スクウェアエニックス株主総会2015年

スクウェアエニックスの株主総会があったので行ってきた。

6月24日10時からスタートですね。

さっそく詳細を取り上げていきましょう。

スクウェアエニックスの株主総会は、株主総会の部分と、終了後のIRカンファレンスの2つに分かれている。

まずは、株主総会部分から取り上げていく。

10時スタート、7分目からスライドで業績説明。

スライドでゲーム業界の推移を見せていたのだが、PS4とXbox Oneが今後、どのようにハードが売れていくかを取り上げていた。1億台売れるのは2019年と想定。

33分までスライドを用いた業績説明、そして、36分から質疑応答。

回答は松田洋祐社長が中心となっているが、一部、別の人が回答をしている。

株主「33期はなぜ利益が大きく下がったのか。損益計算書で匿名組合損益分配額があるが、これはなんなのか。ホールディングスの単体の固定資産売却損は何なのか。」

松田「33期はコンシューマーの端境期で全体的に成熟していた。それに伴い、開発ラインの見直しをした。そのため、営業損益が出た。」

執行役員「匿名組合損益分配額は、会計上のテクニックで、営業外利益と別として出した。FFの映画の分配金。

固定資産売却損は初台にあったエニックスの本社を売却した。20年経ち、老朽化していた。雨漏りなどもしていた。バブル時に買ったものなので、売却損が出た。」

松田「匿名組合は15年前のFFの映画に投資し、組合の契約が15年あった。それが終了したため。」

株主「新株を発行したようだが、これはストックオプション絡みか。」

松田「ストックオプションではない。転換社債の償還によるもの。」

株主「ウェアラブルなどの新機器への取り組み。」

松田「研究はしている。VRはE3でも盛り上がっていた。いくつか実験的なものをやっている。遠くないうちに説明できる。」

株主「取締役で株を持っていない人がいるが買う予定はあるのか。」

松田「株の保有の有無にかかわらずしっかりやっていく。

制度上のことも含め、デリケートな問題がある。

ストックオプションも含め、株主と一緒の気持ちでやっていく。」

株主「海外事業について。アミューズメント絡みはどうなのか。」

松田「従来型は難しい。新しい施設なら海外でも受けるのではないか。プリクラなどのフォトブースが人気、可能性はある。」

株主「和田社長のシンラカンパニーについて。アップル、グーグルなどとの提携などはあるのか。」

松田「シンラの行っているクラウドサービスは、クラウドならではのゲームを提供しようと、新しいプラットフォームを作るために立ち上げた。E3でもデベロッパーの参加を呼びかけた。新しいビジネスを構築していく。

他社さんがあることなのであまり言えないが、グーグルさんとはベータテストで提携した。」

株主「著作権侵害の問題はどうなったのか。経営の影響は。」

松田「昨年8月に大阪府警の家宅捜索を受けた。遺憾に思っている。社員教育を徹底していく。

経営への影響は限定的。法解釈は係争中のため、申し上げられない。」

以上ですね。

10時57分に質疑応答終了。質問時間は24分。その後、議案の採決を行い、株主総会は終了。

引き続き、IRカンファレンスです。

IRカンファレンスは、20分後くらいの11時20分くらいからスタート。

まずは、映像を公開。この映像は、E3のスクウェアエニックス E3カンファレンスで公開された映像を元にしているので、ネットでいくらでも見ることが出来る。

この映像が25分流れ、そして、簡単に登壇者の紹介があったのち、11時49分から再び質疑応答となる。

登壇者は社長の松田洋祐、取締役のフィリップ・ティモ・ジャース、FF関連の橋本真司、DQ関連の三宅有の4名。

株主「FF7リメイクとDQ11について」

橋本「FF7も18年たち、いろいろなみなさんからリクエストをいただき、検討してきた。新しくイメージするならこういう形にできるのでは、と考えた時、PS4のスペックならできるのでは、ということで発表した。」

三宅「いきなり核心の質問で緊張する。いまのところ、この時点では具体的な答えができない。

来年ドラゴンクエストシリーズ30周年を目指して11に限らず、いろいろなタイトル、イベントを含め、いろいろやっているところ。もうしばらくお待ちください。」

株主「作品での不適切表現についての管理について。DQ10でゲームの中で離婚した女性に対して悪く言う表現があり、修正された。悪い表現は世の中に出る前にチェックすべきだと思うが、どうした管理チェックはどうなっているのか。海外展開の際、今の日本だけでなく、日本のソフトを海外での問題はどうチェックするのか。」

