今回は2021年10月14日にsteam、PS5などで発売された「The Riftbreaker」の評価レビューを取り上げていきます。Xboxのゲームパスにも発売日から登場しています。開発は「EXOR Studios」。
RTS(リアルタイムストラテジー)とタワーディフェンスと、そしてアクション要素もあるゲームになっています。
同じメーカーの過去作には「X-Morph: Defense」があり、こちらはシューティングとタワーディフェンスを組み合わせたゲーム内容になっています。
1ジャンルにとどまらないゲーム性を生み出すメーカーです。
プレイ時間は43時間、キャンペーンモードをノーマルでクリア、サバイバルモードは2つのマップをクリアしています。
評価はPC版で行います。家庭用版と異なる部分があるかもしれませんがご了承ください。
評価レビューの前に今後のアップデートについて
今回の評価レビューは発売日バージョンでのものとなります。
今回問題視した多くの要素に関しては、メーカーが今後アップデートで対応するような発言をしていたので、この点ご了承の上、お読みください。
以前から見ていましたが、このゲームのメーカーは頻繁にユーザーとのコミュニケーションをしていましたので、この点でも好印象です。
また、今後の追加要素等の発表もされています。
ゲーム内容
先にゲーム内容を紹介します。
RTS(リアルタイムストラテジー)とタワーディフェンスと、そしてアクション要素のあるゲームになっています。
自らが操作するキャラクターを動かし、常に行動しながら状況を把握し、行動します。
建物によって敵を倒すことができるだけでなく、自らでも強力な武器をもって戦うことが可能です。
建物が攻撃用だけでなく、内政用の建物も多く、鉱物を取りつつ建築を行い、そして設備を整えます。
この他、スキルツリーが3種類ある他、武器を作るクラフトなどもあり、強くするためにできることが多く用意されています。
敵はマップ上にいる敵のみならず、特定のタイミングでマップ外からも敵が襲撃してくるため、防御を固めつつ領土を広げていきます。
モードはキャンペーンモードとサバイバルモード。キャンペーンモードはかなりのボリュームになっており、メインのマップだけでなく、別の拠点に移動し、そこでまた新たに建築や探索を行い、クエストをクリアを目指す。
そして、最終的にすべてのクエストがクリアできたらゲームが終了。
サバイバルモードは2時間くらいで終了するボリュームで時間まで生き延びるための闘いをします。最初から指定された難易度で遊べる他、自らでさまざまな設定を変えて遊ぶことができるのも魅力の一つです。
ゲーム性
キャンペーンモードとサバイバルモードでは大きく変わるため、同じ部分を先に述べた後に、それぞれ分けて取り上げていきます。
アクション要素も強い
タワーディフェンスといえば、そこまで操作の複雑さを要求されることは限定的ですが、ここにアクション要素が加わったことで、かなりの煩雑な操作が必要となります。
自分が操作するキャラクターの動かし方によって、敵の襲撃を抑えることもできるため、単なるタワーディフェンスとは異なった遊び方が可能です。
襲撃だけでなく、建物を建てる際にもキャラクターを動かしながら立てていくため、操作を複雑に感じてしまうかもしれません。
このため、このアクション要素が、従来のタワーディフェンスを好んでいる人からすれば、難しくて手を出しにくい要素になるかもしれません。
ある程度、タワーのみで対応も可能ですが、リアルタイムで進行するため、のんびりタワーを吟味して建てることも難しく。
この辺りで好みがわかれるところだと思われます。
豊富なスキルツリー、アイテムクリエイト、追加パーツなど
スキルツリーが3種類用意され、覚えたアイテムを作り、そのアイテムに追加パーツを付ける。
育成等が好きな人からすれば楽しめる要素と思われます。
一方、そうした要素が多いため、何をすればいいかを覚えることも大変で、スキルツリー用のポイントを増やすにも、異なった建物が必要になり、アイテムを作るにも必要な素材が多岐にわたるなど、把握することが多くて大変です。
そうした要素を一つ一つ把握しながら楽しむのが好きな人であれば、魅力的に感じるでしょう。
操作性
できることが多いことから、操作も複雑になっています。
何かを建てているときに敵が襲ってきたら、武器をもって戦いたいとなりますが、いつまでもクリエイトモードのままで戦おうとして攻撃できない、といったことも多く。
手早く何かをするにはショートカットを覚えていく必要がありますが、そうしたことをすればするほど操作が複雑になっていってしまいます。
かといって、ショートカットを使わないと操作が遅くなり、敵が来ても手早い対応ができない、というデメリットも。
建物を建てる時、新たにものを建てようとすると上書きされてしまうということもあり、建てる操作そのものに慎重さが必要にもなります。
せわしくなく動く必要があるアクション性が高いからこその煩雑さが出ています。
天候や災害イベントの是非
天候の悪化や災害によるイベントがあります。
視界が悪くなったり、風力や太陽光発電で電気が得られにくくなったり。
隕石の落下で建物や自らのキャラクターも倒される可能性も出てきます。
こうしたイベントそのものはゲームの変化を出す上で重要とは思いますが、頻繁に起こっているように感じるため、ストレスの要因にもなりかねません。
一度建てたものが不意の出来事で壊れることにストレスを感じる人も出てくるでしょう。
夜や特殊状況での視界
夜や特殊な状況になった時には視界が悪化します。
ゲームの雰囲気を高める仕組みではあるものの、視界が悪くて行動しにくい時間が多いことにストレスを感じる人もいるでしょう。
テレビの設定等で見えやすくする、という手もありますが、それはそれで無粋なような気もします。
