東京ゲームショウ2017基調講演、e-Sports(イースポーツ)を題材に、オリンピックを否定する海外勢登壇者、肯定する日本勢

東京ゲームショウ2017が開催されたね。

9月21日から24日まで、幕張メッセにて開催されています。

どうでしたか、今年は?

全体の内容自体はまた別の機会に取り上げるとして、まずは今回のテーマの一つであるe-Sports(イースポーツ)絡みを取り上げていく。

基調講演から、e-Sportsについてだったので、その内容から。

とは言っても、内容自体を細かく述べるのは英語で話していたこともあって困難なので、話の中で気になった点をいくつか。

翻訳レシーバーはあったけど。

どういったところが気になりましたか?

翻訳がね。

翻訳?

なんか、ずっとハロー、ハローとか言っていたので、何事かと思ったら、どうも登壇者の「Halo(ヘイロー)」というゲームタイトルを「ハロー」と翻訳していて、何をやっているんだかと思ったよ。

しかも、一度、「ヘ」まで言っておきながら、「ハロー」と言い直していたので、いい加減気が付いてくれよ、と。

まあ、ゲームに詳しくなければ普通にハローと訳してしまっても仕方ないような気もするけどさ。

そんなくだらないことが気になったのですか・・・。

まあまあ、これはジャブみたいなもので。

実際に、いろいろと良いことをそれぞれ登壇者が述べていた。3人ほど海外の人で、1人は日本人、それに日経関連の進行役が1人。

一人は「オーバーウォッチ」のe-Sportsに関わっている人のようで、あとはNEWZOOというマーケットアナリストとファンド系の人間。

日本人は何かしら日本でイベント等をやっている人。

最初は各人が持ち寄った資料等で自身の紹介やe-Sportsについて語り。この際、単に大会としてのe-Sportsというよりかは、その周辺環境も含めた話をしていた。

周辺環境と言っても、選手の育成とかそういった話ではなく、e-Sportsによってゲーム業界にどういった影響があるのかとか、そうした話。

この講演の開始前にはCESA会長が、先日発表された国内のe-Sports(イースポーツ)関連の団体をひとまとめにして、オリンピック競技参加に向けた足掛かりを年内を目途に行いたいということも述べていた。

そして、テーマを設けて進行役が話を振ったりした際に気になったのが2点。

それはどういったところでしょうか?

一つはマネタイズについて。

今現在、e-Sportsによって恩恵を受けているのはメーカーだけのようで、それをどのように広げていくのかという話をしていた。

その中で、e-Sportsの見る側に対する行動も重要という話になり、その取り組みなども述べていた。

ちょうど、先日、YouTubeがスポンサー機能というものを導入したのだが、これはゲームチャンネルに対して適用したようで、ある意味、マネタイズの多様化の一つにもつながるのではないかと個人的に思った次第。

ただ、今の段階では成長させるための投資の段階で、慎重にやっていくべきだとの話もあった。

メーカーだけでなく、運営団体やプロチーム、そして選手など、周辺すべてが収益化できる必要があるわけですね。

あと、もう一つ。

最後の進行役の質問に、オリンピックにe-Sportsが採用されるのだが、そのことについてどうか、というものがあった。

この質問の意図は、好意的に答えて欲しいというのがありありと感じられたのだが、海外勢はすべて否定的とでも言うか、そこまでオリンピック競技になることに意味を見出していない感じだった。

逆に、面白いのだが、日本勢、進行役も含め、どうしてもオリンピックにe-Sportsが採用されることが重要だとしたい勢が、正当化する発言をして、この違いがあまりにもあからさまでおかしくもあった。

なぜ、そうした違いが出てくるのでしょうか?