松田「ユーザーに不快な思いをさせないように表現についてはチェックしていく。時と場合によっては想定外のことも起こるが、倫理表現に関しては事前のチェックをしっかりやっていきたい。

海外展開は国が違えば倫理基準も変わる。海外拠点と共に全てチェックしていく。」

三宅「大事なのはお客様がどう感じられるかだと思う。声が上がってきた段階でもう一度すべてのテキストにチェックをかけている。漏れの無いような体制も再度形作っていく。」

株主「大作の開発について。FF15、KH3、FF7などを開発するだけ開発ラインがあるのか。発表から何年も待たされることが多い。」

松田「発表しているタイトルに関してはきちんとライン体制を敷いて開発中。指摘の点で反省するところもある。今後、心配かけることのないように開発を進めていく。ただ、ゲーム開発は面白さ、トレンドなども含め、いろいろな要素を加味しなければいけない。いろいろ考えて開発している。大型タイトルは期待も大きいので、ユーザーの期待に応えられるようにタイムリーに出していきたい。」

株主「FF7のリメイクはシナリオを変更する予定があるのかどうか。

DQ10で、ディレクターの顔色が悪いとネット上で評判だが、健康上の配慮などはどうなっているのか。」

橋本「エアリスの質問も毎年いただいている。E3でリメイクを強調している。原点のFF7に関しては、あれで一つの完成形だと自負している。それをリメイクする以上、いろいろな角度で見直しをしている。エアリスがどうこう個別にお答えはできないが、いろいろなものを見直す中で、喜んでもらえるものを検討している。」

三宅「りっきーの顔色が本当に心配なんですけど、日に日に白く青くなっている。本人も自覚しており、昨日今日、強制的に休みを取らせた。いろいろ管理はしているつもり。次回のDQ10TVでは真っ黒になって出てくるかもしれませんので、ご期待下さい。」

株主「DQ11が出たら、DQ10はどうなるのか。」

三宅「DQ10はスタート当初から10年必ずサービスをしていこうというつもりでやっている。まだまだ3年目で序盤。11発売されてもしっかりと作って続けていく。」

株主「FF7リメイクはどれくらい登場人物の喜怒哀楽のあるキャラクターにできるのか。ピクサーやディズニーだと誇張した表情だが、FFだとリアルなので方向性は違うが、表情が出せるのかどうか。」

橋本「技術的進化でフェイシャルアニメーションは進化している。ララ・クロフトも世界で特筆すべき評価をいただいている。技術的な進歩と共に、キャラクターデザインと表情との相性の問題もある。」

フィル「ララ・クロフトの映像で顔の表情も細かく表れていた。目の表情は技術革新もあり、目で感情を訴えることも進んでいる。」

株主「欧米は主人公におじさんが多い。メタルギアさんとか。日本は若く、子供が多い。例えば、アオーロンさんが主人公のような日本のゲームを作る予定があるのかどうか聞きたい。」

三宅「ドラゴンクエストはトルネコなどおじさんキャラがいる。鳥山明先生もおじさんキャラを推してくる。お客様を踏まえると、なかなかおじさんキャラは難しい。」

橋本「イケメンが多いFFで申しわない。シドとか中年も人気がある。ただ、シドの大冒険とかアーロンの大冒険は社内で企画が出てこない。世界的に熱が上がってくれば検討できるが、いまのところはそうならない。」

フィル「中年のおじさんシンドロームについて考えたことはなかったが、おっしゃる通り。多様性が重要。ララ・クロフトを見ると永遠の若さの象徴となっている。新しく出した女子高生が戦うゲームだったが、ローンチして欧米のリアクションは面白いものがあった。」

松田「E3でゲームの世界でも多様性、ダイバシティがテーマになっているように感じた。」

株主「DQ10のWiiでの展開について、ハードの限界があると思うが。ドルボードのバイクがもらえるキャンペーンで、ゴールドで人から買ったら利用停止4日間を食らった人がいた。その人は古参メンバーだったが、チームから居なくなった。何がダメか、もっと事前に告知できなかったのか。」

三宅「Wii自体が生産、サービス中止している。任天堂と協議しながら、引き継ぎの検討中。今後の追加パッケージも含め、どういう引き継ぎキャンペーンが出来るか検討事項。

ドルバイクは初心者やカムバックキャンペーンで使ったアイテムだが、どういった扱いか告知不十分であったことは申し訳なく思っている。」

以上ですね。

12時18分くらいで質疑応答終了。29分くらいの質疑応答時間でした。

お土産はなんですか?

