バンダイナムコPS3「ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル」で犯した罪のまとめ

8月29日に発売され、いろいろな意味で話題を振りまいた「ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル」。

バンダイナムコという悪徳企業によって発売されたこのタイトルは、ゲーム業界にいったいどういった問題を起こしたのか、また、ゲームユーザーにどういった影響を与えたのかをまとめてみたいと思う。

すでにこのゲームについては何度も取り上げていますね。

『ゲーム小売店がバカだからゲーム業界を崩壊に導く企業がのさばる』『週刊ファミ通のクロスレビューはゲームをプレイしていない可能性もあり、ジョジョの奇妙な冒険40点の問題から読み解く』などが該当します。

まずはわかりやすく一覧で紹介し、それに対して簡単にコメントを述べていきたいと思う。

引き起こした罪は次の通り。

• 開発会社が他社のゲームを批判し、このソフトを自画自賛
• 一部要素をプレイするのに課金をしなければならない
• 課金等重要なシステムを発売日直近まで非公開
• ゲームの質が低い
• 週刊ファミ通クロスレビューで満点評価
• 発売前のインターネット上での過剰な評価
• 短期間で小売店で大幅値下げ
• 週刊販売本数が初週43万本から翌週2万本と大幅低下
• 原作「ジョジョの奇妙な冒険」の評価を貶めた

すでに述べてあるものもありますが、それ以外の話もありますね。

一つ一つ見ていこう。

まず、このゲームの開発会社の社長が、他の原作付ゲームを批判していたようだ。

また、その対比として、この自社で開発した「ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル」を持ち上げていた。

自社のゲームを持ち上げるという気持ちはそれはそれでいいのだが、対比して他社のゲームより上というような比較広告のようなことは好ましくないよな。

海外ではよくあるけど、日本ではあまり行わない。

それでもやるならやるでいいのだが、出てきたものが低品質だったので、持ち上げは売らんがための単なる嘘という見方が出来る。一言で言えば詐欺ですな。

課金についても問題視する意見が多いですね。キャラクター等の課金だけでなく、SNSなどで用いられる基本無料のシステムが導入されています。

勘違いしてもらっては困るのだが、課金自体が悪いわけでも基本無料が悪いわけでもない。

パッケージ代を払い、なおかつ遊ぶために金を要求することが問題。

もしこのゲームがダウンロード方式で基本無料でいろいろなコンテンツを有料で遊べるような仕組みにしていれば、誰も文句は言わないわけだ。プレイするかどうかは自らの判断にゆだねられるわけだし。

仮にパッケージ代をもらうにしても、その額を3000円とか、安く提供し、そして一部有料であるのなら、これまた批判も少なかっただろう。

しかし、このゲームはパッケージ代はほかのゲームと同じ額をもらい、さらに全要素遊ぶには、また、短期間に長時間遊ぶ人は金を払えという仕組みは受け入れがたいものがある。

そしてその情報を直近まで公開しなかった、という問題もありますね。

この手の仕組みは批判されるということをバンダイナムコはわかっていたのだろう。

そうでなければ、早めに公開すればいいのだしね。

つまり、バンダイナムコは小売店とユーザーを騙して売り、あわよくば有料課金で金をさらにぼろもうけ、という考えがあったのだろう。つまり、これも詐欺ですな。

ゲームの質が低いはどうでしょうか？

俗にいうダメゲーというわけなのだが、これだけでは批判の対象にならない。

過去にも多くのダメゲーがあるし、まあ、バンダイナムコにはそのダメゲーが多すぎるというのは問題ではあるが、これはバンダイナムコの人間の能力が足りなかったり、満足に予算を与えられなかったり、期限に限りがあって作りこめなかったりと、さまざまな要因があるから。

また、ゲームは人によって好きなジャンルなどもあるので、プレイした人の肌に合わないというのもよくある話。このゲームが面白いという評価をする人もいるかもしれない。

なので、「ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル」がダメゲーであることだけで批判する気はない。