海外はすでにe-Sportsが軌道に乗っていて、オリンピックに採用されようがされまいが拡大できる土壌が出来上がっている。

逆に、オリンピック競技に加わることで、制約が出るのではないかという恐れがあったように感じる。

特に、直近にフランスの誰かが、表現は忘れたけど、血なまぐさいものをオリンピックに出すのか、みたいなことを述べたらしく、そうしたことによって、競技として認められるゲームが限定されたりすることに対して危機感を抱いたのではなかろうか。

特に「オーバーウォッチ」などのFPS系はそうした心配が常に付きまとう。

それと、具体的にどういった表現をしたかは忘れたけど、印象的な言葉があり。

e-Sportsというゲームは無く、個別のタイトルにe-Sportsがある、というようなことを言っていた。

つまり、「オーバーウォッチ」にe-Sportsがあり、「ストリートファイター5」にe-Sportsがあるけれども、e-Sportsという物は無いわけだ。

あまりにもe-Sportsという言葉が先行し過ぎて、この本質を忘れてしまっていることに対しての気づきを与えてくれたように感じた。

実際、オリンピック競技にするにしても、どういったタイトルにするのかはもちろん、そのゲームの寿命がどうあるのか、とか、流行り廃りをどう捉えるのか、とか、前回の開催にはあったゲームタイトルが無くなった際に、そのゲームのプロ、もしくはアマチュアプレイヤーはどうすればいいのか、とか。

こうした考えなければいけないことが多数あるために、実際にオリンピックになればe-Sportsが良くなるということだけでなく、さまざまな問題も出てくるだろう。

一方、日本側はe-Sportsがオリンピック競技になることに賛成なのですよね。

それはどういった理由からでしょうか?

あまり深い意味はない。

単純に起爆剤となると思っているからでしょ。

オリンピック競技になって、誰かしらがメダルを取れば、それがメディアに取り上げられてe-Sports自体が認知される。

認知すらされていない現状を考えると、一般に認知される一つの材料として活用できるという考えで、それ以上深くは考えていない。

なので、海外勢のような心配をすることもなく。

あとは、単に今回の基調講演の目的が日本のe-Sportsを盛り上げること前提だったので、その意を汲んで、好意的に述べたのだろう。

進行役もそのように話を進めたがっていたのが見てとれて、まとめの言葉も好意的なことを述べて締めくくっていたし。

置かれている状況の違いがまざまざと出たわけですね。

e-Sports絡みで気になったところは以上かな。

少し話は異なるが、今回の話でもそうだけど、この後のデジタル配信に関する講演の話でも、モバイルを用いてゲームを視聴しているという話が出てきたのが印象的。

そして、そうしたゲームを視聴するということが若い世代には当たり前のように行われているので、将来的にまだまだe-Sportsが発展するという話をしていた。

東京ゲームショウ2017でe-Sportsが取り上げられるということで、以前何回かe-Sportsを取り上げた際に、10年か20年先には受け入れられているんじゃない、という話をした。

特に視聴をモバイルに絞って語ってはいないが、やはり今の若い世代はゲームを見る、ということを当たり前のようにやっていて、そうした人の中にはe-Sportsに興味を持つ人も出てくる。

視聴型の人が年を重ねることによって、e-Sports自体の認知度も上がるだろうし、時間が解決してくれる問題と思うんだよね。

オリンピックによるブーストを期待するもの良いですが、本質は忘れずにいたいですね。

あと、どうでもいい話だけど、登壇した日本人、全然議論に加わってなくて笑えた。

あまり議論する状況でもなかったのだが、誰かが話した内容に他の人が追加で述べたりとかを海外勢はしていたのだが、日本人は差されるまで何もしゃべらず状態。

これ、後の講演でも同じ状況だったので、なんだかなぁ、と。

今回興味があったのは海外勢の話だったので、別にいいんだけどね。

と、言った感じの基調講演だった。

いろいろと考えさせられて何より。

テーマがテーマなだけに、あまり人は来ないかと思ったら、それなりに人も集まっていたようだし。

どうしても、e-Sportsに適するゲームと適さないゲームがあって、適さないゲームを作っているメーカーが多いから、あまり興味がない人が多いかな、と思っていたので。

