Nintendo Switchで発売された「ファイアーエムブレム無双 風花雪月」の評価レビューです。
無双シリーズは歴史ものを含めてある程度プレイ済み。原作となる「ファイアーエムブレム 風花雪月」もルナティックモードも含め、3回分通してプレイ済みです。前作にあたる「ファイアーエムブレム無双」は未プレイ。
1つの勢力でエンディングを迎えるまでプレイ。プレイ時間は36時間ほど。
音声をスキップせずに聞き、移動可能な戦場はすべてクリアしてのプレイ時間です。
YouTubeでは動画付きで評価レビューを述べています。
無双シリーズ1番のゲーム性
個別に他の無双シリーズと比べてどうこう述べることはありませんが、もしかしたら無双シリーズの中で一番のゲーム性ではないかと思われます。
元となっている原作がゲームであり、なおかつシミュレーションゲームであったことから、ある程度のゲームとしての基礎が出来上がっています。
そのゲーム性をうまく「ファイアーエムブレム無双 風花雪月」に取り込んだことにより、他の無双シリーズにはない多くのゲーム性が加えられています。
多くの敵を倒す従来の無双シリーズの原点は当然ですが、シミュレーションゲームとしてのユニットへの指示、育成要素、そして直近のファイアーエムブレムにあるキャラクター間の関係性とボリュームのある会話など。
「風花雪月」本編で用いられた要素を数多く取り入れたことにより、従来の無双シリーズとはまた違った楽しみが可能になっています。
要素の多さが逆に問題に?
さまざまなゲーム性が追加され、要素が多くなったのは良いものの、逆に無双シリーズとしての気軽さ、という部分が薄くなってしまった、という部分もあります。
戦闘中の爽快感は他の無双シリーズと同じものの、その戦闘に向かう前にキャラクターの育成や武具の装備育成、職業の変更、関係性上昇などなど。行うことが多く、次へ次へと気軽に遊びたい人からすると、やることが多いことが手間に感じてしまうかもしれません。
また、「風花雪月」をプレイした人からすればすんなりと理解できる部分が多いものの、完全新規のプレイヤーからすれば、要素の多さが複雑に感じられるでしょう。
「風花雪月」をプレイしたか否かでも評価が分かれる部分かもしれません。
とはいえ、ある程度遊び進めていけば、内容自体の把握は容易と思われます。
戦闘中に中断を強いる要素の良し悪し
要素の一つに、戦闘中にマップ画面を開き、他のユニットに指示を出す、という要素があります。敵との相性を見てどの敵にどのユニットを当てるかや、キャラクターの護衛、拠点の確保など、シミュレーションゲームらしい雰囲気もあり、魅力的な要素です。
その反面、マップを開くと戦闘が中断して選択をすることになるため、戦闘時の没入感が薄れる要因にもなっています。
複数のユニットをうまく指示して、なおかつユニットを切り替えて遊ぶ人には良い要素ですが、逆に一キャラクターを用いて遊んでいる人からすると没入感を削ぐ要素になります。
使わずでも遊べますが、移動に時間を強いるゲームでもあるため、うまく活用してキャラクターを入れ替えつつプレイするのが遊び勝手も良いため、没入感を取るか利便性を取るかの選択を迫られます。
Nintendo Switchでの問題点は?
Nintendo Switchで発売となると、現行のゲーム機の基準としてはやや時代遅れのマシンパワーを心配すると思います。
実際、描写面では他のゲーム機やPCなどと比べて劣るなどもあり、この点を問題視する人もいるでしょう。
実際にプレイしてみると、動いている最中はそこまで気になることもなく、変に「カクツク」とかも感じられなかったため、プレイしている感じとしては悪くありませんでした。
ステージの切り替え時の読み込み時間もそこまで長いとは感じません。
ゲーム立ち上げ時にはやや長く感じるものの、一度立ち上げた後はスリープモードでプレイする際には気になりません。
Nintendo Switchだからかはわかりませんが、ジャンプのような動作は採用されておらず、他の無双シリーズと比べてアクションの幅が狭まっていたのは気になります。
ジャンプそのものがゲーム性に大きく影響を与えるわけではありませんが、残念に感じるところです。
長い会話シーン
キャラクター性を持たせるためもあり、基本的に会話シーンは長めです。
戦闘に行こうとしても直前に会話シーンがあり、普通に音声を聞いてオートで進行すると5分以上会話を聞かされることも多々あります。
ストーリー的に意味のある会話ならば問題ないのですが、たわいのないやりとりも含まれることも多く、また、声優の話すスピードもゆっくりめのため、全部聞こうとすると無駄にプレイ時間が長くなります。
もちろん、スキップや文章を斜め読みをして音声を飛ばすこともできますが、それはそれで作り手の意図と異なるようでいいのか迷います。
昨今では動画などを倍速で視聴するということが一般的になっていることもあり、なおさらテンポの悪さを感じます。
可能であれば、この手の会話シーン時には倍速再生のようなことができればと思います。
おわりに
世界観がしっかりと描かれていた「ファイアーエムブレム 風花雪月」を元としているため、プレイしている人からすればすんなりと入り込める内容になっています。
逆に未プレイだといきなり投げ出されたと感じるかもしれません。
各要素に関しても原作をプレイ済みかどうかで感じ方が大きく変わります。
このあたりは他のゲームと同様、原作ありのゲームの宿命なのかもしれません。
完全新規のプレイヤーからすると前提条件が多すぎて難解に感じるでしょう。
また、分岐があるからなのか、一度のプレイでストーリーが十分把握できるようにはなっておらず。読後感の悪い小説のようになってしまっているのも残念なところ。
もっとも、これは本編でも似たような部分もあったため、それを踏襲していると考えると、やはり原作プレイ済みのファン向けと言えなくもありませんが。
いろいろと取り上げたものの、無双シリーズとしてはいろいろと考えられた部分も多く、操作性なども細かいところで利便性のあるものも多く用意されており、この辺りはシミュレーションの時と同様、遊びやすさも考えられているのが窺えます。