Age of Darkness Final Stand 評価レビュー They are Billionsとの比較も

2021年10月7日(日本時間10月8日)に、steamにて「Age of Darkness Final Stand」が発売されました。リアルタイムストラテジー(RTS)と、タワーディフェンスを合わせたようなゲーム内容です。

ただ、注目点はそれだけではなく、過去に発売されて人気を博した「They are Billions (ゼイアービリイオンズ)」と系統が似ていることもあり、そちらを遊んでいた人を中心に興味を抱いている人が多くいます。

今回は、発売してすぐの、まだ早期アクセス(early access)の状態の発売日の段階での評価レビューを述べていきます。

今後のアップデートにより、いろいろな改善がされていくほか、今後の予定も発表されていますので、その内容も紹介。

また、今現在は言語が英語のみですが、日本語になる可能性なども取り上げていきます。

約20時間プレイ後の感想、ノーポーズで一度クリア済み。

ゲーム内容

まずは簡単にゲーム内容を取り上げます。

自らの拠点があり、その場所を敵に壊されるとゲームオーバー。

そうならないために、ヒーローユニットや兵士や兵器を用いて敵を倒していきます。

時間の経過によって日中と夜に分かれており、日中は全体的に視界が見やすく、敵も活動を弱めていますが、夜になると視界が極端に見難くなり、なおかつ、敵も襲ってくることもあります。

このほか、通常時にも視界が大きく影響し、画面上で影ができているところには建物を建てようとしても立てられず、ユニットを移動したり他の建物を近くに建てるなどして視界を確保する必要があります。

視界が十分でないところからは敵が急に出てくる可能性もあるため、視界の確保が重要なテーマになります。

何度目かの夜には敵の拠点から大量の敵が出てきます。その敵の大群を何度も倒し、最終的には敵の大攻勢をしのげばゲームクリアです。

現時点ではキャンペーンモードがないものの、将来的には追加される予定。今は難易度等を設定してランダムで作られたマップで遊び、最終的にはクリアを目指す、スコアで競うなどをしていきます。

以上がざっくりとしたゲーム内容です。

ゲーム性

もともと、他のメーカーのゲーム「They are Billions」で完成されたゲーム性であるため、一定以上の保証ができる内容になっています。

いくつかの項目に分けて取り上げていきます。

内政関係

敵からの攻撃を抑えるための防衛の仕方、逆に拠点を広めるための侵攻の仕方などを考えながら遊んでいきます。
内政は比較的シンプルで、建物を建て、それによって資源などを得て、それを軍事的なユニット等にして戦うための土壌を築きます。

当然、建物によって特徴があるため、その特徴を把握できればより有利に戦うことができます。

この辺りは他の類似ゲームと同様です。

「Age of Darkness」ならではの特徴としては、火を灯していくこと。火が灯っていないところからは敵が出てくる可能性があるため、できるだけ火を灯しながら進みます。街の明かりでも十分ですが、狭い場所や一気に広い場所をカバーしたい場合は松明を設置していく必要があります。松明を建てるにもコストがかかり、建物を建てて地道に領土を拡大していくか、それとも松明で領土だけは一気に拡張して、その後内政するかなども考えながら進めていきます。

このほか、マップによっては資源に偏りがあることもあるため、その状況に応じた建物選択も重要になります。

比較的内政そのものはシンプルなため、ある程度の順序立てさえできれば、そこまで難しいことはないでしょう。

戦闘ユニット関係

ユニットには遠距離攻撃系だけでなく、接近攻撃が可能な兵科もあります。

内政をしながら戦っていくことになりますが、この接近攻撃があるため、前線を見ながら内政も行う必要があるのが特徴の一つと言えます。

遠距離攻撃だけの編成も可能ですが、資源の量の関係で遠距離攻撃ユニットが作れず、接近ユニットを活用する場面が出るなど、状況に応じた戦いをする楽しみも出てきます。

このユニットの中の特徴の一つにヒーローユニットがあります。

圧倒的な能力を持っているため、単体でも敵を倒す能力がある他、ゲーム中にレベル上昇があり、その都度強い技を覚えたり能力が大幅に上がるなど、より活躍が可能になります。