ドラゴンクエストの「ドットモンスターシール」と、「スマイルスライム アイストレー」。市販品なので、欲しい人は買っていただけたらと。アイストレーは1500円もするんだな。

高いですね・・・。

どうでしたか、今年の株主総会は?

まず、スクウェアエニックスの場合は、株主総会とIRカンファレンスで、質問の受ける内容を変えているので、株主総会中に変な質問が少ないという利点がある。

今回も、株主総会中はまともな質問が多く、一つだけ、役員は株を持たないのか、というくだらない質問者がいたくらい。

ちなみに、これだけ老人。

あとは比較的若く、年取っていたとしても40歳くらいまで。

他の質問は、それぞれ適切な質問だったかと思う。ちゃんと、著作権侵害絡みに聞いたり、匿名組合損益分配額は何なのか、ということでFFの映画のことです、という情報を引き出したりね。

ちなみに、その金額は1億3200万円でした。

IRカンファレンスも、ほぼユーザー目線の質問中心だけど、そこまでおかしな質問はなく。質問者側が長々と独演会のようなことをやることもなく。

質問内容をちゃんと事前にまとめて、それを読み上げているような人もいて、質問する側の姿勢もよかったかと。

これが、以前の任天堂の株主総会みたく、4分も書いてきたものを読むのであれば、また別問題だけどね。

株主総会でこの手の質問をするのであれば問題だが、会社側もざっくばらんに、というスタンスで受け付けているので、質問内容も含め、悪くない。

松田社長はどうでしたか?

以前と比べて声が聞きやすいが、それでもごにょごにょ発言していてわかりにくいところもあった。

これも次回に期待と言ったところか。

質問に対する財務関連の返答をするときは、専門分野なのでイキイキしていたように感じたけどね。

あと、女性が手を上げて指名したときに、男性の方、と言って指名していた場面があった。

性別間違いですか・・・。

その時、少し言い訳をしようとしたんだよね。隣の男性の方かと思った、と言う感じで言葉に出したのだが、たぶん、それを言っている最中に良くないと思ったのか、言葉を区切って詫びていた。

もし、途中にそうした言い訳も良くないと思って詫びたのであれば、評価できるかな、と。

逆に、隣の男性が手を上げたのだと思った、というのを言いきって、単に詫びたのであれば、駄目だけど。

本人の心持によって評価が反対になりますね。

あと、いくつか補足しておこう。

DQ10のディレクターを昨日今日休ませたとあるけど、たぶん、一昨日昨日だと思う。さすがにバージョンアップ当日の今日に休ませていることはないだろう。本人の言い間違いのようなものと思われる。

新しく出た女子高生が戦うゲームだけど、タイトルを述べていたのだが、それらしいものが見つからず。なんとかストレイジというタイトルらしいのだが、もしご存知の方はコメントにでも書いてもらえると助かる。

DQ10のドルボードバイクの話だけど、質問者の話だけ聞くと何も問題ないことをしているように感じるけど、もしかしたらゴールドでドルボードバイクを買った人が、RMTをやっていて、そちらで処分された可能性もある。なので、ゴールドで権利を買っただけでアウトかどうかはわからないことも述べておこう。

いずれにしても、今回は良い株主総会だった。

聞くべき、著作権侵害問題や、FF15、KH3などのいつまで経っても発売されないソフトに対する質問もあったしね。

もうちょっと突っ込んで聞いてもらいたいとは思ったけど、それでも重要な質問をする人がいたことも、良かったかと。

なんだか高評価ですね。

変なトップが居なくなると、会社も株主も変わるってことかな。

・・・・・・。

直近、直後の話題

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『スクウェアエニックス株主総会2015年』へのコメント

和田社長が去ってから如実に良くなっているからね
かつて和ゲーを牽引してきたのは間違いなくスクエニなんだし今後は期待してる

投稿者 : 匿名

スクエニが復活して代わりに某大手2社が沈んでいってるのは残念ですね。
昔みたいに和ゲーがブイブイ言わせてた頃に戻らないですかね。

投稿者 : 名無し

「Life is Strange」
常識だろー
勉強不足ですね?^^

投稿者 : 匿名

トゥームレイダーの箱独占について誰か聞いて欲しかった。
新規IPを独占にするならともかく、歴代シリーズ総てPSで出ていて
PSユーザー好みのジャンル、その上シェアで優勢な方の
ハードを捨てる判断の根拠がなんだったのか気になる。
ベヨ2のようにMSの金がなけゃ開発にGOサイン出ない状況だったのか、
近い時期に出るであろうアンチャに立打ち出来ないという分析なのか。
前作をPSで遊んだ層を切り捨てて反感買うデメリットにつり合う利点が
あるなら聞いてみたい。

