コーエーテクモとカプコンの裁判、カプコンが圧倒的敗北、とうの昔に終わっていたと思っていた
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コーエーテクモとカプコンが争っていた裁判の結果が出たようだね。
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カプコンがコーエーテクモを提訴したものですね。
2014年7月に提訴をし、今年の12月14日に地方裁判所での判決が出ました。
訴えの内容は2つありまして、そのうちの一つに関してはカプコン側の主張が認められました。
しかし、メインと思われる訴えの方に対しては棄却されました。
認められた方は、振動によって敵の位置などを知らせる仕組みに関してで、これは「零」シリーズが該当していたと言われています。
一方、棄却された方は、前作をゲーム機に読み込ませることで、キャラクターなどが追加される仕組みとのことです。「真三国無双」や「戦国無双」シリーズなどが該当します。
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この判決、どのように受け止めればいいのでしょうか?
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とうの昔に解決済みだと思っていたよ。
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その根拠は?
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正確な時期はわからないけど、東京ゲームショウの基調講演の際に、コーエーテクモの創業者と、カプコンの創業者の息子であり社長の辻本春弘氏が講演を見る側として来ていた。
その時に、カプコンの社長の方からコーエーテクモの創業者の方に、挨拶に行っているのが見えたんだよね。
なので、その時点で訴訟関連は終わっているのかな、とか思ったりしていたのだが。
まあ、その後の東京ゲームショウの20周年の記念講演の際には、コーエーテクモの襟川恵子氏とカプコンの創業者の辻本憲三氏はまったく絡むことなかったので、温度差みたいなものは感じたけど。
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そんな細かいことで・・・。
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辻本春弘さんの方は礼儀正しかっただけですね。
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この判決、どう見ればいいのでしょうか?
カプコンの主張が一部認められたとのことですが?
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実質敗訴だよ。
カプコン側としては、前作を読み込ませることで追加要素を得られる仕組みを主としていたようだから。
なので、賠償請求額も、そちらの方が多かった。
しかし、認められたのは賠償額が小さい「零」シリーズの案件のみだったので、実質敗訴と言っていい。
本来であれば1つ目だけで訴えたかったけど、負ける可能性があり、その時はみっともないので、勝てる案件も併せて訴えた、というところではなかろうか。
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ですが、損害を認められたという事実は変わりませんが?
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厳密に特許絡みで訴えていこうとすれば、訴えられる案件はゲーム業界では多数あるんだと思う。
しかし、現実的には訴えてこなかったのが、今のゲーム業界。
よほどのことがないかぎり、そうしたことをしなかったわけだ。
それは面倒とか、いろいろな理由はあるだろうけど、業界全体を考えると訴えるのが得策ではない、という考えも根底にあったのではなかろうか。
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ですが、カプコンは訴えたのですよね?
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まあ、そういうことだ。
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どういうことでしょうか・・・。
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いろいろと理由は考えられる。
一番考えられる理由としては、「討鬼伝」のような「モンスターハンター」のパクリ作品のようなものをコーエーテクモが出したことに対する警告のようなものではなかろうか。
類似品を出してこちらの島を荒らすな、とね。
正直、それくらいしかカプコンがコーエーテクモと争う理由なんてないんだよね。
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コーエーテクモがカプコンの「戦国BARASA」をパクった問題がありますが?
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本当にそういう理由なら、本当にどうしようもないけど。
確かに、そこは競合するところだけど、さすがにそこまで厚顔無恥とは思いたくない。
いずれにしろ、カプコンは、他にも訴えられるようなメーカーは多数あると思うのだが、あえてコーエーテクモのみにしたのは、単なる特許侵害という理由だけではないと考えた方がよいかと。
だが、その心情は当事者のみしか知らないので、これ以上、確定させることなんてできないけどね。
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コーエーテクモの「仁王」がカプコンの「鬼武者」に類似しているのも影響はありませんか?
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どうなんだろうね。
一般に出てきた情報のタイミングを考えると、ちょっと時期が合わないけど、もしかしたら事前にどういったゲームなのかカプコン側が知ったので、それに対しての反発もあったという可能性は無くはない。
でも、改めて言うけど、そのあたりも含めて推測しかできない。
いずれにしろ、カプコンは今回の訴訟で実質敗訴となり、ストリートファイトを仕掛けたはいいものの、逆にボコボコにされた日本の車状態だということだ。
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意味が分かりませんが・・・。
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なんか、カプコン、冴えないよな。
業績は悪くはないけど、ゲーム業界に与えるプラスの影響が乏しくなってきているように感じる。
そうした中での提訴だっただけに、よけい残念な結果に。