日本のe-Sports(イースポーツ)に未来はあるのか
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今日はe-Sports(イースポーツ)についてですね。
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前回『果たして日本で職業のプロゲーマーは生きていけるのか、現状とe-Sports(イースポーツ)など』で、プロゲーマーについて取り上げました。
今回はその続きですね。
東京ゲームショウ2017ではe-Sports(イースポーツ)を基調講演で話されるとのことですので、そうした絡みで今回取り上げています。
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日本のプロゲーマーの状況はある程度分かりましたが、そのプロゲーマーが戦うべき会場となるe-Sports(イースポーツ)はどうなるのでしょうか?
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e-Sports(イースポーツ)というもの自体は、単にゲーム等の競技という意味合いしかない。
ただ、多くの人が想像するのは、ゲーム大会についてだろう。
正しく表現するならば、e-Sports(イースポーツ)を行う大会になるし、e-Sports(イースポーツ)大会という言い方が正しいのではなかろうか。
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オリンピックでもe-Sports(イースポーツ)が採用されるという話もありましたね。
そうした流れからも、e-Sports(イースポーツ)が大会とセットになっている印象があります。
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で、そのe-Sports(イースポーツ)、海外では栄えているのは言うまでもない。
巨額な賞金と多くの観客がいて、放送等を通じてさらに多くの人が見ている。
そして、そうしたゲームタイトルは多くの人が引き付けられてゲームを楽しんでいたりする。
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ですが、日本ではそういった状況が皆無ですよね?
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日本でゲーム大会が開かれていない、ということは全くなく、何らかの形で大会は開かれているんだよね。
ただ単に、そのボリュームが小さいだけで。
小さい理由はいろいろあるけど、拡散力が無かったり、大会に権威が無かったりと、いろいろある。
あとは、賞金なども乏しく、参加する方に魅力を感じないので、特に実力があるけどいい年齢の人はわざわざ参加しない。
なので、どちらかというと子供の運動会みたいな雰囲気で終わってしまう。
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メーカー主催の大会などの優勝者の写真では、学生などが多く目立ちます。
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メーカー主催ということもあり、メーカーもゲームのプロモーションの一環として大会を開くため、ターゲット層の学生などが主体となった大会でも十分な結果となるし、そこまで競争性を高めてうまいプレイヤーを大会で優勝させて、盛り上げようという風潮もない。
そもそも、そこまでのゲームも日本のゲームではほとんど存在しなかったのも大きいのではなかろうか。
あとは、よく言われていることとして、メーカー主催だと出せる賞金額が低くなるという問題もある。これは、法律面での話のため、仮に賞金額を大きくして対応しようと思っても、そもそもできなかったわけだ。
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では、このまま日本のe-Sports(イースポーツ)は発展せずに終わるのでしょうか?
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メーカーがどういうスタンスで挑むか、という問題もあるので一概に言えないけど、もし、e-Sports(イースポーツ)でゲームを盛り上げていこうとするメーカーがあるのであれば、今後は変わるのではなかろうか。
ただ、今現在、e-Sports(イースポーツ)で盛り上がっているゲームって、軒並み海外の物が多く、日本のメーカーのゲームだとかなり限られてしまう。
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ですが、盛り上げようにも賞金額が抑えられては、必死になってプレイして、見ている人を魅了するような大会にはならないのではないでしょうか?
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そのため、対策をする必要があるわけだ。
一番簡単な対策としては、法律を変えてもらうということ。
この辺りはたぶん、変えるよう動いているのだろう。
だが、それがいつ決まるかとか、ちゃんと法案が通るのかなどは別問題。
基本的に日本の政治はちんたらしていて動かず、例えばカジノ法案にしても、いったい何年議案を通さずに過ごしているのか、といったところもある。
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では、ダメじゃないですか・・・。
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なので、別の方法を考える必要がある。
個人的に思っているのは、第三者機関を作って、そこに開催してもらうのが一番無難だと思うのだが。
そこに対してメーカーがお金を出し、自社ではないどこかがやっていますよ、という体裁で行うという逃げ道は可能なように思うが。
ただ、法的に逃げ道があっても、いいこととも思えないけどね。
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明らかに法の隙間を狙っているにしか見えませんね。
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いずれにしろ、賞金面で何とかなれば、必死になって大会に出る人が増えるだろうし、そうした過程でプレイしていない人にもそうしたゲームがあることが知られ、認知度が上がり、ゲーム全体が盛り上がるという流れになるかもしれない。
あとは、時間が解決するだろう。
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時間とはどれくらいですか?
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10年とか20年とか。
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長すぎます・・・。
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さすがに、今の一定年齢以上はe-Sports(イースポーツ)とかプロゲーマーとか言われても、受け入れることはほとんどないよ。
逆に、今の若い世代はそうしたものにも興味があるだろうし、受け入れる土壌はある。
あとは、今の若い世代がある程度の年齢になり、自らのお金でそうしたものに対してお金を支払うような状況になるのを待つしかない。
それは、今の若い人が成人化する10年とか20年先になってしまう。
そう考えると、今、e-Sports(イースポーツ)を頑張って盛り上げようとしても、結果が出るのはそれくらいかかると考えた方が精神衛生上、好ましい。
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あまり期待しすぎてもダメということですね。
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ただ、それをのんびり待っているのも何なので、先に話に合ったオリンピックでの大会出場でいい結果を出せば脚光を浴びるかもしれないし、他にも何かしらの形で認知度が高まれば、そのスピードも速まるだろう。
そうなるためには、プロゲーマーと呼ばれる人が結果を出すのはもちろん、その周辺の人間、例えばプロゲーマーチームの管理者とか、e-Sports(イースポーツ)の運営者とかに能力がないといけないのだが・・・。
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ありませんか?
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知りません。
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そうですか・・・。
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e-Sports(イースポーツ)自体が今後の目玉になるということを見込んで、タケノコのように関連団体や会社が出てきており、そうしたところの中には質の低いところもあるだろう。
そうした質の低いところが、プロゲーマーなりe-Sports(イースポーツ)の足を引っ張りそうで怖い。
不正行為をしたり、あまりにも品のない人間が目立ったり、金儲けのための大会運営を行い、本来のe-Sports(イースポーツ)部分の本質を見落としていたりと、いろいろな過ちを犯すところも多々出てくるだろう。
そうしたのを見て、程度が知られ、ならいいや、と見る人を限定されないかが不安。
とはいえ、プロゲーマー絡みで言うならば、不正とかをしなければ品行方正である必要もなく、また逆に、そうでない人の方が特に若い人に受け入れられやすいかもしれないけどね。
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年配世代は敬遠しても、若い世代に特化すれば、そうしたものもありということですね。
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いずれにせず、メーカー主催で賞金面で魅力的な大会を開きにくい以上、第三者が立ち回らざるを得ない。
その第三者が有能か無能かで、日本のe-Sports(イースポーツ)の評価が決まってしまうだろう。
大会を運営する第三者も金は稼がないといけないのだが、e-Sports(イースポーツ)の発展と収益化のバランスがしっかりと担保できるのかどうか。
求められるのは総合力なので、そうした人材がこのe-Sports(イースポーツ)絡みに集まってくれるかも重要になる。
ゲームに興味があるから、というだけで集まってくる人材であれば、ちょっと厳しいと思うが、さてさて。