余談だが、相変わらずコーエーテクモの襟川氏は来ていたようだ。

ただ、創業者の一人でもある襟川恵子氏はおらず、襟川陽一氏、俗に言うシブサワコウ氏のみだったのが気になる。単に都合でこれなかっただけなのか、体調が良くないのか。

毎年思うのだが、こうした人がちゃんと基調講演を聞きに来ていて、それ以外がのんびりモンハンワールドに並んでゲーム待ちしているのはどうなのかと。

以上で、基調講演について終える。

基調講演以外では、どういった取り組みがあったのでしょうか?

前からあったかもしれないけど、パソコン系のメーカーが増えたような気がする。

DELL系のマシン。

HPのブース。ちなみに私のPCはHP製で、このOMENシリーズだったりする。

キーボードのREALFORCE。つい先日、購入したと伝えたキーボードメーカー。『東プレ REALFORCE 108UB-Aを購入、ゲーミング用キーボードとしても活用可能』で確認できる。

e-Sports用の大き目なブースの飾りや会場の雰囲気。

PUBGが行われるということで見に行ったのだが、ちょうど合間だったようで。開始されてもほとんど人がいなかったので、これは面白いと思っていたら、すでに第1回目が行われていたようで、そちらに人が結構来ていたようだ。2回目は会場でプレイヤーを揃えていなかったので、PC前には誰もいない状態に。ちなみに、後ろの椅子はメディア専用で、メディアの人しか入れない。

と、こんな感じ。ほかにも、PC周りのデスクや椅子などを展示していたところがあるなど、e-Sportsの主流であるPC関連も多く目についた。

これは単に、過去にもあったかもしれないけど、意識して見ていったら、結構あったというだけかもしれない。

以上でe-Sports絡みの展示紹介を終える。

直近、直後の話題

1つ過去の話題:モンスターハンターワールドの予約がスタート、ネット限定版も
1つ新しい話題:東京ゲームショウ2017、「信長の野望 大志」や「ラブプラスEVERY」のVR体験などプレイしたゲームの雑感など

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『東京ゲームショウ2017基調講演、e-Sports(イースポーツ)を題材に、オリンピックを否定する海外勢登壇者、肯定する日本勢』へのコメント

へぇ、面白い
海外主導でe-Sportsをオリンピック競技に登録しようとする動きがある一方
それに対して否定的な人が多いのか
オリンピック競技になるということでのゲームの規制や新たなルール作りを強要される恐れがあるからでしょうか
対して日本勢はe-Sportsというものがまだ確立されてない環境故に肯定的と
日本の場合、オリンピックでメダル取れば大々的に報道されますからね、どんなマイナー競技でも
競技人口増やしたいのなら効果はあるでしょう
あと海外とオリンピックの報道の扱いの差もありますね
例えばアメリカなんて日本ほどオリンピックが大きく報道されませんし

投稿者 : 匿名

>e-Sportsというゲームは無く、個別のタイトルにe-Sportsがある、というようなことを言っていた。

>つまり、「オーバーウォッチ」にe-Sportsがあり、「ストリートファイター5」にe-Sportsがあるけれども、e-Sportsという物は無いわけだ。


e-Sportsは付加要素的なものであり基礎部分にはならないってこと?そうかね?
Wiiスポーツのようなのを更に発展させて、人間の手足に装着するようなコントローラーで、テレビに向かってボールを投げたり蹴ったり、テレビに映された相手を殴ったり蹴ったりするような動作をとるゲームは、スポーツ性がベースになるのでそれはe-Sportsそのものじゃない?
それを10人、20人と大人数プレイ対戦可能で、審判とか点数とかゲームマスター的部分のみがコンピュータ処理されてテレビに映し出されとなると、リアルのゲームスポーツに限りなく近き、スポーツ性よりも電子ゲーム性の方が付加的となる。

投稿者 : 匿名