ソニーの第3四半期決算発表、複雑怪奇な数字のソニーのゲーム部門のお話
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また、この日が来てしまったようだ。
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もったいぶらずにさっさと取り上げますよ。
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ソニーの第3四半期決算が発表されましたね。
PS4が好調ですので、数字も良好です。
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具体的にはどういった数字なのかな?
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ゲームが関連するゲーム&ネットワークサービス分野では、2014年4月から12月までで537億円の営業利益でした。
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おお、ゲーム部門が大きな利益を出しているわけですね。
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だが、しかし。
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また、嫌なことを言いだしそうな雰囲気で・・・。
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PS VitaやPS TVが売れないことから、そうした部品に対する評価を見直した結果、減損処理として112億円のマイナス要素を出していたりする。
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それはどう捉えればいいのでしょう?
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PS Vitaが売れていない、という風に素直に受け止めればいいのではなかろうか。
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そんな・・・。
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とはいえ、この9ヶ月間でPSPも込みで285万台売ったようなので、携帯ゲーム機目標の350万台までは残り65万台と、結構現実的な予想をしていたんだな、と。
今回の減損処理でゲーム関連については膿を出し切ったといったところ。
これはこれで、決して悪いことではない。
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任天堂は前期の決算でWiiUの減損処理をしました。
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ですが、そうした処理をしたうえでも営業利益が537億円の黒字ですから、かなりゲーム部門は好調なんじゃないですか?
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これらを見るときに、ゲームが好調と言われても、実状と異なるのではと。
このように思うのだがどうだろうか。
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なんでですか・・・。
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どちらかというと、ネットワークサービス分野の伸びの方が大きく。
で、このネットワークサービス分野は、ゲーム関連も含むのだが、映像や音楽などの配信等も含むと思われる。
そう考えると、ゲームだけでこうなったという見方はできない。
いろいろくっついた上での数字であるということを頭に入れておく必要があるだろう。
なので、単純にこの数字だけをもって同じゲーム関係の他社比較をしても意味がないということだ。
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ふむ。
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あと・・・。
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まだ何か?
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すごく気になる数字が一つあり。
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気になる数字ですか?
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業績発表の中に、「その他、全社(共通)及びセグメント間取引消去」という項目があるのだが、この数字が跳ね上がっているんだよね。
昔は多くても数百万の赤字くらいで済んでいたのが、去年は2272億円の赤字、今年も2620億円の赤字を見込んでいる。
一昨年なんかは831億円の黒字だったことから考えると、異様に思うわけだ。
これが何なんだ、と。
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何なんだ、と言われても・・・。
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それがいろいろと捉え方ができるわけだ。
一つは、この部門に不採算のもの入れているということ。
例えば去年の2272億円のうち、800億円くらいはPC事業等の不採算部門を「その他」に移動させたための数字となっている。
他にも、ソニーグループ全体を見る本社機能としての役割などが挙げられ、それが「全社(共通)」の部分なのだろう。
後はセグメント間取引消去は、異なる分野でもソニーグループ内で売買をするけど、ソニーとしての会計はまとめて出すので、その部分の修正となる。
いろいろな物があるのだが、ここ2年で一気にここまで増えたのは何なのかということを考えなければいけないだろう。
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何かありますか?
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一つはソニーグループ全体の構造改革、特に本社機能を縮小化することによる影響などもあるだろう。
ただ、それ以外にもあるとしても、もう一つ、可能性として考えられるものがあり。
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それは?
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特定部門を好調に見せるために、本社の方で肩代わりしているのでは、ということ。
ネット上で言われているのが、PS Vitaの在庫を本社が持っている、というような話。
他にも、広告は本社が負担しているとか。
本当かどうかはわからないが、そうであったとしてもおかしくはない数字に感じる。
その他部門を除いた「全社(共通)及びセグメント間取引消去」だけ見ても、2014年4月から12月で730億円かかっているし。
いずれにしても、こうした各セグメント外に出ている数字もあるため、ゲーム&ネットワークサービス分野の数字がどこまで適切かもわからないわけだ。
そして最初に述べたように、ゲーム単体でとなると、闇の中となる。
別にこのあたりでどうこういうつもりもないが、先にも述べたように他社比較は単純にできないということを頭に留めておいていただけたらと思う。
もし、詳細を知っている方が居たら、投稿フォームからかtwitter経由でお教えいただけたら幸いだ。
ということで、今回のソニーの決算発表を読み解いてみた。