PS4が中国へ結構な規模で並行輸入されていることを理解できない人向けの説明

ところどころで日本のPS4の販売台数には中国への並行輸入をされているために、日本の実態を表していないという話をする。

これを水貨などと表現されるようなのだが、そうした話をするときに、決まってコメント欄で証拠を示せ、みたいなことを述べる人がいる。

今回は、その証拠も含め、改めて取り上げ、同じ話を何度もすることのないことを望みたい。

直近では11月25日『PS4、全世界で3000万台突破、一方日本では？』で取り上げた際にコメントが寄せられました。

いくつか紹介します。

『そんなこと言っていたら3dsやwiiuだって一緒でしょ
どうしてps4だけ中国人客が買っているということになるのでしょうかね？
どこにps4爆買みたいな情報があるか是非知りたいです
キミはアンチソニーか任天堂信者ですか？
そもそも中国ではオンラインゲームが主流なので買っていたとしてもごく少数では？』

『中国に何台流れたのかソースお願いします。』

『確かにPS4が中国人に売れてる話に関してここまでナンセンスな話は無いと思う
日本円の方が安いのが理由ならそもそも全てのハードも中国人とって安く、同じ様に買う訳で』

『話を聴いてくれるって言うなら是非ともまこなこさんには中国人がどのくらい買っているのかというはっきりとしたソースを提示していただきたいものです
PSファンと違って話を聴いてくださるようですし近日中には出していただけるものと期待しております
しっかしソースも提示されていないものを鵜呑みにされてしまう方たちは本当に話の解る方たちですね
私が任天堂ハードの５割が自社買いだと言ったらソースも無いけど受け入れていただけるんでしょうかね？まあこんな馬鹿げた話普通は信じませんよね
一応言っておきますが勿論嘘ですよ
　
中国人が買ったPS4のソース楽しみにしています』

『なるほどリージョンがフリーだからこそ安い日本から買って来ると‼︎
確かにそうかもしれません
この記事には特に書いてないので誤解するのでは⁇
一応過去記事の方でそのようなことは書いてありますね
しかし、中国に流れている具体的な数字の記事ってありますか⁇
他のサイトでも調べてもないのですが・・・
それでも日本市場があまり元気ないのは残念ですけど

>>確かにこういう人種がいなくなれば少しはゲーム業界活性化しそうだな。
過剰に反応するほうもどうかと・・・』

『中国人の平行輸入とやらはどこに行けば見れるの？
関東だよね？
近いから見に行きたいわ。
情報よろしく。』

証拠見せなさいよ、証拠を！

証拠も何も、ソニーの人間が言っているんだから、そうなんだろうよ。

ソニー以外にも、メディアで並行輸入の話は取り上げられているので、今更証拠も何もないだろうに。

こうしたコメントをたびたび見かけるからか、次のような投稿が届いています。

『以前、PS4が日本から中国へ流れているかどうかって話題があったかと思います。その点に関してはSCESHプレジデントの添田氏が、インタビュー記事で並行輸入を認めていますね。面白い内容なので、取り上げてみてはどうですか。』(投稿：Hachi)

ソニーの人間がなんて言っているか、取り上げてみるから、それで納得してもらうしかない。

ネットニュースサイトのGAME Watchの「中国でPS4は普及するのか!?　SCESHプレジデント添田武人氏インタビュー」という記事から並行輸入関係の部分を取り上げる。2015年8月4日掲載の記事だ。

『――さて、中国で正規のビジネスがスタートしましたが、今後、並行品の扱いはどうなりますか？

添田氏：　購入する側にしてみれば、並行品か正規品かというのはさほど区別していないと思うんです。PSを購入してゲームを遊んでいる以上、彼らはユーザーであることに変わりはないんです。もちろん、国内でビジネスを始めた以上、すべてのお客さんに正規品を買っていただくのが目標になります。そのためにはユーザーさんの「楽しいゲームを遊びたい」、「新しい体験をしたい」、「他のプラットフォームと違うことをやりたい」、「中国でしかできないような、中国発のゲームを遊びたい」という声に応えて、独自の付加価値を付けて届けていくことが重要だと思います。

――現在、正規品はどのような形で中国に流通していますか？

添田氏：　オンラインとオフラインがあり、オンラインは最大手のTMALL、JD、オフラインでは、ITモールに入居しているショップで少しずつ扱う量を増やしています。あとはソニーの直営店Sony Storeが北京、上海、広州、成都の4カ所にあります。そのほかにもゲーム以外のビデオカメラやデジカメなどを扱うお店でも希望があれば、宣材を提供して販売ができるようにしています。

――今回、上海でいくつかのITモールを視察してきましたが、BUYNOWやMetrocityなどに密集している小さなゲームショップは、依然として並行品を扱っているところのほうが多いように感じましたが、正規品の取り扱いはまだオフラインよりオンラインの方が多いんでしょうか？