投稿者 : 匿名

スクエニが復活した?
アイドス以外全て発表しただけでいつ出るかも決まってないだろう
まだカプコンの方が確実にソフト出してる分マシ
コナミは・・・まあ何とも言えんけど

投稿者 : 匿名

トップ変わってから、開発が活発になりだしましたからね。

投稿者 : 匿名

シンラについては質問ひとつだけ?
すっげぇ不明瞭だから突っ込みまくりかと思ったんだけど

投稿者 : 匿名

トップが変わってから動き出した企画ってFF7リメイク以外に何かあるっけ?
和田に賛否有るのは分かるが結論有り気の奴が多すぎる

投稿者 : 匿名

ハイスコアガールの件は
書籍部以外はさすがにわかっていたって事か・・・

明日行われるコナミの株主総会は悪過ぎる意味で楽しみ
たぶん何もなく終わるだろうけど

投稿者 : 匿名

国内はスマホ重視で家庭用は続編とオンゲに絞る。
海外はアイドス中心に家庭用とPC重視。

家庭用で新規性のあるものがないのは残念ですが、現実的な方針だとは思います。

ただスマホも市場の飽和と開発費高騰が進んでますから、今後どうなることやら。

投稿者 : 匿名

>新しく出た女子高生が戦うゲームだけど、タイトルを述べていたのだが、それらしいものが見つからず。なんとかストレイジというタイトルらしいのだが

「スクールガールストライカーズ」じゃない?

最近CMやってるスクエニのスマホゲー

投稿者 : 匿名

和田の大幅リストラで開発の空洞化が起こっていたしこれから立て直すんだろうな。
色々と精力的に動き出してるし今後に期待は十分できるが。

ドラクエ10に関しては少し不安だわ。
今回のverup後のゴタゴタ、しかもwiiじゃなくてwiiuに問題ありで調査中とか。
ver3前期後期共に内容もスカスカなのに、なんでこんな不具合や調整ミスばかりしてるんだ。運営三年しててこれはない。
リッキーがやせ細っているのは同情もするけど、だからってゲームの出来を落として
いいわけではないと思う。
明らかにスタッフ足りてない印象も受けるし、まあそれは和田の負の遺産ではあるん
だろうけど、売れるタイトルが腐るあるんだし人材を何とかして欲しい。

投稿者 : 匿名

>DQ10はスタート当初から10年必ずサービスをしていこうというつもりでやっている。まだまだ3年目で序盤

冗談でしょ?
時代遅れのゲーム感するのにまだ何年も続けるのか
WiiUはどうみてもこの先2年ぐらいしか持たないし、スマホや3DSでは遊びづらいし
PC客メインになるんだろうか
どんどん減ってくだろうから少なくなった顧客からの超課金ゲームになりそうな予感

投稿者 : 匿名

投稿者 : 匿名 2015年6月26日 05:22

変わらないことが求められているDQにとっては「時代遅れ」も「昔ながら」に変換されるよ

PCメインだろうけど多分wiiからwiiUみたいに次の据え置き機に移行するでしょ

投稿者 : 匿名

スクエニの復活云々に疑問を持ってる人が多々いるみたいだけど
コンシューマー系しか見てないから、理解できないんだろうね

今のスクエニは、ネットゲー、スマホ・ブラウザゲーに注力していて
そっち方面は好調なのだよ

投稿者 : 匿名

シドの大冒険、アーロンの大冒険はちょっと見てみたいw

>>冗談でしょ?
>>時代遅れのゲーム感するのにまだ何年も続けるのか
FF11だってまだサービス続いてるわけだから
DQ10でも特に驚く程のことではない気が・・・

投稿者 : 匿名

ver3前期後期の内容がスカスカってのもどうなんだろう。
むしろ追加された要素が多すぎて遊びきれないのだが。

投稿者 : 匿名