子を見て、その後消えないのであれば、その時はまた取り上げるということで。

以上でスクウェアエニックスの2013年の株主総会の解説と、おまけのお話を終える。

直近、直後の話題

1つ過去の話題:ドラゴンクエスト10の課金登録者が52万人突破の意味を解説
1つ新しい話題:任天堂株主総会2013年

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『スクウェアエニックス株主総会2013の解説と和田洋一が会長に居座ったお話』へのコメント

ドラクエ11、確かに気になる(笑)。百歩譲ってハードは
何でも良いけど、オンラインだけは辞めて欲しいなぁ。

投稿者 : 匿名

堀井のドラクエ9の発表会での10はwiiで、は完全に嫌がらせで笑ったなw
しょーじき不満はあるけど据え置きで良かったと思ったのになぁ
10の発表会でオンラインってわかってからは一気に興味なくしたわ

あとモンハン3Gと4とかみて、このやり方は任天堂のものなのかなぁって思ったな

投稿者 : 匿名

日本のスクエニスタッフが作ったゲームより、和田さん主導で買収したエイドスのトゥームレイダーのほうが圧倒的に楽しめた人間からすると、和田さんには残ってもらいたい気もする。もうFFも全然面白くないのよ。ドラクエはつい最近3DS購入したので買って遊んでみようかと思っていたりするからまだなんともいえない。ただ、PS3で出てるゲーム見る限りスクエニ日本スタッフのゲームはもうダメだなという気は払拭されそうに無い。

投稿者 : 匿名

施設運営に関して言えば、
現在のSQ(≒タイトー)の経営手法であれば、
売上高の高さ≒収益額の高さ&効率もまずまず、と言えると思いますよ。

もっとも、業務用マシンの開発・販売の赤字が入ってくると、
とたんに見栄えが悪くなるかもしれませんが・・・

セガサミーと逆の構造。
(同社はマシン開発・販売はいつも大幅黒字で、
 施設運営は・・・
 ただし、同社は業界の盟主として、
 自社施設にはいっぱい最新マシンを入れて、
 プライズもガンガン出しているのかも!?
 という見方もありますが〜)

ここでも、
バンナムが一番商売上手な気がします。

投稿者 : 匿名

本人も一線から退くって言ってるから実質降格じゃないのかって思う人は多いそうで
まぁ、何にせよ社長会長変わったくらいで劇的に変わるわけじゃないとは思うわけで

投稿者 : 匿名

そりゃぁ、どんなに”他”に製作費かけたって
システム構成に不具合があったらただのゴミだからですよ。

投稿者 : 株主