発売日の段階では近接系のユニットのみですが、今後新たなヒーローユニットが追加された際に、また違った戦い方をすることが可能になるかもしれません。

スキルツリーもあり、ユニットの系統に応じてタイプを変えて戦うこともできます。これも状況に応じて戦い方を変える一つの要素となります。

また、ヒーローユニット縛り、近接戦闘縛りなど、遊び方の幅もできそうです。

発売日の段階ではユニットの数が限定的ですが、今後のアップデートで追加される兵科によっては、また戦い方に違いを出せると思われます。

操作性関連

この手のRTSにありがちな操作方法のため、そうしたゲームを標準的な操作で遊んでいるのであれば、比較的スムーズにプレイができます。

他のゲームではできるのにこのゲームではできない操作、というものも存在しますが、今後のアップデートで追加される可能性もあるため、現時点では割愛します。

目的のユニットに気軽に移動できるボタンは欲しいと思います。

押し寄せる敵に関して

敵は複数種類がいるほか、遠距離攻撃や範囲攻撃などをしてくる敵がいるなど、その都度対応する必要があります。

敵の遠隔攻撃や範囲攻撃があるため、適当に敵に突っ込むだけだと、無駄に被害が増えます。このため、逆にその場所を見ておかなければいけない、ということにつながり、一気に突っ込ませてお任せするというのがしにくくなっています。

この辺りはポーズを使用しないプレイをする人からすると、煩雑さが出てしまうかもしれません。

多面的な戦いが難しい気がしますが、ユニットの使用方法やスキルツリーの選択によっては、このあたりの問題を解消する手段があるかもしれません。

敵が建物を壊しても、そこから新たな敵は出てこないため、多少的に殴られる程度は問題にはなりません。もちろん、修理のコストはありますが。

一定時間経過すると、敵が大量に襲ってくるタイミングがありますが、そのタイミングはわかるようになっているため、把握してから建築等で対策が可能です。ただし、資源があればとなるため、資源をキープしておくなどの対策も重要になります。

敵の侵攻ルートの把握は、マップの開拓が十分でないと、どの方向から来るかわかりにくいため、特に序盤に関しては多少の運の要素も出てきます。特にマップが入り組んでいることが多いため、この辺りはストレスの要因になる人もいるでしょう。

They are Billions(ゼイアービリイオンズ)との比較

もしかしたら多くの人が一番気になる点として「They are Billions」との違いに関してだと思われます。

まだ早期アクセスの状態で最終判断はすべきではありませんが、いくつか気になった点を述べておきます。

近接攻撃ユニットの有無

「Age of Darkness」は近接攻撃のユニットも用意されています。主な違いはこの点と思われます。

近接攻撃ユニットを使わない戦い方もでき、その際はユニット数の少ない「They are Billions」という捉え方ができなくもありませんが、資源の量の問題で遠距離攻撃ユニットが作れない状況が出ることもあります。

その際に近接攻撃ユニットをどう活用するかがポイントとなるでしょう。

ヒーローユニットの存在

「Age of Darkness」にはヒーローユニットがマップ上に登場します。一方「They are Billions」ではキャンペーンモードでヒーローユニットはいるものの、同じマップ上で戦うこともありません。

サバイバルモードで通常マップ上でヒーローユニットを使える、という点は評価できます。

建物が壊されても敵は出てこない

違いの一つに、建物を壊されても、そこからさらに敵が追加で出てくることはありません。

このため、一気に壊滅状態になるようなことは少なく、敵の大群が来るときや夜の敵の侵攻を見逃すなどをしなければ、いくつかの建物が壊されても挽回は可能になっています。

この点だけ考えるのであれば、難易度は低めとなります。

オートセーブがある

「Age of Darkness」ではオートセーブがあるため、一応のやり直しが可能です。通常セーブは1つの開始したゲームにつき1ヶ所のみ。オートセーブと通常セーブで2つ分のセーブが可能です。

このほか、難易度によってはセーブに制限がかかります。

「They are Billions」では中断セーブしかできないため、この点でもユーザーフレンドリーになっています。

もっとも、「They are Billions」はゾンビの恐怖感をより高めるには、中断セーブのみであったことも一つの味ではありました。批判の多い部分でもありますが。

同じゲームではない

言うまでもありませんが、同じゲームではないため、さまざまな違いが出てきます。

特に、すでに完成して開発を終えた「They are Billions」と、これからさらに追加要素や不具合修正などを行っていく「Age of Darkness」とを単純に比較しても、「They are Billions」が良いとなるのは必然です。

