ネット収入(amazon.co.jpやgoogle adsenseなど)のみで収入を得て、10年前にアーリーリタイア。その段階では30代で、それから10年経過した状況を語っておこうと思います。
正確にはその後のサイトの維持運営はしているほか、ゲーム実況などもしているため(赤字ですが)、ネット活動から完全に離れたわけではありません。また、元々が趣味の延長でもあったため、趣味的な感覚で今も過ごしています。
このため、アーリーリタイアというよりかは半アーリーリタイア、半隠居、場合によってはセミリタイアと言った方が適切かもしれません。
なお、俗にいう投資関連で生計を立てるFIRE(資産運用による早期リタイア)とも違い、極端な話、株式投資等で利益はほぼ無いものと考えていただけたらと思います。
2020年の疫病発生以降、特にネット収入で生きようという考えの人もさらに増えてきていることから、そうした人の何かしらの将来を考える上での参考になれば幸いです。
アフィリエイトを始めたのは1998年
趣味で始めたネット活動。ゲーム関連のホームページ(ウェブサイト)などをちまちまと更新していました。
しばらくしてからアフィリエイト、というものが登場します。1998年に手を出しています。
今だと有名なところだとamazonアソシエイトやgoogle adsenseがありますが、これら外資系のサービスが日本に来る前からアフィリエイトというものを行っていたことになります。
amazonアソシエイトの日本でのサービス開始は2001年5月9日、海外だと1996年から。
google adsenseの日本でのサービス開始は2004年から。(2003年12月という説もあり)
ちなみに、日本由来ではバリューコマースが1999年11月。
上記と比べていかに早いタイミングで行っていたかがわかるかと思います。
趣味でウェブ活動をしていた延長でしかなく、当然、収入は微々たるものですが。暮らせるぐらいの額になったのが2001年。まともな収益になったのは2002年。
このあたりの時代からネットで収入を得ていた人は、たいていは大きな会社になっていたり、組織化していたり、もしくは夢が散ってネットから去っていたりと、いろいろなパターンがあるかと思います。
私の場合は組織化等はせずに個人レベルで今の今まで過ごしてきています。(サイトで募集して協力していただいたことは複数あります)
しかもアフィリエイトやgoogle adsenseのみ。今でいうところの案件の類もまったくありません。直の広告が初期に少しある程度です。
この点でもかなり稀な状態で生き続けていると言えるでしょう。
アーリーリタイアすることにした理由
2013年にアーリーリタイアすることにしました。
理由はいろいろあったのでしょうが、明確に決め手となったのが2011年の東日本大震災。
この発生後も普通に活動はしていたものの、ある時、このまま同じようなことをしていていいのか、という考えに至りました。
「今現在は存在していても急に無くなる可能性がある」と考えた時、もういいか、という気持ちになり。
何か新しいことをやろうと考えていたわけではないものの、ある程度のサイトの維持はしつつ、ひとまず一服とすることに。
この時には30代でした。
将来必要な金額を計算
当然、生きていくにはお金が必要なので、どれくらい必要か考えることになります。
2013年の時点で生きていくだけのお金が貯まっていたかというと・・・。
当然そんなことはなく。
これから亡くなるまで必要になる額は状況によって変わるでしょうが、当時から考えていた計算は次の通りでした。
寿命までの年数×1年間に必要な額
例えば、35歳でリタイアして、仮に80歳まで生きるとして、1年間に300万円で生活できるのであれば、1億3500万円。1年間に200万円なら9000万円。
しかも、これは「計算当時の物価水準」で、という注意書き付きです。
もう一度言いますが、このような額は持っていない。
それでもアーリーリタイアしました。
直近の物価高、かなり堪えます。
年金等がもらえるのであれば、もう少し低い額でも生きていけるかもしれません。
FIRE(資産運用による早期リタイア)ではない理由
ここまでの額が無いまでも、ある程度お金があるのなら投資で利益を得つつ過ごせばいいじゃないか、と思うかもしれません。
