2020年に発売予定の「幻影異聞録#FE Encore」で任天堂がやらかしたお話。
このゲームは元は2016年にWiiUで発売されたタイトルの移植。
※画像は任天堂オフィシャルサイトより
幻影異聞録#FE Encoreに登場しないシーンで客を騙す
とりあえずの概略。
もともと、WiiUで発売されていたタイトルで、それがNintendo Switchに追加要素ありで発売されることになりました。
WiiUでは、日本版と海外版が存在し、肌の露出等による違いがありました。
今回のNintendo Switch版では、海外版を元に、全世界均一の内容となるため、以前の日本版には含まれていた描写が存在しなくなります。
しかし、オフィシャルサイトでは、WiiUの日本版でのみ登場した画像を使用し、あたかも日本版を元にしてあるかのように偽っていた、というわけです。
また、当然のことながら、海外版を元にしている、という記載もありませんでした。
最初に10月10日にこっそりとオフィシャルサイトの画像を差し替えたようです。
その後、ゲーム系サイトと思われるところが任天堂に問い合わせ。
そして、10月17日にオフィシャルサイトに追記。
最後に10月18日に顛末を含めたお詫びを掲載、という流れです。
問題発覚後の任天堂の対応
最初はこっそりとオフィシャルサイトの画像を変更して済ます予定だったようです。
ゲーム系サイトらしいところから問い合わせがあったからか、10月17日に任天度は「幻影異聞録#FE Encore」のオフィシャルサイトに次の記載を加えました。
『本作はWii Uで発売された欧米版『Tokyo Mirage Sessions #FE』をベースに新規要素を追加した全世界共通の仕様です。』(「幻影異聞録#FE Encore」オフィシャルサイトより)
また、お詫びとして、10月18日に次のような文章を任天堂オフィシャルサイトに掲載しています。
『Nintendo Switch『幻影異聞録♯FE Encore』に関するお詫び
2020年1月17日発売予定のNintendo Switch専用ソフト『幻影異聞録♯FE Encore』の事前告知内容において、お客様にお伝えした情報に不足および誤りがありましたことをお詫び申し上げます。同タイトルは、2015年に発売したWii U専用ソフト『幻影異聞録♯FE』の欧米版である『Tokyo Mirage Sessions #FE』(2016年発売)に新要素を加え、全世界共通仕様での世界同時発売を目指して開発を進めております(ゲーム内の言語は日本語でお楽しみいただけます)。
しかしながら、『幻影異聞録♯FE Encore』の広報活動においては、当初より同タイトルが『Tokyo Mirage Sessions #FE』をベースとしていることを告知しておらず、また、公式ホームページ上に、本来は同タイトルに含まれていないWii U国内版『幻影異聞録♯FE』のゲーム画面が誤って掲載されていたため、同タイトルの内容について、お客様に誤解を生じうる状態となっておりました。
そこで、2019年10月10日に、ホームページのゲーム画面の差し替えをおこない、同17日には、同タイトルが『Tokyo Mirage Sessions #FE』をベースとしていることを掲載いたしましたが、お客様への情報提供が当初より不十分であったと認識しております。
つきましては、既に「ニンテンドーeショップ」および「マイニンテンドーストア」で『幻影異聞録♯FE Encore』をご予約・ご購入いただいたお客様で、本件に起因してキャンセルをご希望の皆様に対しては、後日、このページでお手続きについてご案内をいたします。』(任天堂オフィシャルサイトより)
返金手続きはまた後日となっています。
幻影異聞録#FE Encoreの虚偽表記の何が問題化
この手の話を取り上げるとき、必ず出てくる意見として、「この程度のこと、いいじゃないか」という意見。
いかにもメーカー側の人間か、それとも飼いならされた側の意見となるわけですが、この手の行為は詐欺行為でしかありません。
日本だと感覚がマヒしている人が多いのですが、海外であれば当然大きな問題となります。
もし、発売後に発覚したら、プレイしていたとしても返金対象でしょう。
日本だと騙し売りが当たり前に行われているため問題視する人が少ないのですが、消費者保護の観点から、この手の問題に対してはしっかりと対応を迫る必要があります。
幻影異聞録#FE Encore問題に対する任天堂の対応の良し悪し
最終的な結論は十分な対応と評価できるものの、途中の経緯を見るとそうとも言ってられません。
まず、オフィシャルサイトの画像切り替えの時点でアナウンスがあったほうがよかったのでは、という点。その段階では少なくとも任天堂側には問題が把握できていたでしょうから。そうでなければ、画像を切り替える必要はなかったわけですし。
また、海外版を元にしているという記載追加までに1週間間があり、その間にゲーム系サイトからの問い合わせがあったから、記載した、という感じが見て取れます。
最終的な経緯を含めた案内に1日空いていますが、この辺りは単に作業面での時間の都合と考えれば許容範囲かもしれません。
意図しないミスはあることですので、それ自体にとやかく言うつもりはありませんが、問題を意識した段階からの流れを見ると、問題視されなければいいや、という姿勢が見て取れるのが残念。
画像の有無以外にも、そもそも日本のプレイヤーからすれば「日本版が元になって追加要素がある」と考えるのが普通のため、海外版が元になっているという記載は最初から必要だったように感じます。
プレイヤー側からすれば、海外と違いがあったことすら知る由もありませんから。
その後の経緯説明と返金対応は十分な対応と言えます。
こうした状況になっても返金や満足な説明をしない企業もある中、海外でもまともに仕事をしている企業だからこその対応なのでしょう。
まとめ
ある意味、企業として当然のことをしたまでですが、経緯はともかく、結果は十分な対応といえます。
あとは、この経緯を見て、買おうと思うかどうか。
当初、買う予定でしたが、不完全版、というような形になってしまっているので、迷いどころです。
それこそ、日本版としてオリジナルに即した内容にします、くらいやってくれたら、万々歳なのですが、あまり売れそうにないタイトルということもあり、そこまでする余力はないのでしょう。
かといって、今からWiiU本体とソフトを買うほどのことか、と言われると、それも微妙ですし。
もともと、まったく興味のないタイトルでしたがニンテンドースイッチ版「大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL」で早い段階でカードとして出てきて、長く使っていたことから、ちょっと興味を沸いて買う検討をしていたのですが・・・。
迷います。
あと、どうでもいい話ですが、「#FE」と、なぜ公式は全角文字なのか・・・。