添田氏：　そのお店が何をどこからどう仕入れるかは、最終的にお店の判断ですが、我々も働きかけをしながら、正規品を入れたいという希望があればもちろんそれに応えていきます。

――実際に、改造業者が、正規品を扱う業者へ鞍替えした例はありますか？

添田氏：　ありますよ。現在進行形ですが、並行品と正規品の両方を扱う業者、正規品のみを扱う業者もいます。

――外から見ていてよくわからないのは、センサーシップによって海外のゲームを厳しく取り締まる一方で、並行品に対しては黙認しているという現状があります。これはどういうことなんでしょうか？

添田氏：　それは我々も知りたいところですが、ひとつ言えるのは、それぞれの監督官庁が異なるので、行政の中での連携が上手く取れていない可能性があるということですね。』(GAME Watch「中国でPS4は普及するのか!?　SCESHプレジデント添田武人氏インタビュー」より)

たくさん語られています。

これはPS4についてだけど、PS Vitaでは『PS Vitaが日本で売れているのは中国人が並行輸入をしているから、PS4が売れているのも同じ理由？』でも紹介したように、フィスコで取り上げられている。

また、実物は確認していないけど、週刊ファミ通でPS4を買うのは外国人が多い、というショップの話が掲載された、という話もある。

もっとも、週刊ファミ通の話は中国でPS4が正式に展開される前のことのようなので、今現在では状況が多少異なるだろうが。

ただ、上述のソニーの人の話は、PS4が中国で正式展開された後でも並行輸入品が出回っているという話なのだから、規模は変わったと言え、インタビュー時点ではまだ行われているということだ。

ですが、規模はわからないじゃないですか。

いったい何台中国に流れたんですか。

数字を出してくださいよ、数字を！

そんなの知るかよ。

！？

調べようの無い数字を求めることが、いかにおかしなことか気が付かないと。

ただ、一つ言えるのは、先のソニーの人の話のように、並行輸入を問題視するくらいに多いという現実があるということ。

単に100人、200人が自分のために日本から買って帰ったのであれば、こんな記事になるわけがない。

数万単位、さらに上の単位で買われているからこそ、記事となって出てきているんだから。

そして、何より重要なのは、日本のゲーム市場を見ていくときに、PS4の販売台数を見ていくときに、そのままの数字を元にして考えるのは誤りである、ということを把握するということ。

表面的な数字だけ見て判断してしまうと、日本国内の状況を見誤ることになる。

200万台売れた、と言っても、その実態が中国へ流れたものが多数となれば、日本国内のPS4普及台数は限定的として見る必要が出てくる。

極端な話、どこで何台売れようが知ったことではないのだが、日本市場を考える上では並行輸入で出ていった分を除いて考えないと、適切な判断ができない。

だったら、同じことがWiiUやニンテンドー3DSでも言えるじゃないですか。

なんでWiiUやニンテンドー3DSだけ除外するんですか！

その問題はリージョンコードの有無による違いから、と言われている。

リージョンコードについてはコメントでも寄せられていますね。

『>そんなこと言っていたら3dsやwiiuだって一緒でしょ
>投稿者 : 匿名 2015年11月26日 07:45

あのな、それらの機種にはリージョンロックというのがあってだな
って何回目だよこの説明

PSファンって人の話を聞かなさすぎだろ、なんかアンチソニーってのはソニーそのものよりファンボーイの質の低さにうんざりした人間のが多いんじゃないかって気がしてきた。
確かにこういう人種がいなくなれば少しはゲーム業界活性化しそうだな。』(『PS4、全世界で3000万台突破、一方日本では？』コメントより)

PS4はリージョンロックが無いと言われている。

WiiUなどは有るとされている。

これによって何が変わるかと言うと、本体はどこで買っても同じということ。

だったら、安く買えるものを選ぶよね、と。

そして、価格差のある日本から並行輸入して自分のために買って帰る、もしくは店頭に並べるために買っていく、ということは起こりうるわけだ。

ソフト面では、日本のソフトだと日本語がわかる人向けにしかならないので、例えば英語版を並行輸入するとか、中国で正式にPS4の展開がスタートしたので、中国語版を買うという選択肢が出てくる。

WiiUだと、リージョンロック、つまりは地域で販売された本体にはその地域で販売されたソフトしか動かない仕組みがあるため、近場の日本で本体を購入し、ソフトは英語版を買うということができない。

ならばと、英語版が対応する本体も仕入れようとすると、欧米との距離が遠いため、運賃がかさんで商売にならない。

なので、中国ではWiiUやニンテンドー3DSの並行輸入品が売られにくいわけだ。

コメントで指摘された内容は以上でしょうか？

同じコメントを何度も見かけるのは何なので、PS4の中国への並行輸入の話は今回で終えたいと思う。

現場のソニーの人間が並行輸入に関して語っているんだから、無い、もしくは規模が小さいなんてことはない、ということだけでも把握していただけたらと。