特に2010年代は株式市場も好調で、当然その恩恵を預かったのでしょ、と思うかもしれませんが・・・。
投資もまったくやっていませんでした。
昔を知る人からすると、株式投資に関する話をよくしていたよね、とか、株主総会の話もしていたよね、と思うかもしれませんが・・・。
2011年の東日本大震災に絡む損失の影響もあり、その後はほとんど投資絡みをやっていませんでした。
ストレスの要因を極力排除しようと考えた時、やり続けるという選択肢は無く。
思えば2000年のITバブル崩壊の時期に株式投資をはじめ、リーマンショック、東日本大震災と大暴落の波に何度も流された投資人生。
氷河期世代、失われた30年間世代を象徴する間抜けな状況です。
何をしてアーリーリタイアできるまでになったのか
ここまでの話だと、どうしてアーリーリタイアできる状態になったのか、と思うかもしれません。
ウェブ活動はまともにやっていたので、収入はそれなりに得ていました。
当サイトは一応ゲーム系のサイトであったため、ゲーム関連を複合的に取り上げていたというのが一点。ニュース、攻略、レビュー、ゲーム雑談などなど。
それ以外に、比較的一般的なコンテンツを作っており。
当時と見た目が変わっていますが、google検索では長年上位に来ていたので、見たという人もいるかもしれません。
こうした特定の内容を網羅的に扱ったサイトというのは当時はなかったように記憶しています。(別分野はもちろんあったでしょうが、このテーマでは見てない)
それぞれ2005年であったり2008年あたりに作成。当時はほとんど広告も張ることなく運営していました。多くに見られることを想定していなかったので。
とはいえ、それなりに見られるようになってからadsenseを入れ始め、かなりの長い期間、安定した収入になっていました。
2010年代後半のgoogleのアップデートで終わりましたが・・・。
他のコンテンツもそうですが、他所からパクる等はせずに、自らすべて書いたり調べたりしつつのサイト運営です。
当たり前のことですが、当時は類似サイトが無いので、自らでやる必要があります。個人的な考えとしても、他と同じようなものを作ってもどうかという考えもありました。
最近だとパクるのが当たり前の風潮ですが、そうした前の世代と言えるでしょう。
止める前に感じていた限界
2013年に止めるきっかけとなったのは先に述べたように東日本大震災絡みではあるもの、別の理由も複合的にあります。
一つは、一人がサイトを作ってもどうにもならない時代になっている、と感じていた点。
既に述べたように、私の場合はコピペとかではなく、すべて自分で調べて考えて、そして書いていました。
ですが、すでに2000年代後半には特にゲーム系でwikiというものが登場し、集合知で運営する形態の攻略サイトが登場。自らのみで行うゲーム攻略サイトは無理と感じていました。私の場合は他のサイトなどを見ずに自分でプレイしたものを情報として載せていたため、なおのこと運営が難しく。投稿を募って情報を集めていたものの、個人的なプライドによって匿名掲示板やwikiなどは見ずに運営。
今考えると、よくわからないこだわりです。
また、匿名掲示板からコピペしたようなサイトも人気になり、そうしたサイトにはどうにも太刀打ちできないであろうと。
さらに加えて、ゲーム関連でいうと、今後はダウンロード販売が主流となり、パッケージ販売に誘導するアフィリエイトも限界が来るだろう、という考えも当時からあり。
こうした複合要因もネットに閉塞感を感じ、終わりにしようかと判断した理由に含まれます。
数年で収益半減、企業が発表する3ヶ年計画の重要性を知る
2013年にいったん終了し、趣味的に活動を続けていましたが、面白い具合に収益が激減しました。
2015年の段階で半減。
よく、企業が3ヶ年計画を発表しますが、あの3年に何の意味があるかと思っていましたが、身を持って実感しました。
3年間、計画無しに生きるとこうなる、と・・・。
そしてゲーム実況を始めるが本腰を入れなかった理由
その後の特に何もせずに生きていましたが、2015年からゲーム実況をすることに。ちょうど、このタイミングで東京ゲームショウでYouTube等の動画サイトの講演などが行われたこともあり、ゲーム業界的にゲーム実況に対して正式に許容しはじめたと認識しました。
それもあって、私もやることに。