このダメゲーであるにもかかわらず、開発会社の自画自賛によるユーザーへの騙し行為が問題と言える。

また、すでに以前述べた『週刊ファミ通のクロスレビューはゲームをプレイしていない可能性もあり、ジョジョの奇妙な冒険40点の問題から読み解く』とも話が絡む。

週刊ファミ通のクロスレビューの件は『週刊ファミ通のクロスレビューはゲームをプレイしていない可能性もあり、ジョジョの奇妙な冒険40点の問題から読み解く』をご覧ください。

発売前のインターネット上での過剰な評価というのはどういうことでしょうか？

これはメーカーが意図してステマをしたのか、それとも自然発生的になったのかはわからないが、インターネット上で過剰に発売前に持ち上げられていたようだ。

それによって、買ってしまった人もいるのだろう。

ただ、その持ち上げられ方に不自然さも見て取れる。

ステマであれば論外だし、ステマでなくても、サイト運営者がトンチンカンな持ち上げ方に協力して、結果として被害者を増すことに貢献した。

「ジョジョの奇妙な冒険」自体も、インターネット上で再評価され、みんなでポーズをとって写真撮影をしたりといった広がりを見せた作品なので、もともとインターネット上で流行りやすいものだったのかもしれない。

ゲームをプレイしていないのだから面白いかどうかなんてことは実はわからないというごくごく当たり前のことを忘れ、その評価を真に受けた人がいる、というのも問題だろう。

作り上げられた評価に乗って購入し、そしてダメゲーをつかんでしまうという、インターネットの負の部分を見せられた一件でもある。

小売店の大幅な値下げに関しては『ゲーム小売店がバカだからゲーム業界を崩壊に導く企業がのさばる』で触れています。

そして、販売本数が初週43万本にも関わらず、翌週第2週は2万本と急激に落ちている点も気になります。

これは発売後、インターネット上で正当な評価がユーザーによって寄せられたことによる結果なのだろう。

先の発売前はインターネットの負の部分であるが、このような実際に触りそしてそれがどうであるかを述べ合うのはインターネットの正の部分と言える。

2万本も売れたのか、という方が驚きでもあるが、値段が安くなったことで手を出してしまう人もいるのだろう。

最後はゲームではなく、原作である「ジョジョの奇妙な冒険」を貶めたということですが、これはどういうことでしょうか？

今回の出来事はあくまでゲームの話だ。

しかし、ゲームであっても「ジョジョの奇妙な冒険」というタイトルを背負っている以上は、原作にも影響を及ぼす。

このゲームで本来であればバンダイナムコが発売したPS3ソフト「ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル」の悪評でしかないのだが、その悪評が語られる際に常に「ジョジョの奇妙な冒険」という名前が出てくる。

そうなると、人は無意識の中で「ジョジョの奇妙な冒険」と「悪評」が結びついてしまう。理性ではゲームだとわかってはいるものの、原作の方にも不快感を覚えかねない。

これは5月7日『無価値創造企業バンダイナムコを取り上げること自体が悪事に手を貸すのでは、という心情』で述べた通りのことが起こったわけだ。

ですが、以前からバンダイナムコは低品質なゲームを作り続けていますが、なぜ今回はここまで問題になったのでしょうか？

単にダメゲーであるだけなら今まで通りで済んだんだろうが、述べてきたようにさまざまな要因がこの1タイトルに集約して現れたので、より問題視されることになった。

ゲームの内容は別として、メーカー、小売り、ゲーム雑誌、ユーザー、インターネットなど、さまざまなゲーム業界が抱える問題をさらけ出してくれたという点で意義あるタイトルだった。

また、それと同時に・・・。

同時になんですか？

数年前から述べていたように、バンダイナムコの信用がどんどん崩れているのを目の当たりにし、自分の考えはなかなかどうして、真っ当だったなぁと自画自賛。

縁起でもないので自画自賛はやめてください・・・。

今回問題となっている「ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル」も、発売日以前には一度も取り上げていないしな。

ここから被害者出さなくてよかったよかった。