ただ、今現在発表されている今後の予定などを見る限りでは、同レベルに近いところまでになるのではと期待しています。

「They are Billions」の凄さはゾンビそのもの

「They are Billions」は完成されたゲームで、それは開発を終えた、という意味だけでなく、ゲーム性自体が優れている点も挙げられます。

基本的に遠距離攻撃で敵を倒すため、敵から攻撃を受けたら、その時になって確認すればいいとなります。

「Age of Darkness」は近接攻撃ユニットがあり、敵と戦うとアナウンスが出たり、範囲攻撃を受ける可能性を考えると、どうしても目線をそちらに向けねばならず、内政が滞ったりといった問題が生まれています。

かといって、遠距離攻撃ユニットのみで戦おうにも、敵も遠距離範囲攻撃をやってくることから確実ではなく。

このあたりの意識を常に前線に向けないといけない、という点はネックになるかもしれません。特にノーポーズクリアを目指す場合には。

ゾンビに触れられるわけにはいかないから遠距離で、というゾンビそのものの基本設定が、うまくゲーム性にも合致したと言えるでしょう。

不具合関係

早期アクセスのため、発売した段階ではさまざな不具合があります。

経験したものでも途中で強制終了したり、セーブデータからロードすると、敵が本来いるべき場所でないところに存在するなど。

ただ、この辺りは早期アクセスとして起こりうることのため、この点は批判対象とすべきではありません。

こうした問題はありつつ、楽しむのが早期アクセスですので。

今後の改善をただただ待ちたいところです。

今後のアップデート等の予定に関して

すでに今後のアップデート予定が発表されています。

何段階かに分かれており、ヒーローの追加、建物の追加、ユニットの追加、敵の追加、そしてストーリーキャンペーンモードの追加とマルチプレイモードの追加など。

公開時期は不明ですが、順次アップデートが入るようですので、早めに購入してアップデート毎にさらに遊ぶ、という遊び方もお薦めです。

マルチプレイヤーモードがどうなるのかも興味深いところ。

日本語対応は?

今現在、言語は英語のみですが、今後の日本語対応を気にする人もいるかと思います。

発売の1ヶ月前に、販売元が「team17」という会社になりました。

この会社は「Overcooked! 2」などの販売会社にもなっており、そうしたゲームには日本語が用意されています。

全部が全部、日本語になっているわけではありませんが、少なくとも日本語化したゲームを多く発売していることから、日本語化に動いてくれる可能性はありえます。

基本的な部分では文字表記も限定的ですので、日本語化もしやすいはずです。

また、「They are Billions」が家庭用で発売されている実績もあることから、家庭用として発売される可能性もありえます。

『We’ll investigate other platforms and storefronts it could be a good fit for in the future.』(steam「Age of Darkness: Final Stand」掲示板より)

一応、他の言語で発売したいことを開発側も述べていました。

『What languages will AoD be available in at EA launch?

AoD will launch in Early Access with English only. We hope to support localizations for more languages in the future.』(steam「Age of Darkness: Final Stand」掲示板より)

おわりに

まだ早期アクセスのため、完成されたものとはいいがたいですが、現状でも十分に遊べる内容です。

ただ、キャンペーンモードが無いため、サバイバルモードで何度も遊ぶことが楽しいと感じる人でないと、目的が定まらずにどこまで遊べばいいかの踏ん切りがつけにくくもあります。

まずは一度サバイバルモードで遊び、どの難易度でもいいのでクリアしたのであれば、またアップデートが入った後に難易度を上げてもうワンプレイ、といった具合で目的をもって遊ぶとよいでしょう。

最終的に来るキャンペーンモードであれば、目的がはっきりしているため、遊びにメリハリがつくと思われます。

個人的な感想

やはりキャンペーンモードが欲しいのと、新たなヒーローユニットで遠隔系のユニットが出てくることを望むばかりです。

後はタワーに乗っているときに強い敵優先設定ができればと思いますが、それだと簡単になりすぎるかもしれません。

近接攻撃ユニットは詰まりやすいため、結局はあまり前線に部隊が出ずに、範囲攻撃で大ダメージを受けるだけになりそうです。面白い扱いができるようになるか、もしくは新たな近接攻撃ユニットにも期待。

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