実際は、海外でなぜゲームが流行っているのかを考えた時にゲーム実況が影響しているのかと判断。自らで試してみたいという思いがありました。そのため、最初はテスト的に行った程度です。
マイナータイトル中心だったこともあり、特に大きな盛り上がりはないものの、地味に運営を今でも続けています。
よく考えるともう8年経過しているんですね。月日の流れは早いものです。
とはいえ、本気でゲーム実況に力を入れることもなく。
動画はパソコンの前に拘束される時間が長すぎ、なおかつゲーム実況であればさらにモニターの前に居続けなければいけなく、辛いだろうという考え。
楽になりたいからアーリーリタイアしたのに、辛い状況になってもどうなのか、ということもあり、良い動画を作ろうと考えて実際に作ることはあっても、それで収入を得ていこうとまでには至りませんでした。
さらに、他人の著作物を使ったものは、生殺与奪権をその著作物に依存することになり。
もともと、googleであったりamazonであったりに生殺与奪権は握られているものの、ルールを守ってやっていればそうそう問題になることはありません。
それに加え、個人的な考えでゲームは遊ぶものであり、見ることで満足するようなものを作ってもどうなんだ、という考えもあります。
ある種のゲームユーザーの側面が強く出てしまったため、自分のチャンネルの登録者数を伸ばす目的での行動などをすることはありませんでした。
実際、多く扱っているメーカーがスーパーチャット等禁止のルールを追加したり、別のメーカーでは特定のタイトルに特殊なルールを設けてきたりで、その後のYouTube上の活動に大幅に制限が加わったので、考えとしては悪くなかったような気がします。
もっとも、新しい動きにまったく触れることができないのは、ただただ残念でした。
ちなみに、YouTubeでの収支は赤字です。
ゲームそのものが好きだから続けているようなものです。
15年前から聞いていた次は動画の時代
少し余談ですが、動画の時代が来る、というのは15年くらい前、たぶん2008年くらいに聞いていました。
なので、本来はそこでちゃんと手を打つべきでしたが、どうしてもゲーム関連を中心に取り扱っていたため、ゲームの動画は権利的に無理だろうという考えが先に立ってしまい。
違った角度でこの話を受け止めていれば、また違った人生があったのだろうと思う次第。
なお、私が一番最初にYouTubeに動画を上げたのは2009年でした。(ゲーム以外)
いろいろとおしい。
2020年の疫病問題でウェブ関連の時計の針が5年進んだ
そして、2020年になり、疫病問題が発生。
なぜコロナと書かないかというと、YouTubeでコロナ絡みの話をすると収益化禁止になっていた名残です。
巣ごもり需要などもあり、ウェブはもちろん、YouTubeなども利益が増えたかと思います。それはgoogleなどの決算からもわかる通りです。
とはいえ、ほとんどまともに活動していなかったので、個人的にはそこまで恩恵を受けている感じはせず。
逆に競争激化でYouTube絡みは落ちています。
自宅待機で暇になった人が大挙としてYouTubeに動画投稿者、およびライブ配信者として押し寄せ、その少し前の2019年くらいには情報商材系がYouTubeでの活動を焚きつけていたことも重なり。
さらにはTV関連などのプロも参戦し、疫病で一気に時計の針が5年ほど進んだ印象です。
疫病がなければ、それまでYouTubeで活動していた人は、もっと長期的に安定した収益を得られたと今でも思います。
2020年、2021年は一過性で利益は出たものの、その後辛くなっているのが2022年であったり2023年。
辛い辛いと言うYouTuberが増えているのも頷けるでしょう。
そして2024年、終わりがやってくる
と、いったような状況の10年間でした。
それでもほそぼそと生き続けてきましたが、いよいよ2024年、ウェブ関連は終わりを迎えそうです。
もし、その激動の状況を切り抜けることができるのであれば、あと3年は生きられそうですが、果たしてどうなるのか。
ウェブ関連の人なら、なにを言っているかよくわかるかと思います。
ちなみに、私はよくわかっていません・・・。
今現在の懐事情
10年前のアーリーリタイア時には80歳まで生きるまでの金額はなかったと述べました。
では、いまはどうなのか、というと・・・。
45歳で計算して80歳まで35年。
