コーエーテクモ 株主総会 2018年 ここで知った一番重要なこと
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コーエーテクモの株主総会があったので、行ってきたので取り上げようと思う。
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2年前から再び行き始めましたね。
去年は『コーエーテクモ 株主総会 2017年 Part1』『コーエーテクモ 株主総会 2017年 Part2』で取り上げています。
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今年はどうでしたか?
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開始の段階で200人ほど。
去年は120人だったのだが、去年は大雨だったので、その分人が少なかったのだろう。
今年も雨は降っていたけど、これないほどではなかった。
入口で水のエビアンをもらったのだが、これが220mlという小さいサイズ。
このようなサイズがあることを知らなかったので、ちょっとびっくり。
小さなカバンにも入れやすいサイズで飲み切りやすい量でもあるので、思わず家に着いたらネット注文してしまった。
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そんな話はどうでもいいですから・・・。
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最初の事業報告は司会者が読み上げていた。
司会者は名前を述べていたのだが「あまのゆり」と言っているように聞こえたので、声優の「天野由梨」かと思ってしまった。
でもあとあと「あまのゆい」と言っていたようで、全然違かった。
でもいいよどみなくすべて読み上げていたので、すごいなと感心しながら事業報告を聞いていた。
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だから、そういうどうでもいい話はいいので・・・。
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で、30分ほど経過して、質疑応答となった。
興味深い内容のみ、取り上げる。
回答者の前には回答した人の名前を記載。
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株主「組織改革をしてブランドごとの体制にしたが、その成果は。」
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襟川陽一「2年半の結果、増益をこの3年間続けていることから経営成績としては成果が出ている。ブランド制、IPのさまざまな展開をブランド長が率先して主体的に行っている。当面続けていきたい。」
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株主「最高裁で一部の手当などを非正規に支給しないのは違法であると判断が出た。同類の訴訟を起こされる恐れがあるのかどうか。」
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浅野「最高裁は格差は認めつつ、不合理でない限りは認めると理解している。仕事の内容や成果に基づき、処遇の差を設けている。訴訟を起こされるリスクは無いと考えている。」
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株主「佐藤辰男について。カドカワの取締役をしているが、まさに今現在、カドカワの株主総会をしている。両立はできるのか。」
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襟川陽一「株主総会が行われており、別の方が取締役になると窺っている。新任する際にはカドカワさんの重要役職は退くと窺っている。」
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株主「グローバルの前期の売上構成比はどうなっているのか。」
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浅野「全体で389億円、日本で260億円、北米で44億円、欧州で33億円、アジアで25億円。海外全体で33%。前年度より上昇している。」
襟川陽一「販売本数では3分の2が海外。3分の1が国内。さまざまな会社とコラボレーションやコラボや協業も増えている。売り上げは大きくないが、増益を続けている。海外の売り上げが増えてきている。すでにグローバル化が数字として表れている。」
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株主「取締役候補者の業績への寄与について、挨拶をしてはどうか。」
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襟川陽一「取締役会で時間をかけて、月次決算やブランド収益から管理し、選任したことをご理解いただきたい。」
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株主「資産について、投資有価証券が過去最大になっている。今後の運用方針について。」
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襟川恵子「投資、市場は生き物。
しょっちゅうトラブルがある。上がっている時と下がっている時とでこれだけの規模になると簡単に売ったり買ったりできない。分散投資し、中長期投資をし、暴落があっても耐えうるような手法を取っている。
人間はアッパー志向なので、ずっと見ていくと落ちれば必ず上がる。暴落があっても、コンピュータの投資で売ってくるが、惑わされずに分散投資をしている。
投資内容は債券や国際でヘッジをし、バランスを取りながら投資している。
半分の値段になってもそこで終わりではなく、必ず人間の英知によって社会活動が活性化して上がっていく。2年3年でガタガタせず、損を最低限に抑えてしていく。」
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株主「環境に配慮したファンドへの対応。ビルが建つが、環境への配慮の例を聞きたい。」
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浅野「ESG投資、環境だけでなくソーシャルやガバナンスについての質問と理解する。
大きな工場を持っているメーカーではないので、多くは人件費、その事務所やサーバー機材等で大量の電力を消費する。省エネについて熱心に取り組んでいる。
新しいビルでも省エネを徹底していく。
ソーシャルは、ブラック企業のような残業問題や差別、ハラスメントも無いように取り組んでいる。
ガバナンスは、正しい在り方を追求して会社が健全に発展していくように外部にも発信していきたい。」
襟川恵子「ファンドの中には組み入れ比率があり、環境にしろ教育にしろ入ってくるが、手数料が発生する。
ファンドに投資するよりも生株に投資した方が効率がよく手数料が発生しない。
あまりファンドに頼らず、債券など実質的な企業の力を信じて投資をしている。」
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以上ですね。
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質疑応答が約22分で10時58分に株主総会が終わった。
気になったところとしては、最後に11名の取締役が選任された、と言うときに、「11し」という言い方に言い直したのが気になった。たぶん「氏」だと思うが、何かしら意味があるのかな、と。
他の部分では普通に11名と言っていたので。
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以上ですね。
ここまでで気になる点はありましたか?
