ソニーの面陳強制など、初代プレイステーション当時のプレイステーション正規取扱店やゲーム業界の状況など
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以前取り上げた話題に対するコメントで興味深いものがありましたので紹介します。
『ソニーが小売にしてきた平積み強要や大量購入しなければ卸さない等と暴露されたね
まぁ昔から噂はあったけど何故か任天堂がやってると言われてた
実際はソニーだったわけで
これにより小売はどんどん潰れて行った』(『今後のゲーム業界展望Part2 ソニー編』コメントより)※画像はwikipediaより
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かなり以前の話題に対するコメントでしたが、直近に公開されたゲームズマーヤの閉店日のイベントで語られた内容を元にした投稿のようですね。
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こうした話もありますが、実際はどうなのでしょうか?
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コメントの内容にも誤りがあるので、そこから話していこう。
そのゲームズマーヤの閉店イベントの内容を全部は把握していないけど、一部は確認したので、その範囲内で。
その中で、初代プレイステーション絡みの話が出ていて、ソニーとの契約時に面陳をしなければいけない、という条件があったそうだ。
面陳とは、パッケージの表を向けて陳列することを意味する。
投稿ではなぜか平積みと表現しているけど、平積みはテーブルを用意してその上で置いてく感じなので、ちょっと意味が異なる。
あと、ここではソニーという表現を私もあえてしているけど、ソニーコンピュータエンタテインメントと当時の名称を使うのは面倒なので、ソニー表記であえて私もすることにする。
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なぜ、面陳をするような条件が付いたのでしょうか?
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ソニーのゲーム部門は、もともとは音楽部門のソニーミュージックエンタテインメントから出発している。
で、当時の音楽関連はCDが売れていた時代で、そのCDでの販売手法をゲームにも活かそうとしていたのだろう。
その一つが店頭での展示方法であり、こうした条件が加わっているというのは興味深いところ。
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ですが、なぜ、ソニーがそのような条件を出せるようになっているのでしょうか?
問屋から卸してもらうのですから、あまりソニーは関係ないように感じますが?
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当時のソニーは独自に流通網を敷こうとしていたんだよね。
その流通網として、店頭との直接取引のようなものがあった。チェーン店などではチェーン店経由とかもあるけど。
で、そうした店舗はプレイステーション正規取扱店として商品をソニーから直接、もしくはチェーン店経由で卸してもらえるわけだ。
その正規取扱店に加わる条件として、先に上げた面陳も条件としてあったのだろう。
それ以外で有名なのは、定価販売と中古禁止とか。
定価販売は音楽業界の考えを引き継いだものなのだろう。
定価販売と中古禁止は公正取引委員会から後程指摘され、なし崩し的に解禁となったりもしたが。
こうした条件の元にソニーと直接契約を結ぶことになる。
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それは良い事なのですか?
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いいんじゃない?
契約なのだから、お互いが納得したら契約すればいいし、納得しなければ契約しなければいいのだから。
あと、このために、ゲームズマーヤがわざわざ移転して広い店舗にした、という話もあったようだが、まだプレイステーションが成功するかどうかわからないのに店舗移転等の費用をかけて移転したというのは、商売の才覚が高いと感じさせられる。
この辺りが、他の店舗運営者と大きく違った点で、直近まで生き残り続けられたところなのだろう。
で、もう一つ、大量に入荷しないとダメという話がコメントにあるけど、話の一部を聞いた限りだと逆で、単に面陳をしなければいけないけど、入荷数に制限があるようには言っていなかったように感じる。
入荷数が少ないが、陳列スペースは広かったので、初期のころはダミーパッケージを用いて大量にパッケージを並べていただけという話だった。
確認していない部分で言っていたらなんだけど。
あと、ゲーム業界にダミーパッケージを採用にしたのもソニーが初だったのではなかろうか。
ソニー側がちゃんとダミーパッケージ用のパッケージが印刷された紙を用意して送ってくれる仕組みだった。
その後、セガが真似していたけど。
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ところで、正規取扱店として契約していたところはプレイステーションの取り扱いが出来るのはわかりましたが、それ以外のゲーム販売店舗はどうしていたのでしょうか?