電灯のようなものも用意されていますが、コストもかかるため、現実的ではありません。
この辺りも人によって不満要素となりえるでしょう。
ただ、そうした夜の時間はゆっくりと別のことをしながら朝になるのを待つ、というスタイルでゲームを楽しめる人であれば、あまり気にならないかもしれません。
ゲームの世界観を表す雰囲気としては適した要素と思われます。
キャンペーンモードについて
ここからはキャンペーンモードについて取り上げます。
全体のボリュームがある内容
価格が3000円代のため、そこまで長く遊べるようなものではないのかと思っていましたが、予想以上にボリュームのあるキャンペーンになっています。
できることも多く、プレイしていく過程で要素の追加等もあることから、チュートリアル的な楽しみと育成や強化の楽しみを同時に得られます。
ゲームの内容がわかるまではおっかなびっくりな展開になりますが、理解が進めば進むほど、ゲームの深さを実感できます。
あとはどこまでこの世界観に入り込めるかどうかによるでしょう。
複数のエリア移動
初期の基盤となるエリアだけでなく、他の場所に移動してクエストを行う必要があります。
他の場所でも一から基地を作っていくことになるため、この点を煩雑に感じるかもしれません。
ただ、他のエリアはそこまでガッツリと内政をしなくても、クエストを達成すればいいだけ、ということをわかれば、そこまで大変でもありません。
全部丁寧にやろうとしてしまう人は、大変に感じてしまうかもしれません。
物資の枯渇の有無
鉱石を採っていくと、その場所の鉱石がなくなります。
このため、鉱石を採りつくしたらどうなるのか、という不安とともにゲームを進めていくことになるため、そこに意識が向かいがちです。
結論から言えば、そうならないための仕組みが複数用意されているので、安心して遊ぶことができるようになります。
いろいろな工夫が見て取れます。
何をしたらいいかわかりにくい
エリアごとに特殊な条件に置かれたり、クエストが発生しますが、場所によっては何をしたらいいのかわかりにくいこともあります。
ある程度の説明はされるのですが、より細かい説明が必要な場面もあります。
スキルツリー絡みで関係があるのか、それとも建物の特殊要素によるものなのか、それとも装備パーツ絡みなのか、要素が多いこともあり、どれであるかを把握するのが難しいです。
最終的には別の手段で条件を達成することができたりもするので、その辺りはあえてそうしているのかもしれません。
できることが多いからこその問題点とも言えるでしょう。
サバイバルモードについて
サバイバルモードについて取り上げます。キャンペーンモードとはまた違った比較的短時間で遊べるモードです。
ランダムで作り出されるマップで難易度を選んでプレイしていきます。
4つのエリア、難易度設定、自らでも設定可能
サバイバルモードは4つのエリアが基本としてあり、難易度も複数用意されています。
また、そうした用意された難易度だけでなく、自らでもさまざまな設定をして楽しめる要素もあるため、自らの難易度にあった遊び方もできるようになっています。
easyでもクリアできない人でも設定を変え、要素を試していくことが可能です。
2時間程度と、比較的短時間で遊び終えることができるため、キャンペーンは長すぎる、という人はサバイバルモードを中心に遊んでいくのもお薦めです。
難易度が高く感じる
あくまでもアクションとしてではなく、タワーディフェンスとして楽しもうとした際での話ですが、初期に設定されている難易度に関して言えば、全体的に難易度が高いように感じます。
何かしらのコツがあるのでしょうが、何も考えずに初心者がプレイしてもeasyですら難しい可能性もあります。
PCでアクションゲームを遊ぶことに慣れた人と、そうでない人とで評価が分かれるでしょう。
不具合に関して
発売初期の段階ではさまざまな不具合があります。
体験したものとしては、強制終了、一部のキー(攻撃ボタン、方向キー)が入力され続けた状態になる、など。
他にも、いろいろな症状が出ているようですが、発売から短時間でさまざまな修正のアップデートを行っていますので、今後落ち着いていくと思われます。
言語の問題
テキスト関連は日本語が収録されているため、安心して遊ぶことができます。
一部、英語のままであったり、意味不明な文字になっていることもありますが、限定的で、ゲームの進行には影響が少ないです。
ただ、音声は英語のみです。
いろいろとキャラクターしゃべるのですが、左上の会話テキストに目線を動かして読もうとすると、その間、キャラクターを動かすのが困難になります。
RTSとアクション要素、という組み合わせが、より会話の把握の困難さを招いています。
ただ、会話の内容はログで読めるようにもなるため、リアルタイムにこだわらなければ一度メニューに移動してログを読むことで対応が可能です。
この他、会話テキスト以外で案内が出ることも多いのですが、その内容は把握できなかったりするので、英語がわからないと不利になります。
いずれにしろ、テキストだけでも日本語を収録してくれて、ただただ感謝。
おわりに
1週間で43時間遊ぶなど、ハマる要素の多いゲーム内容です。
このボリュームで3000円代と、価格面でも満足度の高いゲームです。
操作性などはキーボードでのアクション操作に慣れている人であったり、ボタン数が多いマウスを活用するなどで評価が変わると思われます。
キャンペーンモードではそれほどでもありませんでしたが、サバイバルモードではあたふたしてクリアが難しかったです。
早くも次のDLCが来ないかと今から楽しみにしているくらい、熱中して楽しめました。
ここまでゲームの世界観に入って熱中したのは久しぶりです。
ストレス要因も多いですが、それも含めて十分堪能できました。