戦場のヴァルキュリア4 評価レビュー 嫌な予感が当たりそうな体験版の内容
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先日、「戦場のヴァルキュリア4」の体験版が公開されたので、評価レビューでもしておこうかと思う。
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PS4で3月21日に、Nintendo Switchでは夏に発売予定です。
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どうですか、期待していた新作の出来は?
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以前に述べた嫌な予感が当たりそうな気がしてきた・・・。
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そんな・・・。
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2017年11月22日『戦場のヴァルキュリア4は期待してもいいのか?それともまたセガに裏切られるのか?』で一度取り上げましたね。
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何がダメなのでしょうか?
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追加されたコンテンツや変更で軒並みダメになりそうな感じが・・・。
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全否定ですか・・・。
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そもそも、1作目である程度完成されたゲーム内容ではあったんだよね。
ちなみに、その時のレビューは2015年10月11日『戦場のヴァルキュリア レビュー』で取り上げた。
いろいろな問題はあったものの、そうした問題を取り除いていけば、さらに良くなったような気がする。
だが、今回の4作目で追加した要素や変更によって、肝心のゲーム性の部分に悪影響を及ぼすものも散見され。
体験版だと2章までしかないので先のことはわからないが、2章までの時点でも不安を抱かせる内容になっていた。
2章までですらこの状態ならば、その先も窺い知れるというもの。
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その具体的な内容は何なのですか?
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細かいゲーム性についていうと、新たに追加された兵科が強すぎるのではないか、という点。
遠距離から放物線を描くように弾を飛ばすことができるのだが、飛距離が長く、敵の移動時にも反撃攻撃が出来、なおかつ、その攻撃が当たれば敵の移動速度が弱まる、というかなりの強力な兵科となっていた。
で、この点でもいろいろと問題があるのだが、そもそも、このゲームのゲーム性って、射線から外れれば基本的に攻撃が当たらない、というものがあったんだよね。
だけど、この放物線を描く攻撃がこちらの行動時でも攻撃してくることで、射線を切っていても攻撃をしてきて当たるという、ゲーム性の部分の改悪がされてしまったわけだ。ストレスが溜まる形でね。
敵から隠れながら進むというゲームシステムが、一度でも敵に見つかると、その後射線から逃れても飛んでくる弾に当たるという、意味不明のものとなっている。
正直、プレイしていてはてなマークがつく追加要素だった。
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他には何かありますか?
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あと、戦車を使用する際に、1作目は行動ポイントを多く必要としていたのが、他の弱い兵科と同じく1ポイントで行動できるようになった。
戦車は敵の攻撃の多くをノーダメージで過ごすことのできる強力なもののため、戦車が動ける範囲であれば、戦車をどんどん動かしていくことで、容易に先に進むことができるようになっている。
本来は、行動ポイントとの兼ね合いを見て、戦車を使うか、一般の兵科を使うかの選択が、ゲーム性として成り立っていたものが、それが無くなってしまったわけだ。
だったら、強い戦車を使っていくよね、となる。
選択の楽しみが失われてしまい、単なる強いものでゴリ押すようなものとなってしまっていた。
なので、兵科は戦車が通れないところのみで活躍はできるものの、普段は戦車と少数の兵のみでの行動で十分となってしまう。
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ふむ。
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こうしたところを見ただけでも、やはり今のセガに期待するのは無理だったのかな、と。
1作目を磨き上げて良いものになるのではなく、ゲーム性に関しては悪い方向に磨いてしまったようだ。
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今の話の部分以外で、2章までで何かありましたか?
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一番ダメだと思ったのが、2章の内容。
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2章に何か問題がありましたか?
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2章の時点でこんなことをやらせるか、というのが正直な感想。
いろいろと内容が複雑なことをやらされるのだが、この早いタイミングでやらせることで、プレイヤーがあっさりと離脱しかねないのでは、という心配があった。
特に、今回の体験版の範囲内でこの2章の内容をやらせることで、複雑に感じたり、意味が分からなく感じたり、手間が多そうなゲームだと感じて、体験版をやろうとまでした人の購入に結びつかないのでは、という心配がある。
また、プレイ時間も1時間を超えるくらいの内容になっており、今のユーザーがそこまで初期の段階から時間をかけて熱中するのか、という疑問もあり。
2章は大まかに分けて2つの要素があるのだが、普通に途中で区切って戦闘を2つに分けるだけでも印象が違っただろうに。
前作でも1章に2つの戦闘があったはずだし、なんら違和感なくできたはず。
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ユーザーに興味をもらってもらう最初の方の展開が好ましくないということですね。
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ゲーム性とは別の話になるけど、キャラクター同士の会話もタラタラしていてどうかと思ったしね。
とはいえ、この辺りは1作目がどうだったのか覚えていないのでとやかく言う気はないが。
ゲームのキモであるシミュレーション部分に突入するまでが長く感じられ、ダレる印象。
もっとも、このシリーズの特徴の一つはキャラクター性などもあるだろうから、全否定はしないけど。
とはいえ、1章最後に出てきたキャラクターとの対立が、2章であっさり解決するなど、シナリオ展開もはてなマークが付く。
この辺りは最後までプレイしているわけではないので何とも言えないが、序盤の入りでこれだと、後々もどうなるのか、という不安はある。
あと、もしかしたらアニメ化や小説化、漫画化などで語るためにこうなっている可能性もあるので、そのあたりも含めて考えるのであれば、また別の感想が出てくるが、ゲーム自体で違和感出している時点でゲームの評価が落ちるのは必然。
再度言うけど、これは2章までの話なので、そのあとに神がかり的なシナリオが待っているかもしれないけどね。
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期待できるわけですね?
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セガに期待するような奇特な人間ならばな。
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そんな・・・。
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と、いうわけで、「戦場のヴァルキュリア4」の体験版をプレイした段階では、過度の期待は抱かない方がいい、となる。
これは、去年の段階でも言った通り。
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では、買いませんか?
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発売日周辺に忙しくなければ買う予定。
いろいろ問題はあるけど、1作目を踏襲しているわけだし。
1作目の評価レビューの際にも述べたけど、可能性だけはあったゲームだから。
今回、1作目の正当な続編として出てくるわけだし。
それに、以前にも述べたけど、10年前に出てきたゲームの続編でもあり、当時のスタッフがどれくらい残っているかの疑問もあるわけだ。
つまりは、表面的なものは真似られてもスタッフの能力はゼロからゲーム開発をスタートしたと言っても過言ではない。
特に、今のセガは能力のある人がほとんど残っていないし、能力があれば別の部署で活躍しているだろうことを考えると、この「戦場のヴァルキュリア4」に関われるスタッフには能力的な限度はある。
その限度が、先に挙げたようなゲーム性の部分の改悪であったり、ゲームを楽しませる展開の仕方にあったりとするわけだけど。
でも、それもわかっていたことだしね。
最初から期待しなければそれなりに楽しめるし、今作で問題があるとわかり、次回作以降に活かしてもらうのであれば、それはそれで良しと考えるくらいの気持ちでプレイしようと思っている。
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では、人にはお薦めしないと?
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1作目をプレイしていない人にはお薦めしない。
1作目の思い入れ補正がある人であれば、なんだかんだで楽しめると思うので、そうした人にはプレイしてはどうか、という程度にお薦めしておく。
体験版も公開されているし、体験版のデータを引き継いで製品版をプレイできるようなので、とりあえずやってみてはどうだろうか。
せっかくなので、コメント欄を開放しておくので、体験版をプレイした人で何か意見があれば聞いてみたいものだが、さてさて。