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正規取扱店以外に関しては、基本的に取り扱いができないことになる。
だが、横流しをする店舗があるのか、問屋に横流しをしてそれを正規取扱店以外の店舗が仕入れる、という流れはあった。
基本的にソニーから仕入れる場合は定価の75%が仕入れ値だったのだが、問屋経由だと新作は80%以上で仕入れることになるので、利益面では正規取扱店になった方がよかった。
逆に、売れないソフトを問屋に横流しをして、そうしたソフトが安い価格で問屋経由で出てくることがあったけど、基本は売切れたら仕入れる、というような店舗がほとんどだったから、そこまで値崩れする、という状況はなかったように感じる。
そういう風にすぐに追加注文できるのがCD-ROMの良いところでもあったし、そうした部分も含めた流通改革をソニーがしていたわけだ。
今までの問屋経由から直接流通に変えることのメリットが一番よく出ていた時期とも言える。
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ソニーによって小売店が潰れていったという話もありますが?
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どうだろ。
少なくとも初代プレイステーションの時代に多く潰れた、という印象はないけど。
プレイステーション正規取扱店であれば、十分利益を出せていた時代だったから。
ただ、正規取扱店にならなかった店舗で、なおかつ問屋から満足に商品を仕入れられなかったりしたら、辛い部分はあったかもしれない。
とはいえ、そういった店舗は逆にプレイステーションの中古販売を実施するなどもしていたので、潰れるようなことはないと思うが。
仮に店舗が潰れたとしても、NINTENDO64などが転けたなどの理由の方が大きいかもね。ソフトもすぐに値崩れしていたし。
それくらい、まだまだゲーム業界に勢いがあった時代だ。
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ふむ。
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あと、関係ない話だけど、ゲームズマーヤが問屋もやっていた、という話をする人がいるのだが、これってどこ情報なんだろうか?
雑誌か何かで本人がそういう話をしたのか、気になるところ。
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以前取り上げたときにコメントにありましたね。
『マーヤさんは問屋業もやっていたという情報があったと思います。』(『ゲーム専門店のゲームズマーヤが閉店へ、なぜここまで注目を集めた店舗なのか、ゲーム専門店はこれをもって歴史を終えた』コメントより)
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先のプレイステーションの正規取扱店の話と絡むけど、横流し禁止だから、問屋としてできるわけないんだよね。
仮に任天堂系やセガ系でやっていたとしても、規模からして微々たるものとなるし。
何より、あまり全部を確認していないけど、先の話が出てきた部分の動画を見る限りでは、問屋としてどうこうという観点がまったくないので、問屋サイドの人間ではないように思うのだが。
過去にどこかで問屋業もやっています、と言っていたりしたら話は別だけど、そうでないのなら、問屋やっている説は正しくないのでは、と思う。
本当に小規模で何かやっているとか、ゲームとは別分野でやっている、とかであれば、また異なるけど。
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どうしてそういう話になっているのでしょうか?
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たぶん、ゲームメーカー主催の問屋とかが集まるイベントにも来ていたから、問屋もやっているという風な捉え方をした人がネットで言っているのでは、と見ているけど。
独立系店舗で長年のメーカーとの付き合いがあるのだし、そういったところに店舗の人間として来ていてもそこまでおかしいとは思わないが、さてさて。
この辺りは真偽は定かではないけど、本人が言っているのでなければ、疑った方がいいかと。
一応情報募集で。特にメディア等で本人が話していたという情報を。
まあ、そんなことの真偽はすでにショップを辞めてしまった以上、どうでもいい話だけど。
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そうですね。
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と、いうようなことを閉店イベントがあったあたりに取り上げようと思っていたのだが、面倒だったので取り上げずにいた。
なぜか最初に取り上げたコメントも後日あったので、ならばということであえて取り上げてみた。
中古屋とか明らかにvitaなどのスペースを大々的に置くようになってから潰れていったけどね
投稿者 : 匿名面陳を条件にしたのは解る気もする。
投稿者 : 匿名競合してたSFCは箱が大きく横を向けても目立ってたからね対してPSのCDケースだといまいち存在感が無い。当時ゲームショップでPCECDROM2のソフトが隅っこの棚で背中向けて棚に並べられててタイトルを探し難かったこともあるしね。