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やっぱり襟川恵子氏の投資絡みの話は勉強になるというかなんというか。
あと、ESG投資について、株主側からは当然、会社としてESG投資の対象となるような何か施策をやっているのか、という意味合いで聞いていたのだろうが、自ら投資する側の考えを述べていたのが面白い。
しかも、手数料かかるからファンドはやめておけという・・・。
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完全に投資家目線ですね。
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と、いうわけで、株主総会は終了。そのあと事業説明会が行われるが、15分ほど休憩することとなる。
その際は外に飲み物と菓子類を用意してあったので、それを飲みながら待つ。
あとは、そのまま帰る人にはお土産も用意。もちろん、事業説明会が終わった後にもお土産は受け取れる。
貰ったものは次の通り。
- アマンドショコラ
- 真三国無双7 大判タオル
- 遙かなる時空の中で3 Ultimate クリアファイル
ちなみに、タオルは人によって描かれているキャラクターが異なるらしく、入っていたのは「鍾会」だった。なんだか、全体的に女性向けのお土産になっている気がする。別にいいけど。
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事業説明会はどうでしたか?
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11時15分からスタート。
最初に会社側から3名による説明があって、そして12分後にビデオ映像による商品紹介が10分。
説明の際、副社長になった鯉沼氏に対しては拍手があったのが印象的。
のち、質疑応答となる。
面白かったのが、襟川陽一氏が「竣工」を読み違えて「しこう」と読んだところを、少し離れたところに座っていた襟川恵子氏がボソッと「しゅんこう」と言って、その後、言い直していたところ。
些細なやり取りだったけど、見ていて面白く感じた。
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では、質疑応答を見ていきましょう。
ここでは各ブランドタイトルの責任者も壇上に上がったようですね。
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株主「株主総会で取締役の発言を聞きたいというのがあったが、それに同意見。」
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全部で10分話していたのだが、興味深いもののみ。カッコ内は該当ブランド。
小笠原(オメガフォースブランド長)「最近、ユーザー様からまだまだできるんじゃないかという意見をいただいているので、クオリティを上げて世界で勝負できる、グローバルの成長を強く意識し、まだまだ海外で上げる余地があると思っている。クオリティアップとスピードアップをしていく。」
襟川芽衣(ルビーパーティーブランド長)「女性向けのタイトルは家庭用を主に展開してきたが、家庭向け女性タイトルは市場が年々縮小している。家庭用のみだとブランドが縮小してしまう危機的状況にある。プラットフォームや対応ハードの拡大、アジアを中心としたグローバル展開、アプリへの参入、新作の開発に力を入れてブランドを成長させていく。」
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株主「AIについて、開発体制はどうなっているのか。e-sportsについて。テクモのタイトルでアーカイブの予定は。キャプテン翼など。ホイホイについて。」
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襟川陽一「最近、HEROZ(ヒーローズ)さんという上場した企業があり、AI専用の会社。資本の提携を行い、共同開発を進めるという発表をしている。」
早矢仕「e-sportsではないが、格闘ゲームのDOAを開発しており、海外の賞金制の大会は開催している。DOA6は加速させていただきたい。来月大きな大会があるが、コーエーテクモとして出展する。」
襟川陽一「ホイホイ含め、参考の意見とさせていただく。」
早矢仕「キャプテン翼は任天堂さんが発表したが、ちょうどファミコンミニ ジャンプ50周年で1と2が遊べるようになっている。他社さんの商品ではありますが、ぜひ遊んでいただけたらと。」
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株主「真三国無双斬の日本での展開は。ミダスのソフトはアプリが中心だが、HTML5のようなウェブアプリも予定しているのか。」
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小笠原「真三国無双斬は現状計画を進めており、予定はある。」
藤田(ミダスブランド長)「開発中のタイトルは市場環境を踏まえ、ネイティブアプリで開発をしている。HTML5は研究の対象に入っている。」
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株主「欧米系の歴史のゲームを作る計画は無いのか。大航海時代をPS4などのプラットフォームに出す計画は無いのか。」
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武田(シブサワコウブランド長)「欧米は重要なターゲットと考えている。良い題材があれば積極的に考えていきたい。
大航海時代もコンシューマーに持っていけるのであればもっていきたい。市場を見ながら考えていく。」
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株主「ときめきレストランについて。8月31日で終了するが、書籍やデータの販売などはないのか。」