年300万円使うと1億500万円、年200万円使うと7000万円。
しかし、直近の物価上昇を見ると、年200万円で生活できるわけもなく。(賃貸です)
コンビニで買い物をしたときに、1000円を超えることが多くなって日々怯えて暮らしています。
今の貯蓄がどうなっているかというと・・・。
実はよくわかっていません。
昔はネット上のさまざまな金融機関やクレジットカード、投資サイト等の額を合算して表示することができるサイトを使っていたのですが、ブラウザの対応が進まず、結局インターネットエクスプローラーの時代が終わったタイミングで数字を見ることができなくなりました。
無駄遣いはしていないので、そこまで大きく金額が減っているということはないと思いますが、どうでしょうか。
ゲームが趣味だと、趣味にかかる金額が少なくて助かります。
これもあまりお金が減っていないであろう要因かと。
アーリーリタイアして暇になった
アーリーリタイアして暇になりました。
もともと暇でしたが、さらに暇になりました。
ゲーム実況等を楽しんでいたため、しばらくは忙しいようなことをしていましたが、結局は普通の人の忙しさと比べてはるかに暇です。
アーリーリタイアした人が再び仕事をしたくなる、社会奉仕をしたくなる、という気持ちはよくわかります。
以前、FIRE(資産運用による早期リタイア)で収益を上げている人が、そういう感情を抱いている、というニュースを見たような気がします。
1000万円でFIREをして失敗してまた仕事に就いた、みたいな人もいたようですが、それは論外。
やはり、何かをしていないと、それはそれで辛いものだと実感しています。
目的が見つかっていないのであれば、継続して働く、ということも重要なのかもしれません。
何かを見つけるために休む、ということも重要ですが。
今ネット活動している人、これからする人へ向けて思うこと
YouTubeやその他動画サイト等で活動している人、および、ウェブ関連で活動している人向けに長々と言おうかと思いましたが、今回は止めておきます。
とりあえずは健康に気を付けてください。
また、いつ止めてもいい、ということも知っておいてください。
長く続けるべきことと、そうでないことの判断ができないと苦しみ続けるだけですので。
私が生き続けられた理由は所詮は偶然でしかなく、単にそういうタイミングで活動しただけでしかありません。
たまたま結果がついてきただけです。それが2000年代という時代です。
2010年代にはそれがYouTubeなどの動画関連に置き換わっただけのこと。その時に努力した人は数字がついてきたでしょうし、現状に甘んじたのであれば失速していったでしょう。
時代をつかんでいても、本気で収益を得ようとする人が出てくると、個人で立ち回るのは無理になります。疲弊するだけですので。
だからこそ、グループであったり企業として活動するようになるのですが、それでも長く続かないところが多数です。
副業的にするのであれば何も言いませんが、収入を一本に絞ってやっていこうというのはあまりお薦めしないことを述べて終えます。
特に若い世代は道だけは間違えないように選択して、自身にとってのより良い状況になれるのであれば幸いです。
おわりに
このように1998年から25年間ウェブ活動を行い、2002年からウェブ関連の収入のみで生きてきたわけですが、来年以降どうなることやら。
アーリーリタイアしてから10年したら何か記そうと思っていましたが、もうちょっと早くに書くべきだったかなと思った次第。
それくらい、2020年の疫病以降、時間が進みすぎてこの1・2年で疲弊した人が多かったように思います。
仮に書いたとしても当事者たちがこの記事にたどり着いたかはわかりませんが。
今回の話は、あくまでもamazonアソシエイトやgoogle adsenseなどによる収入のみによる話です。ネットと言っても今ではさまざまな手段が用意されていますので、リスクヘッジは比較的しやすくなっているでしょう。
実際に収入の推移なども載せようかと思いましたが、あまり扇情的な内容にしたくはなかったので止めておきました。来年以降、完全に終わったら、その時にでも。
また機会があれば何か書くかもしれません。
健康についてとか、健康についてとか、健康についてとか。
余談ですが、当サイト「まこなこ」は11月5日で丸21周年でした。