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襟川芽衣「5周年を迎えることができたが、今年の8月で終了となる。
そのデータを書籍やデータ販売の予定は残念ながらない。そうした声はたくさんいただいているので、検討していきたい。」
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株主「仁王2について。開発度など。」
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早矢仕「E3の発表は開発がスタートしているというティザー映像としてのアナウンスのため、開発に関しては初期段階。
今度は10年はお待たせせずにリリースしていきたい。開発は迷いなくできている。」
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株主「IR法案について。」
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襟川陽一「興味は持っているが、具体的なアクションは未定。
IRがみなとみらい地区に出来上がるかなど、はっきりしていないが、当社の新本社ビル、それに連なる音楽ホールとのコラボレーションは可能かと思う。チャンスは逃さずつないでいきたい。」
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株主「討鬼伝について。海外では鬼をどのように表現しているのか。カプコンのモンハンをパクった部分が多く、鬼でなくてもいいんじゃないかというアイテムもたくさん出ている。討鬼伝はそのままで行くのかどうか。」
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小笠原「鬼の意味合いは、西洋、中国でも日本人と違った捉え方がある。アジア地域は鬼とそのまま表現している。日本でも鬼のイメージが固まっていないので、鬼という呼び方をダブルクォーテーションでくくって特殊性を出している。
欧米ではデーモンとしている。
モンハンに似ているというご指摘は、ハンティングアクションというジャンルでとらえるとメジャーなタイトルとしてあるのはモンスターハンターなので、似ているという指摘をいただくのは理解できる。
オメガフォースがハンティングアクションを作るとなると、鬼を象徴とした世界観とあのゲームシステムになった。
マルチプレイを特徴とするところで、ユーザーが求める機能はモンハンを参考に揃えていったというところはあるが、ゲームの世界観へのアプローチ、構築等についてはまったくオリジナルで臨んだタイトル。
今後、タイトルを変えるところはまったく考えていない。」
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以上ですね。
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このほかに、年配の方が5分ほど昔から株を持っていて云々という話が合ったのだが、質問でもなかったので割愛した。
この人、2年前も9分間話していた人なのだが、当時、84歳と言っていたように思う。
今回、81歳と言っていたように思うのだが、年齢が若返ってないか?
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言い間違いか聞き間違いでは・・・。
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と、こんな感じですべてが12時15分ほどで終わり、終了。
株主総会と事業説明会で2時間、休憩15分。
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どうでしたか、今回の株主総会は?
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全体的におとなしいというかなんというか。
ある意味、普通な感じなのだが、昔のように個別タイトルについてガンガン質問するようなことが無くて、面白みに欠ける。
質問も、一部を除いては端的に質問していたのが好印象。
役員が個別に自分の担当について挨拶を、はやめた方がいいかもね。
あれって、結構時間食うんだよね。
せっかく、いろいろと聞けるチャンスなのに、会社側からの一方的な話だと貴重な時間が無駄になる。
どこかしらで事業説明はしているはずだしね。
ソニーの株主総会でも同じような質問が出たが、スルーしていた理由がよくわかる一幕だった。
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他はどうですか?
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年配の人が言っていたのだが、みなとみらいの新社屋で株主総会やったらいいんじゃないかと。
昔はコーエーの社内で株主総会やっていたし、任天堂みたいに新社屋で株主総会を期待したい。
と、こんなところかな。
さっきも言ったけど、質問も変なものがほとんどなく、全体的にいい感じに終わって何より。
ただ、一人が何度も質問するような場面が多かったので、もうちょっと質問を厳選して2問程度にしてもらえらたと思ったくらいか。
数少ない創業者がいる株主総会なので、来年以降も都合が付けば行ってみたい。
とはいえ、だんだんと世代移行を進めている気配があるので、もしかしたら創業者2名の語る機会が減っていくのだろうな、と思うと寂しいものがある。
以上で、今回の株主総会の話は終える。
こんばんは。
投稿者 : ピンポイントplus総会おつかれさまです。
記事作成もおつかれさまです。
うちのサイトはだいぶ簡略化してかいているのでいつも関心しています。
10000株を保有という年配男性ですが、86才といっていましたよ。
今後も健康でいらっしゃるといいですね。
あまのゆいさんはイベント司会をしている方のようです。
もしよかったら相互リンクさせてください。
総会シーズン、これからもお互いがんばりましょう。